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戦場を駆ける欠陥アンドロイドの女神は劣等生と2人で戦うようです

颯★改

勝利の女神が誕生した様です

────俺は駆る。
ただ広く、何も無い荒野を。
────俺は刈る。
ただ、平穏に暮らすために。
────俺は狩る。
俺達に群がるハイエナ共を。














































西暦2495年。
今、この世は第3時世界大戦の真っ只中。
国と国が自国の為だけに人間を道具のように使い、戦争を繰り返す。
「うわぁっ!?」
ドサッ。
また、俺の横で仲間が1人、死んだ。
良い奴だった。よく一緒に酒を飲んだものだ。
「おい!援軍はまだか!」
部隊長が苛立った様子で叫ぶ。
「それが、援軍は予期せぬ襲撃にあってる模様。
到着は遅れるようです!」
「クソッタレ!どこから情報が漏れた!?」
「・・・嘘でしょう?」
「どうした!」
「たった今入った入電で・・・」
「焦らすな!何があったんだ!?」
「読みます!『我等ハ最期マデ戦ッタガ此処マデノヨウダ・・・諸君等ノ無事ト勝利ヲ祈ル』」
「畜生!!!」
「どうするんですか隊長!
俺、こんな所で死にたくない!」
弱音を吐く隊員を平手打ちし勇気づける。
「馬鹿野郎!それは誰だって同じだ!
弱音吐いてる暇あったら1人でも多く殺せ!」
と、その時
ドッカァァァンと音がして奥から戦車が現れた。
「「「うわぁァァァァ!!!!!」」」
前線にいた部隊がこちらに向かって逃げ込んで来た。
「隊、ちょ・・・」
こちらに向かっていた仲間がが足を打たれ、その場に倒れる。
「助けてっ!お願いだ!見捨てないでくれ!」
「待ってろ!今行く!」
俺は助けに行こうとするが、
「待て!行っても無駄だ!死にたいのか!?」
隊長が俺を咎める。
「悪ぃが俺には仲間を見捨てるなんて出来ない!」
隊長の手を振り払い仲間の元へ向かって走っていき、覆い被さった。
「すまない・・・!死ぬかと思ったっ・・・!」
「黙ってろ、そのまま死んだふりをしておけ。せっかく拾った命を捨てたいのか?」
と冗談めかして仲間の口を塞ぐ。
後は戦車が俺らを踏み潰さないことを願い目をつぶる。
キュラキュラキュラキュラキュラキュラ・・・
と戦車のキャタピラがすぐ横を通り過ぎ俺らを置いていく。
それから1時間後。
チラ、と顔を上げ周りの様子を伺う。
誰もいないことを確認してから下にいる仲間に声をかける。
「おい、もう大丈夫だ。
俺らは余っ程の幸運の持ち主らしい」
「本当か・・・よかった。
怖かった・・・」
顔を上げた仲間は俺と目を合わせた。
仲間は女だった。
戦場に似合わない綺麗な白い肌と髪。
ふとした事で壊れてしまいそうな華奢な身体。
どこか浮世離れした雰囲気を彼女は纏っていた。
「あぁ、俺も戦車が横に来た時はさすがに死ぬかと思ったよ」
と、俺も同意する。
「改めて、助けてくれてありがとう。
その身を呈して私を救ってくれたその恩、一生忘れないぞ」
「いいってことよ。
そういや自己紹介がまだだったな。
俺の名前はリゼルだ」
「リゼル、いい名前だ。
私は名前が無い。
No.2KEと呼ばれていたな」
「こりゃ驚いた。戦闘用アンドロイドか、実戦配備されたとは聞いていたが・・・
初めて見たぜ。
アレ?でもいつからナンバーが3桁になったんだ?
俺が知っているのは2桁までなんだけど」
「あぁ、私のEは欠陥品である私に付けられたエラーのEだ。
あまり呼ばれたい名前ではないな」
彼女はアンドロイドらしからぬ人間のような困った表情をした。
「アッハハハハハ!欠陥品!
劣等生の俺と似たもの同士だな!」
「どういう事だ?」
「俺は自分が正しいとしか思えないやつなんだよ。
仲間からは『万年反抗期』って呼ばれていたな」
「へぇ!そうなのか!」
「ある意味運命なのかもな、この出会いも」
「そうかもしれないな」
「仲間がいない今、これからは厳しい旅になりそうだ。
よろしくな、No.2KE」
「こちらこそよろしくな」
「ここでグタグタしててもしょうが無いからそろそろ移動したいんだけど足は大丈夫か?」
「それが困った事に自動回復オートリペアが起動しないんだ」
「何でだ?」
「どうやら足を撃たれた衝撃でマスター設定がリセットされてしまった様だな」
「どうすれば良い?」
「新しくマスターを設定すればいい」
「でも周りに人はいないぞ?」
「否、目の前にいるじゃないか」
「目の前?」
おかしなことを言うやつだ。
お前の目の前には荒野が広がっているだけなのに。
と、彼女は呆れたように
「おいおい、何を勘違いしている?
マスターになるのはリゼル、お前だ」
「良いのか?勝手に決めてしまっても」
「別に問題は無いぞ」
「そうか・・・。で、俺は何をしたらいい?」
「私の名前を決めてくれ、それだけでマスター設定は終わる」
「OK、そうだな・・・」
ErrorのEは俺との共通点であるから残しておきたいし、後、縁起のいい名前にしたいな。
そうだ!
「よし!お前の名前はNo.2KE改め、ニケだ!」
「ニケ!勝利の女神の名前か!これは縁起が良い!」
良かった、気に入って貰えたようだ。
「これからよろしくな、ニケ」
「こちらこそ頼むぞ、マスター」
死体以外何も無い荒野に今、1柱の神が誕生した。

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