自由気ままな最強パーティ!

水無月空

五十話 魔王の復活

「そいやさ~、勇者ってなにしたの?」
「魔王を退治して平和にした?とか。」
 へぇ~そうなんだ。知らなかった。
 魔王ねぇ。魔神サタンなら倒したが・・・。
 ん?
「魔王と魔神ってどっちが強いんだ?」
「一説によると魔王単体の方が弱いんですが
 魔王には大勢の配下や幹部がいたらしいです。」
「魔王城とかってどうなってるんだ?」
 魔王城があるのが王道だろう。
 そして、勇者と美少女のヒロインが
 旅の途中で恋に落ちるってのだろ?
「魔王城はあそこの山の上で常に監視されていて
 魔王が復活したら警報がなる仕組みになってます。」
『冒険者に告ぐ!魔王が完全復活。
 もう一度言う。魔王が完全に復活した!』
「「「「「「・・・・・・は?」」」」」」
 なんか街のみんなの心の声が聞こえた。


 ・・・ってやべぇだろ!?
 どんなフラグだよ!突然すぎる。
「ま、魔王ですか、あわわわっ・・・。」
 ルナとリコは怯えている。
「私の全力の魔法が火を噴くときよ!」
 ミークはヤル気あるなぁ~。
「私はパス。眠たいわ。」
「いや、今から行くわけないだろう。」
 ルシファーはヤル気ねぇ~。
 嶽は状況整理はやいなぁ。
「あ、幹部って何人いるのか教えてくれ。」
「なんでそんなに冷静なんですか?!佑さん。
 えと、幹部は13人です。」
「はぇ~多いなぁ。13人一気に倒すのは無理そうだ。」
「勇者は国軍と他国の支援を受け1000万人の軍勢で
 正面から突っ込んで退治したらしいです。
 その時の死者は約999万9998人だったらしいです。」
「え?!それって・・・。」
「そうです。生き残ったのは2人。
 勇者と魔法使いの女の子です。
 つまり、この国の初代国王と王妃様です。」
「・・・そんなことがあったのか。」
「悲しいなぁ。そんな事があったのか。」
「そうですね。」
「しかも、魔王とその愉快な仲間たちさ強すぎん?
 勝てる気てか、戦いたくない。絶対に。」
 そう、1000万人のうち99%が犠牲になったんだ。
 魔王たちは超弩級の化け物だ。
 それをどうやって倒したのか・・・。
 限界まで尖らせた聖剣エクスキャリバーに
 魔剣グラム、聖槍ミスティルテイン、
 聖刀天羽々斬でも使ったか・・・?
 まぁこれは世界七不思議にも認定されている。
 だが、伝説級の武器にミスリル合金の防具で
 固めればなんとか倒せるだろうか。たぶん。
 しかし・・・・・・。
「あ、佑くん!なんか怖い顔してる!」
「わりぃ、わりぃ。考え事していた。」
 魔王に勝つための、なんて今はまだ言えない。
 国民を、ミークたちを危険に晒したくない。
 俺一人で暗殺してしまうしかない。
 これが、これこそが国王の仕事だろうから。

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