自由気ままな最強パーティ!

水無月空

五十六話 最終決戦に向けて



「ねぇ、佑くん。一人で魔王を倒そうとしてるでしょ?」
「えっ。いや・・・、その。」
 何故、バレた?!
「最近、珍しく佑くんが幹部を一人ずつ倒してるでしょ?
 いつもの佑くんならみんなで一気にゴリ押すでしょ。」
「まぁ、そういう気分だったんだよ。」
「嘘つかないで。みんなわかってるよ。」
 止めてくれ。とは言えない。
 ミークも心配してくれているんだ。
「だって、この前ルナちゃんついてきたでしょう?」
 そうだった。確かに変な理由でついてきた。
「もう、みんな知ってるから。ね?
 いつもみたく、ゴリ押しちゃおうよ!」


 はい。ミークには勝てませんでした。
 前にもこんな感じで説得された覚えがある。
 この旅に出た理由もこんなんだった気がする。


「よっしゃぁ、行くぞ手前ぇら!」
 はい、目前に魔王城。
「ポストに投函!逃げろぉ。」
 ダッシュ。これは逃げではない、戦略的撤退だぁ。
 手紙に書いた内容はこうだ。
『拝啓、親愛なる魔王様。この度は全力で叩き潰します。
 準備させてあげるので味方を全員呼び戻した方がいいですよ。
 さもなくば世界最強で国王たる俺様直々ぶっ殺しちゃうぞっ☆
 あ、こちらは手加減して差し上げるので(笑)


 追伸 準備期間は1週間とします。
    せいぜい余生を楽しめよ☆ 
                最強たる国王 龍園佑より』


 屋敷に帰って数秒後。
 爆笑であった、それはそれは爆笑だ。
 あろうことか魔王を全力で挑発したのだ。
 笑うしかないだろう。
「よっしゃぁ、あとは武器を揃えてゴリ押すだけ!」
 天叢雲剣は嶽に、アイギス・エクスキャリバーをルナに
 ミスティルテインはルシファー。
 グラムは俺。ミークは聖杖ユグドラシルと
 聖杖アスクレピオス。いつの間に手に入れたのかは謎だ。
 リコは鍛冶師として連れていく。
 武器が壊れたら直して貰おう。死んでもらわないために
 イージスを貸してあげよう。
 もちろん銃は一人一丁。好きなものを。
 俺はAK‐47、ミークはコルト・パイソン(炸裂弾)。
 ルナはUZI、嶽はL96A1(俗にいうサイレント・アサシン)。
 ルシファーは
「そんなものいらないわぁ。」
 と押し返された。なのでリコに二丁。
 リコにはバレットM82とMP7。
 俺の財布はすでに風前の灯火である。
 ていうか、国の予算を少し借りた。
 もちろん生きて帰って、返す予定である。
「よし、おやすみなさぁい!」
「「「「「おやすみぃぃぃ!!!」」」」」
 俺らは最終決戦となるであろう日のために休息をとることにした。


「ふっふっふ、おもしろいじゃないか。龍園佑。
 我らだけが敵だと思うなよ。あの方が我らの後ろに控えているのだから。」

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