生きて世界を見て廻る

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2章 2節 召集

次の日
3人は国にお呼びだしをくらってしまった為、町の中心にあるお城へと向かう。
「はーデケェ…」
「緊張してきました…」
城へと続く道は1つしかない、城の周りは堀で囲われ、中へと入るには橋を渡らなければならない。
「おい貴様らここからは通れないぞ」
お城の大きさに圧倒されていると橋の側にいた警備員が声をかけてきた。
「私達はここに呼ばれたんだよ」
「ふむ、では身分証を提示せよ」
言われた通り3人は冒険者カードを提示する。
「これでいいですか?」
「ルート…なるほどな貴様らが今回の参考人か」
「参考人…まあそうだな」
「よし通って良いぞ城門についたら中の兵士が案内してくれるはずだ」
橋を渡り、城門へと着く。
「参考人が来たぞ、案内しろ」
「は…はい!」
鉄で出来た門が上がり城への道が出来る、人の何倍にも大きい門をくぐり、場内へと足を踏み入れる、すると正面に案内役であろう人が立っていた。
「お…お待ちしておりますた…あっ…」
「大丈夫か…この人…」
「は…はい…ではこちらです…」
案内役の人にしばらくついていくが流石に広い為すぐには着かなかった、やっとついたかと思ったらすでに疲れ果てていた。
「こ…こちらです…少々お待ちを」
「やっとかよ!長いよ!」
「結構歩きましたね」
「え?もう疲れた?大丈夫一回帰って休んだら?」
「サナはまたここを通れとおっしゃるか」
「帰るだけでも辛そうだね」
長い道のりに対する愚痴を言ってると先ほどの案内役の人が戻ってきた。
「お…お待たせいたしました…こちらへお入り下さい」
「一体何をするんだかな」
部屋に入るとすでに何人かが待っていた、その姿は自分たち冒険者の格好とはかけ離れ、気品や美しさを感じられる服装をした者が多くいた。
「貴族か…」
「そうみたいだね」
その貴族達は全員椅子に座り長机を囲う様に座っている。
「では揃ったようですね、始めますか」
3人が来たのを確認すると一人の貴族が話を始めた。
「そうですね、では早速今回の魔王軍との戦いについての報告及び今後の対策について話し合っておきましょう」
3人は状況が少し理解出来ないまま話が進んでいく、勿論3人の椅子は用意されていない。
「おいおい…全然意味がわからないんだけど?」
「大丈夫私もだから」
理解ができないため2人にも確認してみたが2人も理解出来てないようだ。
「それでは今回は被害は最小限に抑えられたのですね」
「えぇ…それは良かったですな」
「ですが腑に落ちない点があります」
状況整理中に聞き覚えのある声が聞こえたので視線をそちらに向ける。
「今回の襲撃はあまりにも緩すぎると言う点です、仮にも魔王軍です城は落とせずとも町への侵入くらい出来たはずです」
視線の先には戦いで会ったあの赤髪の騎士が居た。
「狙いは他にあったのではと言いたいのですかな?」
「我々の戦力を確かめたのでは?」
「でしたら敵の作戦は失敗ですな!」
「そうですね、戦闘には冒険者達しか参戦してませんからね」
「いえ、一部騎士団の方で対処しております」
「ですが技量を知るには情報は少ないでしょうね」
(先ほどから…俺らの事などお構いなしに会話する貴族達だが…あまりにも感じが悪い…)
「それで魔王軍の将軍バードンの詳細についてですが」
「はい、それで今回実際に戦闘に参加した者をお呼びしました」
「下賎の者を場内にいれるとは…」
「全くゼーシャ殿、報告を聞いたら即刻お帰り頂いてくださいね」
「勿論でございます」
「おい!そりゃねぇだろ!」
「黙れ、身分の差を考えろ!貴様の様な者がここに居ることが相応しくないのだ」
「そっちから呼んでおいて扱いがそれかよ!」
「恨むのなら平民に生まれたことを恨め、貴様らは質問に答えるだけでいい」
「そうですな、必要性の無い会話など無意味」
「そうかよ…」
苛立ちを抑えつつ質問に答えていく、内容は戦闘時の会話など重要な事を言っていなかったかなどについてだった、勿論俺らがそんなことを知るわけがない。
「そうですか…全く有益な情報は無いとでは…」
帰れる雰囲気だった所にあのウサ耳の人が入ってくる。
「会議中失礼しまーす!団長います~?」
「な!バニー!今何してると思ってる!」
「団長団長!そんな事よりも」
「おい!人のはなしを…」
ゼーシャの言葉など無視しバニーは耳打ちをしてくる。
「関係はあるのか?」
「かなり高いと思うよ」
「分かったありがとう…でも!後で説教だからな」
「はいは~い!」
急に来たかと思えば急に居なくなる嵐のような人だ。
「ゼーシャ殿…出来ればあのようなことは控えて頂きたいですな」
「え…えぇ…以後気を付けます」
「それでどうされたのですか?」
「あぁ、町の水質に問題がありまして、この2日で腹痛や吐き気などの症状を出す者が多くいるそうで、昨日調査しているとどうやら地下水に問題があるようです」
「なんと…それは我々も危ないのでは?」
「それは問題ありません、城の水路と町の水路では別なので」
「ですが興味深いですな」
「どうやら毒が少量含まれているようで、場所によっては濃く薄くで原因不明です」
「地下水路に調査を向かわせたのか?」
「それはまだです」
その言葉の後、一人の貴族がこちらを向く。
「丁度良いところに冒険者がいるではないですか、彼らに依頼してみてはいかがですか?」
「仮にも魔王軍の将軍と渡り合った者ですからね」
「ちょっと!勝手過ぎないか!」
「では彼らにお願いいたしましょうか」
「勝手すぎない?」
「報酬ははずもうじゃないか」
「金が問題じゃないぞ!」
「黙れ、騎士団は国の為忙しい、何のための冒険者だ」
「お前…覚えてろよ…」
「明日詳細をギルドに送る、せいぜい死なないよう努力しろよ、冒険者」
怒りを抑えて城を後にする3人だった。




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