抜かない私と抜けない僕

下の蠍

抜かない私

みんなには退避してもらった。
理由は邪魔だから
「俺の全力!マサムネ行くよ!」
ヒュッ!!!ギンっ!シュッ!
2つを誤差投げ?!
着ぐるみじゃなかったら…いや、当たってないか
「さぁ!死なさい!!」
「剣技は得意じゃないんだがな、回旋!!」
着ぐるみで回るのはきつい
「さぁさぁ!!踊れ踊れ踊れ!!狂気に飲まれろ!」
グサッ
「いたっ」
しまった糸で投げたナイフを戻すなんて
右腕か、かすり傷ですんだが厄介だ
「あら?致命的にはならなかったわね」
「あいにく頑丈なもんでな」
「ならこちらはどうでしょう傀儡偽」
「な、な分身だと3対1は卑怯だ」
「さぁ遊びなさい私達」
こうなったら着ぐるみを、いや!
「マサムネ!納刀……」
自然体、目をつぶる。
鞘を握り、柄を持つ。
左足を下げ右足を少し前に
腰をねじって。
刀と正中線は垂直に
構えよし、音を聞け
優しく吹く風に混ざる殺意に
「横1文字!!」
空を切り糸の塊を断ち切らず
「甘い!その程度は切れぬ!」
「そうなるのは予想済みだ」
下斜めから上に!
そのまま上段に横1文字!
上から斜め下に!
「だから無駄だと───」
「実は分身は三体であんた本体は後ろから見物ってか?こいつらを操ってる糸とナイフに付いてる糸を斬らせてもらった」
「ほぅ、で?私を切らない理由は?」
「切らない理由?毒を盛りやがったやつが何を」
「糸とナイフ。本来は傀儡ではなく蜘蛛なの」
「はぁ?」
「私は糸で人を捕らえナイフの毒で動けなくしてゆっくりと仕留める」
「そうか、」
右腕だけじゃない、体が動かねぇ
右目も掠れてきた
「そろそろじゃないかしら?」
「い、いや生憎と着ぐるみが重くてな」
「なら脱げばいいじゃない私だって素顔を晒したもの」
「?!」
いつの間にか仮面を取っていた
2つの目と追加で輝く目と口から伸びる牙
「この顔あんまり気に入ってないの。だから見られたからには殺す、もしくはあなたも私に顔を晒すかしら?」
「馬鹿言え、見せたくないからこのカッコなんだよ」
「じゃぁ剥いでから殺そうかしら」
「や、やめろ!」


マサムネ…毒はどうにかなりそう?
「難しいですね」
そう。さすがに貴方には毒入ってないよね?
「まぁ刀ですもの」
1度だけ、1度だけあれをしよ
「ダメです!」
そう?でもこのままじゃ
「半分なら」
そうねマサムネそれくらいなら
「じゃぁいきますよ!!」


「さぁ無様なその顔を」
ブチブチ
軽快な音を立て顔の半分がちぎり剥がされてゆく
無惨に破けたクマの中から鎧。
「あら?厳重なのね」
『厳重?違う。私とマサムネの本当の力』
「毒が薄まってきたのね、ほら追加で」
『意味ないよ、』
「まだ隠し持ってたのね?でも私だって」
蜘蛛。奇怪なり
かの武将イザネヨシラ
妖刀手に持ちて───
『懐かしいですなぁかつての私の主人は私を使って蜘蛛の怪物と対峙したと』
「シュルァァァァァ」
『払い!』
「ギァァァァア!!」
『乱れの陣。かつて起きた戦にて我が主は味方の格好をした敵部隊と衝突した。しかし敵部隊だけを殲滅した。それが私の能力の1部。』
「ギュルァァ!!」
『敵の戦闘意識を無にする、いや断ち切る』
「ウガァァァァ!ぁぁ?」
『最後を決めるのは至って平凡シンプルさ。白刃!』
「ぐはっ……」
『いや、まだ生きておったか。悪き魂よ』
マサムネ!止まって
「う…」
'妖刀手に持ちて対峙するも
蜘蛛は幼子に化け隙を狙いて──
主は蝕まれ陽の光を拝むこと無く──
『生かしては帰さんぞ。輪廻転生を経て再び我を、我が主を』
マサムネ!



マサムネ!!やめて!
「これは私の仇である」
落ち着いて!
「すまぬなせつ───」
マサむ……



「はぁはぁ…こ、ころせ。それで済むんだろ」
『聞き分けがいいな。せいぜい次は人であることを祈るのだな!!!!』
ギィィィン
「1席さん。流石にやりすぎだ」
『ほぅ、主は』
「あいつは今のところけが人は出るも死人は出してない」
『いや、私の主はその優しさで死んだ』
ゴッ!
「ってぇ!お前には涙の区別もつかないのか!」
『付かぬな』
「んだと!」
『だが。今のお前の1発は伝わった。それに』
「なんだよ」
『これ以上この子に迷惑もかけれんな。暴走してすまなかった』

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