生きて世界を見て廻る

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1章 11節 クエスト完了

森を出て無事にギルドまでたどり着いた3人を迎えたのはアイリーナさんだった。
「お疲れさ…どうしたんですか!」
3人の血で汚れた姿を見て驚く。
「ルートさん…そちらの方は?」
「ゴブリン達に捕まってた人だ…小屋に閉じ込められてたんだ」
「どっか休める所はない?」
「あっ!ありますどうぞこちらへ」
そう言ってアイリーナさんに奥の個室へ案内された。
「こちらでお待ち下さい」
3人を案内した後、アイリーナは部屋を後にする。
「とりあえず寝かしとくか」
ルートはアニスをソファーの上へとやる。
「クエストはクリアしたけど何か腑に落ちないな」
「今はあまり考えないようにしよ」
「そうだな」
話しているとアイリーナさんともう一人左目に傷がある強面で黒髪の男性が一緒に入ってきた。
「君か」
「そうですこの方達がルートさんとサナさんです」
「アイリーナから話は聞いた、ゴブリン討伐で捕まってた人を助けたそうじゃないか」
「はっはい」
「ああ申し遅れた、俺はアンデューだここネール王国冒険者ギルドのトップ、言わばギルドマスターってやつだ、よろしくな」
「どうもルートです」
2人は握手をかわす。
「ふんまだまだだな」
「え?」
「握力が弱い、そんなんじゃまともに戦えないだろう」
「そう…ですね、自分でも思います」
「だろうな、俺がいい奴紹介してやるから特訓してもらえ」
「あ…ありがとうございます」
「で、話がそれたがとりあえず助けてくれありがとうな、最近の行方不明になった冒険者パーティーがいてな4人いたんだ男性2人女性2人で極めてバランスの取れたパーティーだった全員Dランクだが順調だったんだ、だがゴブリン討伐のクエストに行ったきり帰って来なくなったんだ」
「つまりそのパーティーの…」
「そうだ、その子は後衛の魔術師だ、他の奴らは見なかったのか?」
「居ました、もう一人男性の人がでも自ら命を…」
「そうか…他の2人はどうだった」
「多分ですけどその閉じ込められてた小屋で…」
「後で小屋の場所を教えてくれ調査依頼を出す」
「分かりました、それでこの方はどうするんです?」
「それがなぁ…」
「どうしたんです?」
ギルドマスターは、頭を抱える。
「こっちも手一杯なんだよな…」
「と言いますと?」
「最近モンスターが大量発生していてな、動きが活発なんだ、噂だと魔王軍が進行中だとかな」
「魔王軍ってどんな奴らなんです?」
「今は昔勇者様が、魔王を討伐してくださったんですよ、ですが最近魔王が復活したとかで各方面に散っていた魔物達が集い始めてですね、前の戦いの生き残りだったりと、一概にこれとは言えませんがとにかくこの世界を自分達の手にしようとする連中です!」
「そのせいで小国とかは破壊されてるよ」
「それで今度は魔大陸からここにお出ましって訳だ」
「これは一大事ですね」
「だから残念だがギルド側じゃあ管理出来ないんだよ」
「それって…」
「それなりの金は出すからこいつの面倒を見てやってくれ」
「ええっ!ギルドマスター!ちょっと待ってください!」
アイリーナが間に入る。
「アニスさんの意思は良いんですか!」
「今はそうも言ってられんだろう、それに女のサナもいるから大丈夫だ」
「ですが…」
「私は構わない」
「俺も良いけど大丈夫なのか?」
「ああ落ち着いたらまた連絡しろいいな?」
「分かりましたでは」
ルートはアニスを背負いギルドを後にし宿まで向かった。




「お帰りなさい!ルートさん!」
「ただいま…疲れた…」
「そのひとは?」
「しばらく面倒を見ることになった人」
サナの一言にアイナは驚きを隠せない。
「そう言うことだから1部屋追加できる?」
「は…はい大丈夫です、1つ隣の部屋を使ってください」
「ありがとう」
受付を後にし部屋へ向かう。
アニスをベットへ寝かす。
「はぁ…重かった…」
「お疲れ」
「ああ…ありがと」
サナは、疲れて座り込んだルートの頭を撫でる。
「いつ起きるかな」
「さあな、とりあえず俺達は飯を食いに行こう腹が減った、それからだ考えるのは」
「分かった」




ギルド酒場にて食事を取る。
「これからどうするか」
「まずアニスさんの容態確認…その後は…」
「クエストはしばらくやらないで特訓するか」
「だねマスターさんがルートに紹介してくれるって言ってたもんね」
「ああ、それで剣について学ぼうと思う」
「それがいい私もやってみたいから」
「じゃあ今はとりあえず…」
2人で飲み物を持つ。
「「クエストお疲れ!」」





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