〜転生した少年は、この世界を生きる〜 〔勇者もめんどくさくなったので、ただの冒険者始よっかな〜〕

自治会長

#2 異世界召喚されちゃいました



『ただいまー、』
「お、お邪魔します」

俺は今、由莉の家にいる。
なぜか知らないが、心臓がドクドクしている。
なんか… もう帰りたい…
すると部屋の奥からドタドタと足音が聞こえてきた。

『おかえり〜由莉〜、今日も疲れ…た…』

「お久しぶりです。祐奈さん」

『あら〜、真斗くんじゃない!久しぶりね。どうぞ上がって!』

「お、お邪魔します」

俺は、リビングに通されお茶を出してもらった。
あれ?由莉 はどうしたんだろ?





〔由莉〕

『ねぇ、由莉〜、あなたから誘ったの?』

うぐっ。なんで聞くかな…
「か、からかわないでよ…うん…」
『あら〜、由莉も頑張ったじゃない〜あとは、こ…』
「お、お母さん!それ以上はダメ!」

『はいはい、わかったわよ。でも頑張りなさいね〜ウフフ』
「お母さん!」
もう、本当にからかうの好きなんだから…
はぁ…
『まぁ、貴女の想いを伝えてみたらいいじゃないの』
「う、うん…」
ひとまず真斗くんのところまで行きますか、





〔真斗〕


ズズズ〜

まだ由莉来ないな〜

ズズズ〜

この紅茶美味しいな、どんな種類のやつだろ。

俺がそんな適当なことを考えていると
『ご、ごめんね!ほって置いて…』
「ん?あぁ大丈夫だぞ〜」

『じゃあ、私の部屋…行こっか』
「お、おう」

なんか、祐奈さんがニヤニヤしてるんだけど、
俺は由莉についていき部屋へと入った。
「あら、可愛らしい」

『そ、そうかな〜、ありがとう〜』

俺たちは、由莉の持ってきたお菓子とジュースをつまんでいた。

というか、中学から女子の部屋なんて入ったことなかったな…
やべ、急に緊張してきた!

『真斗くん?どしたの?』
「……え?あ、うん、何もないぞ」

『そ、そう…』


『……』
「……」



話すことが…ない…

この静寂を止めたのは由莉だった。
『ねぇ真斗くん。さっきも聞いたけど、進路どうする?』

「ん?あぁ、これから成績を取るのは難しいから、お父さんの仕事を継ごうかなって思ってるよ」

『真斗くんのお父さんって、林業だったっけ?』

「そう、でも事務の方が欲しいんだって、俺は山に入りたいんだけどな」

『そっか…、じゃあ、私もそこにしよっかな…』

「……え?うちに?」

『うん、私が事務に入ったら、真斗くんが
山に行けるでしょ?』

何を言い出すんだ?この子は!?
「な、なんで俺のこと気にしてくれてるんだよ?自分のしたいことしたらいいんじゃないか?」

『うん、私はこれでいいよ、いや、これがいいの』

「そ、そうなのか?」

『うん…だって私!!  …っ!?』

由莉が何か言おうとしていると、急に床に魔法陣らしきものが光とともに現れた。
「なんだこれ!?」
『ま、真斗くん!?何これ!』


「『…っ!?』」



俺たちの足元に現れた魔法陣に吸い込まれるように、俺たちは、この世界から姿を消した。
















うぅ…

ここは?




どこだ?




俺がいた空間は、何もなく少し白く輝いていた。何があったんだっけ…そういえば、俺たちが話していて、魔法陣が…

あ、由莉!

俺は横を見ると横になっている由莉と手を繋いでいた。
「…あ、す、すまん!」

俺が慌てて手を離すと、
『…ん、うぅ〜…ん?』

どうやら目が覚めたみたいだ。
というか、本当にここどこなんだ?
『真斗くん…ここどこなのかな?』
「う、うん…わからないな…」

『ここがどこか教えてあげよう』

急に少し年のとったような声が聞こえた。

「『っ!?』」

俺たちは声のする方を向くとそこには、



なぜか筋肉隆々のおじさんがソファーに座っていた。









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