生きて世界を見て廻る

help

1章 15節 開戦

「一体どんだけいるんだよ…」
「勝てるのかこれ…」
不安の声が上がる中、平原を進行するモンスターの歩みは止まらない。
「怯むな!やるしかないんだ!弓を構えろ!」
マスターの合図で城壁にいる弓兵が構える。
「風の加護よ、ウェーブウィンド!」
「放て!」
マスターの一言に矢が放たれた、いくつもの放たれた矢は雨のように敵に降り注いだ、そしてサナの矢が敵を貫き地面に刺さった瞬間にそれは起こった。
「解放!」
サナの声と同時に刺さった矢が爆発し風の波が周囲の敵を巻き込んだ。
「良し、まずは成功だな」
「ええそうですね、敵もスケルトンやランナーばかりですからね、しばらくは弓兵部隊で足止め出来そうですね」
「油断はするなよ」
しばらくは矢の雨が降り注いだ、それを見かねたバードンは別の判断をする。
「そうだなそう来なくてはな、雑魚モンスターごときに負けてしまってはつまらないものな」
「どうされますか?」
「オーガを何体か召喚せよ、さすれば矢ごときに負けはせんよ」
「了解です」
バードンの指示により戦場にオーガが現れる。
「マスター!敵にオーガが現れました!」
「わかった!投石機の準備をしろ!弓程度では死なないぞ!」
「分かりました!」
ギルド職員達が総出で投石機に石を乗せ撃ちまくる、だが連射が利かないため何体かのオーガーは進軍してくる。
「ダメです止まりません!」
「魔導師部隊で足止めは出来るか?」
「了解です」
マスターの指示により魔導師部隊が行動を開始する。
「オーガってこんなに強かったかしら…全く…燃えなさい!フレイムショット!」
ソーラと他の魔導師部隊でオーガを足止めをする、それでも進むオーガはいた。
「これでもだめか…しょうがない攻撃中止だ、前衛の出番だ」
「分かりました」
「前衛の皆さん!出番です!!」
アイリーナさんの声と共に冒険者達は叫び敵へと向かっていった。
「ほらほら!どうした!雑魚モンスターどもが!」
ジェイクは、スケルトンを凪ぎ払いながら進撃してくるオーガに近づく。
「ジェイク手伝う」
「おうよ!」
後ろからラコが合流する、そのままオーガにひと蹴り入れる。
「それ!」
だがラコの蹴りは効いている様子は無かった。
「まだまだ!10連乱れ突き!」
続きジェイクが、槍を刺しまくるがまだ余裕があるように見える。
「うそ…」
「効いてないわけじゃないだろ、技を出しまくって行くぞ!」
「わかった」




「スケルトンは見た目怖いのに弱いんだな」
「そうだけどこれだけ数がいたらね」
ジェイク達がオーガと交戦中、ルートとギルはスケルトンに囲まれていた。
「しょうがないねルート、少し伏せてて」
「え?」
理解出来ないままとっさにその場に伏せた。
「斬擊波!」
ギルは3回空を切るように剣を振る、すると斬擊が波のように広がりスケルトンを一掃する。
「すごい…」
「まあね、さあオーガの所に行こう」
「ああ」
ルートとギルは近くのオーガに向かった、その頃サナは城壁から降りルート達の元へと向かっていた。
「弓でどれだけやれるかな」
「サナさん!気をつけて下さいね」
「アイリーナさんもね」
戦争へと足を踏み入れたサナを始めに迎えたのは大量のスケルトンだった。
「もうここまで来てるの、でも…」
走りながら弓を構え地面に向ける。
「負けるわけにはいかない」
サナが放った矢はその場で爆発しスケルトンを一網打尽にした。
「この程度なら…」
その場を後にした先には単独のオーガがいた。
「矢は効かないの?」
サナは3本同時に矢を放つが、オーガには効いている様子は無かった。
「ムカつく…」
オーガとの距離は縮まり、オーガは手に持つ棍棒を振り下ろしてくる。
「そんな単調な攻撃じゃ…」
サナはそれを後ろに下がり回避する。
「この技ならどう?」
サナが矢をつがえると、周りが風で覆われる。
「風の加護よ…スパイラルアロー!」
放った矢は高速で回転しながらオーガへと飛ぶ、それをオーガは棍棒で防ごうとするが棍棒を破壊しそのまま胸を貫通した。
「あんたみたいなのは森だと弱いほうだよ」
そのままオーガは倒れた。
「ルートは…」




「オーガってどれくらい強いんだ?」
「基本的には知能が低いからそこまでではないよ、でも魔王軍だからね強化くらいされてると思うよ」
「矢の雨を突き進んでくるくらいだからな…」
走りながら会話をしてオーガのもとまで向かった。
「あいつだな」
「わかったよ、じゃあやろうか」
ギルはルートと同じ速度で走っていたが加速し瞬く間にオーガの足元まで行き右足を切った。
「はやっ!俺も付け焼き刃の特訓の成果を見せてやるか!」
攻撃されたオーガは棍棒を横に振ってきたがルートは当たるギリギリの所をスライディングですり抜け足元に入った。
「よっと!」
そのながれで左足を切り抜けたが、ギルの攻撃もルートの攻撃も切り込みを入れた程度で致命傷にはなってはいない。
「あんまり効いてないみたいだね…」
「攻撃が単調だから避けやすいけどな」
「ルート、僕が攻撃を止めるから頭を狙ってくれ」
「頭が弱点なのか?」
「わからないけど…頭って効きそうじゃない?」
「あ…ああそうだな」
「じゃあよろしくね」
ルートはオーガと距離を取る、ギルはオーガに向かって走る。
「魔力…身体強化…」
ギルの体を黄色の膜が覆う、オーガはまたしても横に振ってきた。
「止めてみせる!!」
攻撃が来る方に剣を構え受ける、そのまま鍔迫り合いとなる。
「ルート!今だ!」
「了解だ!」
(すごいな…あんな重そうな一撃を受け止めるなんて…)
ルートはオーガの体を踏み台にし頭まで昇る。
「目なら効くだろ!」
剣を力いっぱいに振り目を刺す、すると痛みでオーガが暴れ剣を刺したままルートは振り落とされてしまう。
「おいおいまじかよ!」
「大丈夫かい?」
「ああ大丈夫だけど…めっちゃ怒ってない?」
「そう…見えるね」
剣を刺されたオーガは、片眼が潰された状態で怒り狂い暴れる。
ガァァァァァァ!
その咆哮は、戦場の冒険者を圧倒する。
「ヒト…コロス……」
その声を聞いたギルは衝撃で立ち止まった。
「な……なんだと……」
「ギル!どうしたんだ!」
「アイツ…今喋ったぞ…」




「お~ここで進化したのか」
「モンスターの中でも異例の個体のユニークモンスター…まさかここで来るとは…」
「私も把握して居なかったよ、ハッハッハ」
「さて奴らはどうするんですかね」
「見物だな」




「生きて世界を見て廻る」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く