名探偵の推理日記零〜四神村殺人事件〜

耕一

File.18

「俺の母親は青樹たちに殺されたんだ」
創竜は拳を固く握りしめ、瞳の奥に激しい憎悪を燃やしていた。
「青樹たち?他に誰がいるんだ?」
佐曽利警部が創竜の顔を覗き込むようにして尋ねた。
「そこにいる赤原、白居、黒萩の3人だよ」
創竜が3人をキッと睨みつけると、3人は少し怯えたように顔を青くして俯いた。
「前々から予測はできてたけど、青樹を殺すときに聞いてみたんだ。母親を殺した時のことを。ナイフを突きつけたら全部話してくれたよ。母親はその4人から性暴行を受けてたんだ。そして、そのうちの誰かが孕ませてしまった。その事実が俺や親父にバレないように、母親を殺ったってわけだ」
淡々と話す創竜だったが、その目には先程のような憎悪はなく、涙を一杯にためていた。
「よし。それじゃあ後は署で話を聞こう。おい、そこの少年とそこの3人にワッパをかけろ」
佐曽利警部が部下と思われる警官にそう言った。4人とも抵抗する気配はなく、少なくとも3人以外は後悔の色を見せていた。

 全員をパトカーに乗せ終えた佐曽利警部はオッサンに
「それじゃあ後は僕らにお任せください」と言って敬礼すると、踵を返してパトカーの助手席に乗り込んだ。
ゆっくりと発進するパトカーの中で、何かを思い出したような佐曽利警部は運転席に座った警官に何やら話しかけ、パトカーを止めて窓を開けた。
「鳥羽警部の目は本物だ。また君に会ったらぜひ君の力を貸してほしい。ありがとな」
それだけ言うと、また隣の警官に何やら指示を出して、パトカーは整備されていない山道を走り去っていった。
「お手柄だな、圭介。さぁ、今日は焼肉でも行くか」
オッサンは強引に俺と肩を組み、笑顔でそう言った。
「あのさぁ、オッサン」
「何だ?」
「俺たち山奥にいるんだぜ?どうやって帰るんだよ」
「あっ」「あっ」
亜美とオッサンが同時に素っ頓狂な声を出した。
「そのパトカーちょっと待った〜〜〜!!!」
そう叫ぶが早いか、俺たちはすでに走り去ってしまったパトカーを目指して走り出した。

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