ボクっ娘転生~青年は転生し、ボクっ娘として異世界でスキルを極める~
第8話 十歳。
5年の月日が経ち、ボクは十歳となった。
この五年間でしたことと言えば、スキルや加護の練習と領地をちょっと改造した位だ。
領地のことは後々説明するので、割愛させてもらう。
スキルや加護は、ほとんど使いこなせるようになった。使いこなせると行ってもまだまだ特訓する余地はある。でも、一人で魔物を狩れる位にはなっている。
さて、ここからの話が最も重要だ。
ボクはこの5年間ずっと"悩み"を抱えてきた。
そして"悩み"を解決するためにいくつもの実験をした。
しかし、すべて全くと言って良いほど効果が無かった。
 そう。
ボクが悩んでいるのは━━
                    ━━━『身長』だ。
ボクの身長は約130cmだ。十歳女子の平均身長は約137cm。つまり、今の僕はとても身長が低いのである。
(なぜボクの身長だけ低いんだっ!母上だって、姉上だって平均以上だったはずなのにっ!)
母上の身長は約170cm、姉上の身長は約165cmである。
(いや、まだ家に居るだけなら身長の事は良い。)
家に居るだけなら身長は関係ない。特に気にしなくても良い。
しかし…………
 
(どうして来年から学校があるんだよっ!)
ボクらの世界の学校は満十一歳から六年の学校がある。もちろん全ての人が行くわけではない。
この世界は貧富の差が激しい。
なので、学校に行けるのは貴族や商人の子ども、そして魔法等の技術に優れている者だけだ。
(身長をもっと伸ばさなければっ!)
ボクはこれから一年間、身長を伸ばす方法について研究する事にした。 
決意から一週間がたった。
そして、早くも結論が出た。
(身長は伸びるのを待つしかない。)
魔法では、身長を伸ばすことは出来ない。
それがこの一週間で分かったことだ。
しかし、ボクの身長の低さは遺伝的な物ではない。なぜならば、ボクの家族全員の身長は平均を越えているからだ。
ということは、家族には当てはまり、ボクだけ当てはまらない"何か"があるはずだ。
コンコンッ!
誰か来たみたいだ。
「ノエル、入るわよ。」
母上のようだ。
「はい、どうぞ。」
ガチャッ。
「ノエル、最近何か悩んでるみたいだけど、どうしたの?」
「いや…その……実はあまり身長が伸びなくて……」
「それはそうよ。だってノエル、貴方あまり外で遊ばないじゃない。子どもは外で遊ぶことで成長するのよ。」
「でもボクいつも外で練習してますよ?」
「練習じゃなくて『遊ぶ』ことが重要なのよ。たまには気分転換も良いでしょう?」
「『遊ぶ』ですか…善処はしてみます。」
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