自由気ままな最強パーティ!

水無月空

十六話 新たな能力とあのポジキャラ

 人は九死に一生を得る出来事や、生死の境を行き来すると
 不思議な力を手にすることがある、らしい。
 俺は先日、邪神を倒した。その後1つ気になる
 能力が増えた。Lvが一定に達したからなのか、
 それとも・・・。


「あの、今日こそはこのクエスト受けますよね?」
 ギルドでは塩漬けクエストを消化しようと冒険者に
 呼びかけている。
 トコトコとうちらのパーティの前に来ると、
「龍園さん達なら喜んで受けますよね?
 いや、大悪魔に炎龍、邪神までも倒した貴方方なら
 よ・ゆ・うですよね?」
 呼びかけ、もとい脅迫を受けてしまった。
 冒険者の皆様方もこちらをチラチラとみていらっしゃる。
「はぁ、仕方ないですね・・・。どんなクエストですか?」
 ぴらりとクエストの紙を見せてきた。
 スライムとその変異種の討伐か。
 マンティコアの巣が近くにあると予想される、か。
「受注しますか?Yes.or.NO。」
「Yesで、ってかそれなんですか?その口調!」
「や、そんなラノベ読んでやってみたくなったわけじゃないですよ?」
 そうなのか。俺も読んだことあるからやめとけ。
「はぁ、なんかめんどそうなのね~」
「そういうなってミーク。仕方ないだろう?」
「そうですよ、王族として塩漬けは許せません!」
「でもぉ~・・・」
「さっさと行こうぜ?ほら、寝起きでつらいかもだけど
 ミークも行くぞ。・・・おい自分で歩け。」
「やだ、おんぶして。」
 はぁ、仕方ねぇやつだな。手がかかる。


50分後
「せぁ!」
 スライム討伐、全力で。全員ワンパンなんだよな。
 そりゃLv80を超えるとそうなるか。
「ファイアウォール」
 眠たげなミークは中範囲魔法を唱える。
 炎の壁でスライムを閉じ込める。
「ウインド」
 風で炎をスライム側に推し進め、燃やす。
 しかも、炎は風を送ることで威力増大。
 あ、スライムの変異が出てきた。相当ご立腹だよ。
「そうそう、試したいのがあるんだけど。」
「ん?なにをするんですか?」
「驚くなよ、ルナ。
 右腕を亡くした代償かなんか知らんが、
 能力が増えてたんだよ。ちょっとこの前使ったらやばかった。」
 俺は、左の手のひらを空中に差し出し、
「ソロモンの鍵」
 と叫ぶ。目の前には引き出しの多い机、
 みたいなのと、鍵がジャラジャラ出てくる。
 その中から小さめの鍵で少し大きい引き出しを開く。
 その引き出しから淡い光が出てきて俺にまとわりつく。
 体に力がみなぎってくる。
「な、なにそれ?!」
 ミークがびっくりして、声が裏返ってる。
 そりゃそうか、1度も言ってないからな。
「まぁ、見とけって!」
 俺は不敵に笑い、物理の法則に重力に、平方根の法則を
 ガン無視する。世界が壊れる音がする。
 みんなが止まってる。いや、俺がバカみたいな
 スピードで動いてるだけなんだけどな。
 スライムの体に左の拳がめり込むと共に
 周囲の地面が穿たれる。
 気持ち悪いほどの空間の歪みが生まれ、
 そこでは通常の力のベクトルが無い。
 いや、通用しないのだ。
 俺が思った方向に力の向きが変わり、
 思ったように力を伝えられる。
 能力の解除とともにスライムは、消え去る。
「ん?!何が起こったの・・・?!」
「俺の時間的な、そういう能力?」
「「「はぁぁぁぁぁあ?!」」」
 はい、いい顔いただきっ!


 家という名の屋敷に帰ると俺宛に一通の
 手紙が届いていた。俺の家からだ。
 しかも、妹。なんだろう、まだあいつの誕生日も
 両親の誕生日も先のはずだが・・・読んでみるか。
 内容は、私もその街に行きます。お兄ちゃんは
 こっちの村にまで活躍が知れ渡ってますので、
 屋敷があるのでしょう。そこに住まわせて頂きたい!
 とかなんとか。はぁ、また一波乱ありそうだな。
 できれば平和な生活がしたい俺は手紙の返事を
 書かずに布団に入り、午後の睡眠。
 もとい、昼寝をした。おやすみ、我が世界。

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