3521回目の異世界転生 〜無双人生にも飽き飽きしてきたので目立たぬように生きていきます〜

I.G

百一話 エレディア村7

「で、タチアナ。これから
どうする?」


「そうだな......一刻も早く、
討伐軍に帰還したいところだが......」


「まあ、とりあえずはこの
村から地上に出ることが
最優先だな。」


「しかし、私ももうろうとした
状態だったからあまり、はっきりとは
覚えていないが、我々は
相当深くまで落ちたぞ。
ここから地上に戻る手段など
あるのか?」


「......でも、ここでじっと
していても始まらないし、
気分転換がてら、この村の
調査でもするか。
そしたら上に戻る方法も
見つかるかもしれないし。」



「そう......だな。」














「地上に戻る方法?
 そんなもんないな~。」


俺達は村のことについて知るためには
ばっちゃんを尋ねた方が早いとふんで、
真っ先にばっちゃんの家に行ったのだが
得られた返答はこれだった。


「ないんですか!?」


「ないな~、バフ、説明してやれ~。」


「この村は何千年も前から
地上と隔離されたこの地下にある。」


「え、でもそれじゃ、食糧とかは?」


「食糧はほとんどが地下で育つ作物と
魚だ。お兄さん達みたいにたまに
あの湖で地上の大きな生き物が
死体で採れる時がある。
それで大体の食糧は得られる。
水も川からひいてきたり、
湧水からくんできたりできるから
地上に出る必要がない。
第一、地上に上がろうにも
地上は高すぎて上がる手段がない。
この村の千年の歴史からも、
地上に行った者など一人もいないんだ。」


「ま、マジですか......」


「すまないな......力になれなくて。」


「いえ......」


こうなったらペルーに頼るか......


そう考えていると隣に座っていた
タチアナが口を開いた。


「ところで、この部屋には
多くの壁画が飾ってあるが......
これは魔族ではないのか?」


「魔族~? なんだ~そりゃ?」


タチアナの言う通り、部屋には
いくつもの壁画が飾られてある。
その壁画には全てあるものが描かれ
ていた。


「お嬢さんたちがこれを魔族
というのかは知らないが、俺達
エレディア村の民はこれを
人魚と呼ぶ。」

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