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牧之原智花は人を殺さない

もやもや

死神長である熊野への報告を終え、智花はコンビニでメロンパンとサンドイッチを買い帰路についていた。
「ただいまー」
 部屋に入ると、「おかえりー」と一匹の猫が智花を出迎えた。白と黒のぶちで、白の部分が若干多い。そして「餌が少なかったよ」
 猫が言うと智花はちらと猫の腹を見て言った。
「毘沙門天。あんた随分お腹が出てきたじゃない。部屋で食っちゃ寝ばっかりだからそうなったんじゃないの」
 毘沙門天と呼ばれた猫は毛づくろいをしながら否定する。
「そもそも猫っていうのは寝子ともいわれていて……あっ智花! 何買ってきたの!!」
 智花の持っていたビニール袋に勢いよく飛びつく。しかし智花はタイミング良く、毘沙門天の飛びつきをかわした。
「甘い! 猫が食べていいものじゃないの。知ってる? 猫だって糖尿病にかかるんだよ」
 智花はクッションに座り、買ってきたサンドイッチを食す。毘沙門天がパソコンの上に座り、せがんでくる。仕方なくハムの部分を多めに毘沙門天の口元に近づける。毘沙門天はガツガツと食べ始めあっという間に平らげてしまった。
「おかわり」
毘沙門天は目で智花に訴えるが智花は冷たく一蹴する。
「お昼まで待ちな」
「ケチ」
「うるさい」
「それで何か言われなかったの?」
 毘沙門天は大きく伸びをして、身体を丸め智花に尋ねる。
「何よ。なにかって」
 サンドイッチを半分を食べたところで、冷蔵庫からペットボトルの水をもって来る。
「死神なのにそんなラフ恰好するなとかノルマに達していないとか」
「あのねー。あんた私がどんな身体なのか分かってるでしょ。それにノルマは毎月達しているの」
 ペットボトルの水を半分飲み、部屋に戻る。
「でもさ、なんとかならないものなの。一日のうち四つの種族、人間と妖精と魔族。で、魔物だっけ。それぞれ六時間ずつ変化する人間なんて普通じゃないでしょ
「……色々あるんだよ」
 智花は口少なく答えサンドイッチを全て食し、寝転がった。
「次は何になる予定?」
「さあ。ランダムだからね。少なくとも人間ではないことは分かってる」
「人間になれる時間だけは決まってるんだよね?」
「そう。午前中の六時から十二時まで」
「僕は妖精の智花が好きだよ。あんまり人間の智花と変わりはないんだけど、人間にはない神秘的な美しさがあるんだ」
「ありがと。もう寝るから」
 智花はゆっくりと目をつぶった。お腹に何か乗っかった感覚があったが無視して眠りに落ちた。






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