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自由気ままな最強パーティ!

水無月空

三十五話 初めての仕事 

「こりゃ、すげぇ。」
「ここが、陛下の部屋になります。
 えぇ、本日は10時から演説、12時から会議、
 15時から国内のダンジョンの難易度設定ですね。」
 綺麗なメイドさんだ。
 長い髪をポニーテールにし、ノートを持っている。
 ノートに今日の予定が載っているようだ。


 10時
「えぇ、お集りのみなさん。
 本日から国王に即位(?)しました。
 龍園佑です。自分はこれからこの国を
 豊かにするとは、誓いきれませんが・・・・・・。
 あぁ、めんどくせぇ!俺についてこい!
 俺が、この国を変えてやる。
 他国との友好はもちろんのこと
 差別から貴族たちの不当な権力の撤廃。
 国民が不満に思うことを俺に言え、その中から
 俺の基準で善悪を決めよう。さぁ、この国を
 変えてやろうじゃねぇか。性根の腐った者ども・・・
 覚悟しておけよ!!」
『うぉぉぉぉぉぉぉお!!!』
 集まっていた人たちの歓声とその声の中には
 不安や期待、あるいは憎悪が入り混じっている。
『はぁぁぁぁあ?!』
 あ、やっちまった。台本とは全然違うセリフ。
 後ろの方では仲間たちの激おこな声。
「諸君、俺は全力を尽くす。見ていてくれよ!うむ。」
 はは、やらかしてしまった。人々から背を向け
 王宮に入っていくとき、俺の口からは
 ははは、というような渇いた笑いがこぼれついでに、
 魂さえも少しだけ漏れ出た気がした。
 仲間たちは、すでに呆れ顔。もう、諦めているのだろう。


 12時
「陛下、これからお願いします。
 しかしながら、先に無礼を承知で申し上げますと
 本日の演説は、国内に敵を作ってしまいますので
 これからは、お控えなさってください。」
「・・・・・・はいっ。」
 ここは、王宮の会議室。
 円卓で国の未来を決めていく場所である。
 周囲を見回すと3人の賢者。というかおじいさん2人と青年が1人。
 この国の最高権力者は国王だが、この賢者達を元老院
 といい、権力は実質ナンバー2である。
「では、会議に移るとしましょうか。今回は私、メルキオール
 が司会を務めさせていただきます。」
 メルキオールは青年の人だ。
 年は23歳くらいらしい。とても礼儀正しく、賢い。
「まずは、農業のことについてです。
 現状は輸出量が輸入量を上回っており、
 自給率も120%と多少多くなっております。」
「ふむ、よいではないか。今のままでいいのでは?」
「私もそう思うのですが、農民の不満が高まっています。」
「あ、俺それ知ってるぞ。貴族が不当に土地代を払わせてるらしい。」
「陛下!そのようなことがあったのですか?」
「あぁ、実際に見聞きした。」
「その貴族らの除名処分も考えましょうぞ。」
「いやぁ、その必要はないと思うなぁ。」
 嶽がめっちゃ頑張ってくれてるし。
 除名より平和的にしかも正確に、だ。
「な、何故ですか?!」
「まぁ、ひと月もありゃ悪徳貴族もだいぶ減るさ。」
「は、はぁ・・・。」
「次は辻斬りの話題です。」
 今話題の辻斬りかぁ。
 この1シーズンに5人殺された。
 黒の長剣で次々に人を斬っている。
 服装は真っ黒で目立たない。
 ただ、その辻斬りの共通点は天気が霧がひどい日
 にしかそれを行わない、ということだけ。
 シリアルキラーなのだ。
「そいつは、俺が生け捕りにしようか?」
「いえ、陛下のお手を煩わすわけには・・・。」
「じゃぁ、お言葉に甘えて・・・。」
 くそぅ、美少女陛下はかっこいいとこ見せたいのに。
「今日はこんなところですかね。」
「じゃぁ、俺は次があるから。またな。」
「「「ははぁ・・・」」」
 ご丁寧に頭まで下げてくれる。


 15時
「あぁ、疲れたぁ・・・。」
「陛下、次はダンジョンの難易度ですが・・・。」
「その陛下って呼び方変えてくれる?」
「な、何かお気に障ることでも・・・?」
「いや、疲れるから。あ、ごめん嫌ってわけではないんだ。」
「あと、秘書は変わってもらおう、リコとかに。」
「私、では、不服でしょうか。」
「お前は仕事抱えすぎなんだ。笑顔がたりねぇぞ。」
 そう、このメイドさんは家事から秘書、デスクワークと
 大忙しである。
「すみません。私の事にお気を使ってくださり
 ありがとうございます。手続きをしてまいります。」
「おう。よろしくな。」
 あぁ、疲れたなー。ちょっと睡眠をとるか。
 なにか忘れている気がするが。


 その後、俺はダンジョンの難易度設定に四苦八苦した。 

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