自由気ままな最強パーティ!

水無月空

三話  初めてのクエスト!

スライム討伐か。楽なクエストだな。しかも、15体で5万シックルだとよ。
 しかも、経験値稼ぎにももってこいだしおいしすぎるだろ。
「はいは~い!私から力を見せてきま~す。」
「頑張ってくださいね!ミークさん。」
 一番手はミークか。あいつは、魔法の成績よかったからな。俺と違って。詠唱が終わったみたいだな。
 確か、あいつの得意魔法は炎だったか?
「インフェルノ!!」
 魔法は、スライム5体を巻き込んで綺麗に消し炭にした。
「おぉ。さすがだな。しかしいつみてもおっかねぇ。」
「おっかなくないわよ。綺麗といいなさい?あ、美しいでもいいわ」
「すげぇな、魔法は、次は俺がやるよ。」
 次は影を操る嶽か。どんな戦いをするんだ?嶽は小刀を取り出した。あれがメイン武器か。
 その小刀は、美しかった。しかも、さび1つなく濡れているかのように光がよく反射している。
 手入れがとても行き届いているようだ。さすが、アサシン!
「いくぞ!はぁぁ!」
 彼は、意識を集中させ影を操り即座に敵を拘束した。
「死ね。」
 あれ?今なんか怖いこと言わなかったか?
 敵は、5体キッチリ切り刻まれ経験値である魔素となった。すごっ。
「どうだい?綺麗なもんだろ?俺の太刀筋は。」
「あぁ。すげぇな!かっこいいぜ!」
 若干、怖くもあるが。
「ねぇ佑くん。なんかあの人怖くない?」
 こそっとミークが耳打ちしてくる。
「まぁそうだが、俺の能力と相性よさそうじゃねぇか?」
「そうだね!大丈夫よね!」
「じゃぁ、次は俺な!」
 俺は、力を溜める時間が長ければ長いほど攻撃力が乗算される感じで上乗せされる。
 乗算される時間は溜めた時間の四分の一だ。俺は、4秒きっかり力を溜めると、
 その場から消えた。正確には高速で移動しただけなのだが普段の全力の16倍の力とスピードだ。
 スライムを3体1秒間の間に殴り粉砕した。
「ふぅ。どうだ?」
「すごいすごい!前より強くなったね佑くん!」
「そうだな。その力は恐ろしいな。力の上乗せか?」
「さすがです。佑さん!かっこいいですよ!」
 いや。聞いておいたのは俺だが恥ずかしいな。俺は恥ずかしさを隠すためルナに
「次は、ルナだぞ!頑張れよ。」
 と言った。ルナは自信がないのか、少し緊張気味だ。
 前に出たルナにすぐスライム2体が襲い掛かってきた。あれは、デコイか。
 敵の攻撃を引き付けられるらしい。さっきルナが言ってた。
 確かこのあと、カウンターか防御かをして敵を足止めもしくは倒すらしい。
「うぎゃっ!」
 あれ?攻撃今くらってなかったか?気のせいか?
「くっ。もう一度!・・・げふっ!」
 やっぱくらってるよな?みんなの顔を見ると心配半分、驚愕半分な顔だ。
 俺も、似たような顔に違いない。
「痛っ!」
 いつの間にかルナの腕が変な方向に・・・え?!やばい、あれはまずい!
 他の二人もそう思ったらしく瞬時にルナの助けに入った。
 俺が、ルナを救助し、ミークと嶽がスライムを1体ずつ排除。
「大丈夫か?!ルナ!」
「大丈夫じゃないですよぉ・・・」
 痛みで泣きじゃくるルナにミークは街で買った回復用の溶媒結晶を折れた腕にあて、
 二重詠唱ダブル・スペリングで回復の魔法と精神安定魔法をかけた。
 すると、すぐさま腕はもとに戻りルナも落ち着いたようだ。
「ふぅ。初めて戦うと怖くて、思うように体が動かなくてカウンターが発動できなかったです。」
 彼女は貴族の家出身なので、父が戦うことや家の敷地から出ることを許さなかったらしい。
 そんな家が嫌で着替えや少しのお金を持ち出し家出をしたらしい。
 だから、俺らと会ったとき腹が減っていたのか。いろんな家があるんだな・・・
 まぁ。無事で良かったがこれからの戦闘大丈夫か?いろんな意味で。
「立てるか?」
「ちょっと、腰が抜けちゃって。無理そうです・・・」
「しかたないなぁ。ほら、おぶってやるからしっかりつかまっとけよ。」
 まぁ。戦闘を繰り返していけば慣れていくだろ。家出中らしいから面倒を見るか。
「あぁ。羨ましいなぁ。佑くんの背中。」
 なんかミークが言っているが何のことだ?俺の背中?まぁいい。
 とりあえず、ギルドに報告だな。はやく金をもらって宿で飯を食おう。
「帰るぞ。早く帰って飯、食おうぜ!」
「さすが、食い意地凄いですね。佑さん。」
 ルナの安堵しきった声が聞こえてくる。
 なんか、俺の冒険の最終回みたいだが、そんなことはない、始まったばかりだからな!
 それより、飯だ!あの技使うと妙に腹が減るんだよ・・・ぶにゅっ
 今なんか踏んだ。なんかスライムに似た感触だった。ふと下を見るとざっと50体程のスライムが。
「きゃ~!なに?なんかたくさん湧いたんだけど?!」
 うしろもかよ?!今のシリアスな空気を壊すなよ!俺の心の中で呟いたかっこいいセリフ返せ!
「お前ら!全力でに・げ・ろぉ!!」
 今日から、俺は自由気ままなパーティで充実した生活を送らなければならないらしい。

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