3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

二百七十八話 ヨーテルと長老

「ちょおおぉろおおおおうっ!!!」


カクバの叫び声が魔王城に
響き渡る。


「嘘よ......あの長老が死ぬわけ
ないわ......」


ヨーテルは顔を真っ青にさせ、
バーゼンと鬼灯は立ちすくんでいた。


「うおああああっ!!!」


そんな中でカクバだけが
魔王に突っ走る。
それを見てはっと我に返った
鬼灯とバーゼンもまた
魔王へと攻撃をしかけた。


「あり得ない............」


それでもまだ、ヨーテルは
動けず、自分のほうきを握りしめていた。














十年前


「おい、聞いたかよ。あいつ、
もうレベルが300になったら
しいぜ。」


「まじかよ。やっぱ天才様は
俺たちとは住む世界が違うなー。」


「歳もまだ16才なのに私たちよりも
上の職業についているなんて
生意気よね。」


近くでなにやら自分のことを
話している連中がいる。
まるでそれはわざと自分に聞こえる
ように言っているようだった。


「何よ。あんた達私に文句でも
あるの? 弱者の癖してグチグチ
言ってんじゃないわよ!」


「あ? んだと!」


「ガキの癖に調子こいてんじゃね!」


すると、たった一人の少女に対して
大人二人が容赦なくかかってくる。



だが、こんなことは日常茶飯事。



「ふんっ! 出直してくれば?」


ヨーテルは意図も簡単にその
二人を倒し、怖じけづく人々の
間を通り抜けて家に戻った。


「はぁ......」


自分の家に帰ったヨーテルは、
自分の家に落書きやゴミが散乱
していることにため息をつく。


別にこれは今に始まったことではない。


ヨーテルは逸材だった。
卓越した頭脳、たぐいまれなる
戦闘センス。そして、何よりも
他の人間とは桁外れの魔力。
これらを兼ね備えていたヨーテルは 、
10才の頃からその頭角を現していた。
しかし、それによっていわゆる妬み
によるいじめが始まった。
最初の頃は家族がヨーテルを
かばってくれた。
だが、じきにヨーテルに敵わないと
悟った職業者達は、ヨーテルに
直接危害を加えるのでは無く、
ヨーテルの家族をいじめ始めたのだった。


そして、今から三年前にヨーテルの
家族は、人々のいじめに耐えられなく
なって、ヨーテルを捨てて逃げて
しまった。


「一人でも、寂しくないわ。」


家族なんて要らない。
仲間なんて要らない。
必要な物は力だけ。
もっと私に力さえあれば、私を
馬鹿にしているあいつらは、
私に逆らえなくなる。


群れるしか能のないあいつらを
いつか必ず見返してやる。


でも、どうやって?


どうしたら、私が最強だと皆が
認めてくれる?


そうヨーテルが思い始めていた頃。


【下の大陸にある、とあるギルド】


「なんじゃね、お主は。
他の者とクエストを受けないのかね?」


いつものように、一人でせっせと
討伐クエストを受注していた
ヨーテルの前に現れたのは......


「は? 誰よ。話しかけないでくれる?
クソジジイ。」

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