異世界三大異能力 ~俺たち兄弟が無双する~

鼻くそ王子

第2話

8年前、両親が飲酒運転の衝突事故に巻き込まれ他界した。私たち兄弟3人は別々の家に引きとられる様になるはずだった。

「残念ですが、兄弟3人を一緒にみることは難しいと思う。」
「金銭的な理由でもあるのよ…。」
「部屋が足りないわ、仕方がないのよ。」

そんな、現実を受け入れられなかった私は両親の保険金をやりくりしながら三人だけで暮らすと親戚一同に宣言した。

「僕達兄弟が何故、離れ離れにならないといけないのか……、私が弟たちを育てますっ。」

「子供たちだけで出来る分けない。」
「世間体が悪くなるのじゃないの?」
「でも、それが1番いいんじゃないか?」


私は親戚一同を黙らせると、高校卒業後に保険会社に就職して今にいたる。最初は、僕の収入だけでは生活出来ず保険金を使い潰しながら生活した。

数年後、大学に通うのを断念しようとした二成を説得、不良グループに入り浸り帰宅しない三成を更正するなどの懐かしい思いでがフラッシュバッグする。

「これが走馬灯って奴なのか…悔しいな。」

次第に最近の出来事になり、最後は事故死するきっかけになった直前をリプレイで見せられる。

「あーぁ。これは駄目だブロックとトラックにサンドイッチされて、どう見ても私は即死だ。」

すると、視界が晴れ…何もない空間にひとりの女性が現れる。

ー 御堂さん、貴方はここが死後の世界である事は理解出来ますか? ー

不思議な事に彼女は目を開く事も口も開く事はせずに僕に直接語りかけて来た。

「ここが死後の世界だって……?」

ー はい、あなた方はこれから異世界に転生して頂きます。 ー

「転生ってどう言うこですか……?しかも、異世界って、あなた方って事は……?弟たちも一瞬にって事ですか?」

ー 別々がいいならその様にしますが如何致しますか? ー

「一緒にして下さい。異世界に一人で転生なんて私には耐えられない。」

ラノベの展開なら森に転移してすぐに、女冒険者に遭遇して助けたら気に入れられてハーレムルート突入だ。

ー 規定に乗っ取り異世界に好きな異能力を差し上げます。何か欲しい異能力はありませんか? ー

「異能力ってあの異能力ですか?どんな異能力も無効か出来る右手とか、無限に精製出来る剣撃とかですかね?」

ー どんな幻想も、アンリミテッドでも何でも一つだけ差し上げます。 ー

以外にノリがいい、神様にあっけにとられはしたが異世界に必要な異能力とは何だ。弟たちもいるなら被らないようにしたいがどうしよう?

ー 何か質問があればどうぞ? ー

「制限や決まりとかはありませんか?」

ー 制限はありませんが、以前は同じ異能力ばかり皆さんが選択してしまい。異能力を無効化する方たちしかいない異世界が出来てしまい、転生された方たちのクレームが相次いであがってしまいました。 ー

確か、幻想を殺したかったのに異能力を持つ人が誰もいないなんて無いなんて、ラノベとして詰んでいる。

それじゃ……、現実と変わらないじゃないか。

「じゃぁ、回ふ…」

ー それと異世界では、他の方と同じ異能力は選べませんので、被らない様にお願い致します。後、回復魔法の方はもう既にいるので持ってはいけません。 ー

「何だって、そっそんな。」

ー コピー、略奪、ステータスチェック、演算、不死身など異能力も既に売り切れです。早い者勝ちなので悩めば悩むほど不利になります。制限時間がありますので、お早めにお決め下さい。 ー

「制限時間まであるのか……、どうしよう?」

ー はい、そこまでです。制限時間が過ぎたので私の方で適当に身繕って起きました。異世界での生活に幸あらん事を…。 ー

「えっぇぇぇー。まだ何にも決めてないよ。」

そして眩い光に包まれ、浮游感を感じた。

ー では、異世界で幸あらんことを……、願わくは貴方がこの世を救う救世主に ー

「えっ、何だって…。」

神様の囁きも束の間、落下速度はドンドン上がり上空から地上に向かって自殺行為フリーホール。

「ぎゃぁぁ~、死ぬって死ぬぅ~。」

地上に向かってまっ逆さま。

「ねっねぇ~、これって本当に大丈夫だよね。」

一向に止まらない勢いは、恐怖と不安を煽りもう地上がすぐそこまで迫っていた。

「ヤバいって……、ヤバいって……、これ本当に大丈夫だよね?」

そして私は人生初のパラシュート無しのスカイダイビングに失敗した。

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