自由気ままな最強パーティ!

水無月空

六十四話 いや、魔王が強すぎて・・・

『スラッシュ』
 エネルギーを収束させ刃にする。
 魔王の胸元に飛び込み斬り込む。
 やはり、攻撃が届く前に止まる。
『ディスペル・マジックシールド』
 魔力障壁の類をすべて破壊。
『エンチャント・ソリッド』
 拳を硬くする。
 殴・・・れない。
 魔力障壁ではないだと?!
 ではなんなんだぁ!?
「そんな攻撃で我に傷を付けれるとでも思ってるのか?」
「舐めてたよ、正直。チートかよ。」
 2秒の溜め、ソロモンの鍵。
 白の3番目の引き出しを開く。
 攻撃ではない、周囲の生物から筋力を奪う。
 もちろん、奪ったので俺の筋力に上乗せ。
 溜めた力をすべて右足に集中させ、
 右足で地を蹴り跳躍、魔王の右胸を殴る。
 くそがっ、強化に強化を重ねても割れないか!
 あっ・・・まさか、な。


 ミークside
 もうちょっとで魔王の部屋だ。
 あと少し、走れ・・・!
『ステータス・アップ・筋力』
 筋力強化。
 速度を少しでも上げ、一分、一秒でも早く
 佑くんの元へ!


 リコ・ルシファーside
「よし、周囲の敵はあらかた殲滅したわね。」
「そうね、そろそろ中に入りましょうか。」
 この重い装備で戦闘はしんどいだろうなぁ。
 MP7とイージスのみで行くのだが、
 足手まといにならないかしら・・・?
「あ、リコさん。私の力を分けてあげるわ。
 ちょっと、こっちにきてくださるかしら?」
「え?あ、はい。」
 近づくと、魔法陣が展開され私に光が纏わりつく。
「はい、おしまい。」
「こんだけですか?!まぁ、ありがとうございます。」
『ポクリフェン』
 ルシファーさんの転移魔法だぁ。
 気合い入れないと!


 佑side
 AK-47を背中から取り、単発打ち。
 バンッ、バンッと一点を狙い撃つ。
 弾丸が命中すると・・・謎の障壁に罅。
 きたこれ!
 圧倒的な攻撃力の前には謎障壁も無意味だったようだ。
「さすが俺の愛銃ぅぅぅぁぁぁあ?!」
 セリフの途中で、まさか攻撃を仕掛けてくるとは。
「敵前で隙をさらすバカがどこにおるのだ。」
 さて、この半自動無限魔法地獄の謎は・・?
 まぁ、先に障壁をぶっ壊さねば!


 ひたすら打ち込み続け・・・
 バギャンとガラスが割れるような音。
「な、なにぃ?」
「もう一度言おう。さすが俺の愛銃!」
 さすがだわ!
 AK-47を背中に掛け、グラムを取り。
 駆けまわる。
 走りながらも圧縮。4秒間。
 強化—うおっ、地面から鋼鉄の槍。
 槍が飛び出すわ飛び出すわ、多すぎる!
 なんなの?!魔力無限なの?!
 跳躍、壁に張り付いては跳躍、回避回避回避ィ。
 いっ・・・掠った。
 さっきからこうして地味なダメージを追い続けるが
 致命傷だけは避けていく。
 魔王にダメージは与えられていないがな!
 これは被弾覚悟で特攻しにいくか!
「う、おぉぉぉぉぉぉおっ!」
 魔法を放つ魔王に正面から突っ込む。
「馬鹿め。」
 魔王の背後に6つの魔法陣。
「はっ!?」
 三重詠唱じゃないのかよ!
 六重詠唱とか初めて聞くぞ?!
「くっそぉぉぉぉぉぉ!」
 叫びすぎてのどが痛いぜぇ!
 グラムを空中で構え、次々飛んでくる魔法を斬る。
 すべてが魔力球、魔法の核であるものを断つ。
 斬る、斬る、斬る、斬る、斬る。
 脳神経が焼け切らんばかりの伝達速度で
 魔力球の中心を見極め、効果的な角度で斬る。
 肩から先を振る。
 音速を超える速度で振り続ける。
 右、左を持ち替えつつぶった斬る。
 あと数m、距離をガンガン縮めて・・・。

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