3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

6話 属性とレベル

「血ですか?」


「はい。こちらに入れられた血を、
後程お渡しするギルドカードに浸します。
すると、そのギルドカードにお客様の
レベルとステータス、属性が記載
されるのです」


説明しながら、受付の女性は小さなナイフ
を俺に渡してきた。
どうやらこれで指の腹を少し切るらしい。


「さっきから気になってたんですけど、
その属性って何ですか? っ痛!」


若干切りすぎてしまい、必要以上に
指から血が滴り落ちる。
 すると、直ぐ様、受付の女性は自分の
ハンカチを手渡してくれた。
 それに、どうもと軽く感謝し、代わりに
血の入った瓶を渡す。


「ごめん。これでこちらのお客様の
レベルと属性を計って来て貰える?」


「はい、わかりました」


この女性はここでは先輩なのか、近くに
いた別の受付の方にその瓶を預けた。


「それでは、属性について説明させて
いただきますね。」


そう言って、彼女は右隣にあった
本棚から一冊の本を取り出し、とある
ページを開いた。


「簡単に説明しますと、属性とは
その者が持つ魔法の性質です」


「ま、魔法?」


「お客様......もしかして......魔法を
ご存知ないのですか?」


「......聞いたことはありますけど......」


「使ったことは?」


「ないです」


「そうですか......」


「あ、でもどんな物かくらいは
映画とかで見たことあります」


「では......魔法についてはいいですね。
話しを戻しまして、属性の種類
についてですが、このページに
記載されている四つがございます。」


俺は女性が指差した四色の
絵に目を移した。


「順に、火、水、風、雷。稀に光や闇を
属性に持った方もいますが、ほとんどの
方は最初の四つのどれかです」


火.........もしかして、バビロンの
剣が炎を纏っていたのは、この
属性とやらが理由なのかもしれない。


「あ、お客様。ちょうどお客様の
ギルドカードが完成したようです」


「本当ですか。早いですね......」


そう驚きつつも、俺はギルドカードを
受け取った。


level 1

ステータス

筋力 1
体力 2
防御力 0
俊敏さ 11
魔力 0


もうこれを見て俺は色々察して
しまったが、一応尋ねる。


「あの......俺ってこれを見る限り......
どんなかんじですかね......」


「......そうですね......少し努力が必要
といったかんじ......ですね」


彼女はそう苦笑しながら答えた。


「ははは......ちなみに......レベルの上限は......?」


「100が最大です」


「そう......ですか......」


まあ......そんな落ち込むな......
そりゃ最初はこんなもんだろ......


そう自分を慰めながら、俺は属性の欄を
見た。


そこには


「......雷か......」


これからの生活を左右するであろう
文字が書いてあったのだった。

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