3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

百十一話 エレディア村17

「......にわかには信じがたいが......
このステータスと幹部を撃破した
君の力を目の当たりにすれば、
信じる他あるまい。」


「そうか、助かる。」


「だか、それほどの力を持った
転生者の君が一体どうして
この世界に?」


「それは──」



俺はタチアナに、俺がこの異世界に
来た理由と、俺が何千回も
転生をし、他の異世界の危機を救って
来たことを説明した。





「......聞けば聞くほど信じがたいが、
なるほど。では君は今、この異世界で
魔王を討伐するために活動していると......
そして、そのクリア条件とやらを達成
すれば再び、その神様とやらに別の
異世界に転生させられ、その世界の
危機を救うということだな?」


「そうだ。飲み込みが早くて助かる。」


「なんというか......その......大変だな......」


「いや、もういいんだよ。別に。
慣れたし。」


「しかし、こう言ってはなんだが......
隼人。君が何千もの世界を
救ってきた者にはあまり見えないな。」


タチアナは冗談っぽくそんな
ことを言ってくる。


「まあ、見た目というか、歳は
とらないしな。異世界で過ごした
時間はゆうに百年は超えてるけど、
見た目は転生した歳と同じ、
十九だ。」


「 ほう、では私と同じくらいではないか。私も兄様から歳はそのくらいだろうと
言われた。」


「兄様?」


「ああ、そうか。私の兄、バーゼン
という赤髪で長髪、目が線のように細い
男がいただろう?」


「え!? 兄妹なの? なんというか......
全然似てないというか......」


「それもそうだ。私と兄様とは
血がつながっていないからな。」


「へぇ。」


いや、まあ......いろいろ事情が
あるんだろうし......深入りは
しないけど。


「ところで......タチアナに聞きたい
ことがあるんだが......」


「なんだ? 私の知っている範囲ならば
何でも答えよう。」


「五年くらい前だったか、
ヤナハから魔族討伐の
船が出航したって
聞いたんだが......具体的に
どの島に行ったか教えてほしいんだが──」


俺は下の大陸の港でメグと別れた。
そのとき、本当は無視するべきだったが、
俺はなんだか耐えられなくなって
言ってしまった。


五年前に帰ってこなくなったメグの
家族を見つけると。


突拍子に言ってしまったことだが、
一度言ってしまったからには
なんとしてもその約束を果たさなければ
ならない。
その為にはまず、彼女に五年前の
そのことについて尋ねたのだ。



「なぁ、タチアナ。何か知ってるか?」



「.........................................................」

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