〜転生した少年は、この世界を生きる〜 〔勇者もめんどくさくなったので、ただの冒険者始よっかな〜〕
#19 これからの方針 ①
Sランクの依頼を終え、俺たちは夕飯の店を探すためメインストリートをダラダラと歩いていた。
『マスタ〜、ご飯何にします?』
「俺はなんでもいいけどなぁ…   由莉は何か食べたいものあるか?」
『なんでもいいよ』由莉
「そ、そっか……」
なんか、由莉が素っ気無いな…
俺なんか悪いことしたか?
《なぁ、リーナ。由莉が素っ気無いんだけど俺なんかしたかな》
《由莉さんですか?あぁ、あれは……
まぁ、マスターが由莉さんの彼氏さんなら彼女の気持ちも少しは分からないといけないですから、考えてみてください。大体、さっきのことだと思いますけどね、》
《勿体ぶらずに……はぁ、たしかになぁ》
さっきから俯いて少しくぐもった表情をしている由莉に声をかけることにした。
「なぁ、由莉。話がしたいんだけど、ひとまずそこのレストランでも入るか?」
『話?うんいいよ』
『で、話って?』
「由莉。お前が急にそんな態度をとるようになったのは、さっきの依頼でのことか?」
『……うん』
「あれに関しては、俺の注意不足だった…すまない。でもなんで由莉が怒らなきゃいけないんだよ」
《あ、マスター聞いちゃいけなよ?それ》
《え?》
『腹が立つに決まってるよ!怒っちゃいけないの?私は私自身に怒ってるの!確かに、怠慢だった真斗くんもダメだよ。でも、あの時何もできなかった私に対しての怒りなの!』
「由莉…」
『真斗くんには…本当に助けられてる…私もアリーシアも…だから…だから…
自分から傷つくような事はもうしないでよ!』
夕飯なんていうものも忘れ、泣き崩れた由莉を抱きしめながら宿への帰路にたった。
その夜…
俺は自分の剣の手入れをしていた。
由莉をこんなふうに思い詰めさせてしまった責任は全部俺なんだな…
なんで、こう相手のことを理解…思いやることが苦手なんだろ…
本当に自分が嫌になってくる。
すると、
『…うぅぅぅ…んん…ん?真斗くん…』
「あぁ、起きたか由莉」
『うん…私寝ちゃった?』
「あぁ、ぐっすりとな」
『そ、そっかぁぁ…ごめんね迷惑かけて…』
「…いや、それをいうのは俺のほうだ。」
『ううん、真斗くんはそこまで気に病むことないんだよ?これは私に対しての怒りなんだから…それでも真斗くんももっと気をつけないとだけどね?』
「あぁ…でも、このままだと俺は、成長できないのかなぁ…って…
俺さ、人の気持ちを汲み取るのが苦手なんだ…そんなウブすぎるって事はないんだけどさ…
自分のことに対して相手が思っている…心配してくれてるっていうのがよくわからないんだ…」
『…………』
「あ、ごめん…ちょっとよくわからない言い方だったな…」
『そんことないよ。』
「いや、そんなことあるんだよ」
『ううん、そんなことない。そんなのみんなじゃないかな?人の気持ちなんてわからない。わかりたくてもわからない。今、私が考えてることなんてわからないでしょ?そういうことなんだよ』
「いや、それとこれとは!」
『変わらないよ!!私は逆に真斗くんは人の気持ちを大切にしてくれてるとっても心の優しい人だってわかってるから。
私が真斗くんを好きになったのは、中学生の時。私が友達と喧嘩してふて腐れてる時に言ってくれた言葉で私は救われた。なんで行ったか覚えてる?』
「…いや、」
『そっか…でも私は覚えてる。『一つの喧嘩で、もうずっとこんな状態でいいの?ほんとに後悔しないのか?もし、動きたくても動けないなら、俺も手を貸すよ。由莉がウジウジしてるの見ると…なんか俺まで気になっちゃうから』って』
「……俺そんなこと言ってたのか?」
『うん、こう聞くと綺麗な頃の真斗くんって感じがするね。』
「おい、それはどういう意味だ…
というか…そんな恥ずい発言を俺は中学でしていたのか…」
なんか、覚えてないけど痛すぎで死にたい…
『痛いかどうかはいいとして、この言葉に私は救われた…だからね?もう自分を責めるのはやめよ?私だって真斗くんの全部なんてわからない。これから知っていくの。
リーナのことも、リリアーナさんのことも、そして…アリーシアのことも…
だからね、これから一緒に頑張ろうよ!』
「……そっか…そうだな…いくら苦手なことでも……みんながいればなんとかなるか…
ありがとな…由莉」
俺はなぜか無意識に、由莉のそのサラサラとした綺麗な黒髪を手ですいていた。
その感覚はまるで、俺の心の不安を洗い流してくれるかのようで…どこか…ほっとする気持ちになった。
翌朝…
真斗の朝は早い。
今日だけは…
朝ごはんをそそくさと食べ終わり、真斗、由莉、リーナ、さっき合流したリリアーナで部屋へと入った。
『それで真斗くん…話って何かな』
「あぁ、これからのことについて話そうと思う。」
『マスター、ってことはヤルんですね!?』
「あぁ、ヤルよ。」
『へ?ヤ、ヤ、ヤルってマナトさん…こんな朝っぱらから!?というか私は恋人じゃないし……でも…いや…じゃない…ですけど…』
『リリアーナさん…なんのことだと思ってる?』
『ひぇ?……こ、こ、こここ、子作りのことじゃないんです…か?』
「…ええええ!?そんな風に聞こえたか!?」
『え?あ、いや、それぐらいしかないかなぁ…って…』
事細かに説明し、リリアーナの誤解を取っ払ったところで本題に入る。
「これから話したいのは……
アリーシア救出作戦についてだ…」
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