第７話

※二成side
もの凄い破壊音に周囲の音は全て呑み込まれ、まるでこの場から音が消えてしまったのではないかと勘違いした。

「兄さっ、あれ…、あぁァァァー、僕の腕がぁナイ？」

兄はトラックにより圧死しており、見る無惨な肉壊に変わり果てていた。立ち上がろうとしても、自信も両腕が肘から先がなくなっている。肘からはまるで水道の蛇口を捻ったように出血が止まらない。

「キャー事故よ、早く救急呼べ。」
「早くしろ、観てないで助けろよ。」
「あれ…キミ恋の成二くんじゃないの？」

野次馬の声で冷静さを取り戻し、弟を探すが弟だった下半身の成れの果てしか見当たらず、この世を呪う叫び声を上げる。

「あぁァ…ぁァ、これがあの三成だって言うのか…、ふざけるなっ！兄さんと三成を返してくれよ。」

そして、僕も病院に搬送されたがすぐに死亡を確認されてた。死因は、出血多量死によるもの…トラックの運転手は即死だそうだ。

「あぁ～、そうか僕は死んでしまったのか。」

無機質な空間、無音の静寂を壊すかのように老婆とも、はたまた妙齢な女性とも感じとれる美声が聞こえた。

ー 貴方はここが死後の世界と言う事が理解出来るでしょうか？ ー

「夢にしては鮮明過ぎますし、痛みや記憶まで残っているのですから信じずに要られないでしょうね。」

ー 驚かないのですね、理解が早くて助かります。他の方形はもう既に転生され現地に降りております。規定に乗っとり異能力を一つ差し上げます ー

「兄さんや三成も転生しているのですか……、異能力は漫画やアニメなどの火を出したり、魔法を使うと言った行為の能力で間違いはありません？」

ー 概ね、相違はありません。しかし、異世界には同じ異能力を持った方は転生させる事は出来ません ー

彼女の表情から何か掴もうと試みるも何ひとつ動かぬ表情から得られる情報はなかった。まるで人形か機械と会話している気分である、息もしていないのではないだろうか……。

「じゃぁ……。」

ー どうしましたか？ ー

「お断りします……。」

ー はいっ？ ー

「だから、お断りしますっと言っているんです。」

ー 異世界転生を拒否すると言う事でしょうか？ ー

「はい、拒否します。」

ー 異世界転生で異能力が手に入るのですよ？ ー

「はい、要りません。結構です。」

僕の予測が正しければ……。

ー それは……、本当に困ります。 ー

「僕は貴方が信用ならない。何故、僕達兄弟をわざわざ転生させる。誰でもいいなら、それこそ通り魔にでも大量殺人させてしまえばいいじゃないか、事故に見せかけて僕達兄弟を拉致した目的を話さないなら、僕は貴方の言葉を何一つ信じない。」

ー どうしたら、転生して頂けるのでしょうか？ ー

「そうですね……、まずは情報を下さい。それから、貴方が虚偽を言っていないか見定めます。」

ー しかし、それでは他の転生者方と差が出てしまいます ー

「では、ペナルティとし異能力の選択は他の方々の一番最後でいいですよ。待っている間だけでも一緒に雑談をしませんか？」

ー …………、わかりました。ー

数時間

「わかりました。聞きたい事はおおよそ知る事が出来て何よりです。」

ー 本当に他の方々には内緒にして下さい。でないと私は……、私は……、 ー

「勿論、約束は守りますよ。」

ー お願いいたします。貴方が最後の転移者になりました。攻撃系スキル、補助系スキルともに売り切れです。どのようなスキルにしましょうか？ ー

「そうですね～。生産系スキルにします。」

ー 商人スキル、算術スキル、鍛冶スキルなんかはまだ余ってます。皆さん、戦闘系スキルばかりとりますので、こちらは残ってます。 ー

(現実的考えても、１人最強でも数万の軍勢に負ける。力は数だよ……、それに動かすにはまずお金だ。)

「僕は異能力、創造創生クリエクリエイションにします。」

ー 貴方は神にでもなるおつもりですか？ ー

「戦闘ばかりが全てではないですからね。私の神は兄さんですから。」

ー わかりました。規定に従い貴方を転生致します。ー

次第に足元が光に覆われ僕は新なる世界に転移した。