自由気ままな最強パーティ!

水無月空

三十一話 俺って実はすごかったんだな

 いやぁ、温泉はエデンである。
 この前も言ったかもしれないが今の
 俺からしたらエデンだ。
 合法で覗きができる!
 しかも王都は美女美少女が多い!
 王都の平均年齢はなんと23歳。
 みんな異常なほど若い。
 フハハッ、我はもう男に戻らなくてもいい!
 この合法で覗きができる世界で我は最強じゃ!
『冒険者の皆様は至急ギルドへ集まってください』
「えぇ、今至福の時なのに。」


「えぇ、今回討伐していただくモンスターは
 アンデットの群れです。上級~超級までのアンデット
 のようですので、十分装備を整えて向かってください。
 推奨するLvは80ですのでそれ以下の方は
 まぁ、好きにしてください。」
 ずいぶん適当だな。
 まぁ、Lv200までいったから余裕だなぁ。
「お嬢ちゃん、Lvはいくつだい?カードを見せてみな。」
 隣にいた大柄なおじさんが心配して訪ねてきた。
「Lv20かぁ。ちときつそうだな。」
 少しだけモンスターを討伐してLvをチマチマとあげて
 いたのだが、前よりも上がりにくい。
「だ、大丈夫ですよ。何とかなります。」
「とは言ってもなぁ、上級アンデットでも平均的なLvが65だし
 心配だから俺が守ってやるからそれで手を打とう。」
「えぇと、おじさんLvはいくつですか?」
「こう見えてLv120だ。少し前のこの国最高Lvだぜ。」
「へぇ、スゴイデスネー。」
 そうか、俺は自分のLvを申請してないから
 非公認の最高Lvだったんだな。
 確か、今の最高Lvはミークの176だったなぁ。


 王都門前にて俺とおじさんは歩いている。
「お嬢ちゃんはどうして冒険者、しかも危険な前衛職の
 戦士なんかになろうと思ったんだい?」
 もともと男だなんて言えない。
 口が裂けても絶対に無理だ。
「えぇと、かっこいいから?です。」
「そうかぁ、俺もそんなもんだ。がははは!」
「あ、そんなことよりも前!ネクロファージャーですよ。」
 ネクロファージャーは食人ならぬ食屍で上級アンデットだ。
 こんなやつ軽く殴れば倒せるのに
「おら、雑魚が!引っ込んでろ!」
 こんなふうに張り切っているおじさんを
 見ると、どうしても困ってしまう。
「おじさん、強いんですね。」
「へへっ、そうかぁ。お嬢ちゃんもLv20とは
 思えない身のこなしだな。」
「そ、そうですか?」
 あっぶねぇ。バレたかと思った。
「おっと、次から次へとどこから湧いてるんだよ。」
 ネクロファージャーが5体。
 グールが10体、装備付きゾンビは6、7か。
 あ、超級アンデットのドラウグルだ。初めて見た!
 ゾンビとネクロファージャーとグールは
 見分けがつきにくい。
 簡単な見分け方は
 ゾンビは死体が活動していて、知性はなく
 ひっかく、噛みつくなど簡単な攻撃をする。
 グールはネクロファージャーと同じく
 屍を食べるが、知性がありネクロファージャーとは
 その点のみが異なる。
 ドラウグルは超人的な力を発揮したゾンビ的な感じだ。
 体を巨大化させ重量も増加させられる。
 また、物を腐らせるほどの悪臭を放つ。くせぇ。
「ちと、骨が折れるなぁ。」
 おじさんにはきついかもなぁ。
 ドラウグルは平均Lv140で強いし。
 今までのこの国では出会ったら全速力で逃げろ
 という教えが学校で教えられるほどだ。
 あぁ、基本的に学校は貴族など金に余裕の
 ある人たちの通う場所だ。
「ネクロファージャーとドラウグルは私がやりますよ。」
「はぁ?!そんなン無理だぜ!?」
「私をあまり舐めないで。」
 笑ってしまう。そんな弱そうに見えるのかな?
 俺は走って跳躍し、目の前のネクロファージャー
 5体全員に圧縮の力をかけ、動きを鈍らせる。
 強化される前に屠ってしまえば問題ない。
 自分の右こぶしを一番近かったネクロファージャー
 の顎に放つ、アッパーで顎は砕かれる。
 右、左、左、前にいたやつらを順番に
 同じようなアッパーで顎を砕く。
 そして、顎がつぶれたネクロファージャーなんて
 噛み殺される心配がないのでもう雑魚でしかない。
「お、おいっ。どこにそんな力が。」
 左太ももに差していたダガーナイフで脳幹を
 潰す。鼻の頂点からずぶりと差し込むと
 脳幹に届くのでそこで少し捻ってやると脳幹は
 ぐちゃぐちゃに。
 全員分の脳幹をつぶしたところで次は
 ドラウグルだ。ドラウグルは基本的に知性が
 あるにはあるがそこまで高くない。
 おっと、大きくなるんだった。
 身長は5mくらいで見た感じ体重は5tくらいだな。
 のしかかるだけで俺は殺されるかもな。
 まぁ、そんなバカなことは万に一つもないが。
 圧縮強化を全身に発動。
 8秒間力を溜め、高速移動、超強力な一撃。
 最近、というかLv200になったときくらいに
 見つけたのだが、圧縮強化の強化の時間を
 1秒間にまた圧縮し強化時間を使い切るという方法だ。
 ただ、威力自体は2倍3倍にしかならない。
 252倍の2倍って半端ないって。
 顔面を殴ると、もちろん顔面を吹き飛ばすどころか
 衝撃波と余力で後にいた超級アンデットのレヴァナント
 やファントムなど数体を巻き込み体に風穴を開けていく。
 目の前のドラウグルは即死し、魔素となり俺のLv上げを
 手伝ってくれる。ありがたいなぁ。
「さぁ、さっさと討伐しまっくって帰りましょ!
 仲間も待ってるかも知れないので!」
「お嬢ちゃん仲間いるのか!そりゃそうかLv50以下はな。
 てか、誰が仲間なんでしょうか?」
「なんで敬語なんですか?仲間はミークや嶽、ルナとか
 ルシファーとか、リコとか、愛音とかですねぇ。」
「うわっ、今話題の最強パーティじゃねぇか!
 じゃぁ、龍園さんとも仲いいんだ?!
 今度、龍園さんのサインをもらいに行っていいか?
 うわぁ、感激だ!すげぇ。実際龍園さんとミークさん
 どっちが強いんだ?いや、強いんですか!?」
「そう、一気に質問されても・・・。」
 そうして、群れを討伐することを忘れたおじさんは
 俺は質問攻めに。1時間ほど付き合わせられた。
 はぁ、疲れた。

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