屋根裏の吸血少女は騙してる
死
(私はなんでまだ俊介といたいんだろう……)
俊介の必死な姿を見て、リリスはそんなことを思っていた。
目の前で殴られ続けている俊介を見た時、リリスは胸が痛くなり、それと同時に、まだ一緒にいたいと思ったのだ。
(俊介の言っていた異世界へ行くポーションは確かに一つだけある。でもそれは私が魔法を使わない限り出すことは出来ない。それに……私はまだあなたと一緒にこの世界にいたい。大丈夫……私はあなたのスキルが欲しいだけ、ただそれだけ――)
そう自分に言い聞かせるように目を瞑ったリリスは、生きる術を考える。
(私のこの残りわずかの血を使っても倒すことは出来ない……だったら……)
逃げるしかない。と考えるが、自分の体を考えるとそれは不可能。それに俊介も、さっきの攻撃でだいぶ怪我を負っているため、その考えはあまりにも無謀すぎる。
(私の血液の回復方法は、時間をかけるか、血を吸うしかない……いや待って……俊介の血を少し分けてもらえばもしかしたら……)
血を分けてもらう――
一見吸血鬼なら簡単そうにも見えるが、リリスの吸血能力には1つ欠点がある。
(コントロールできるかな……)
それは吸血鬼の本能と言うべきか、血を吸い始めてしまうと、欲してしまい、吸うのを止めれなくなることがあるのだ。血液不足の時は特にだ。
基本、吸血鬼の血を吸う理由は様々あるが、大体は血液補充のため。リリスの場合【奪取】のスキルがあるため、相手の能力も奪えてしまうが、スキルの発動条件は相手の血を全てを吸うことである。そのため、リリスのキャパに合わないものは盗む事が出来ない。それに、全てと言うだけあって、相手は確実に死ぬ。つまり、リリスが俊介の血を吸う際にコントロール出来なくなり、全て吸ってしまったら……。
俊介は死に、そしてスキルも盗めないまま終わるのだ――
(でも……これしかない!)
リリスは狂ってしまった聖剣持ちと退治する俊介の服をつかみ、ゆっくりと立ち上がる。
「俊介……私があなたを守るから……信じて……吸われて……」
「っ!!」
リリスはそう言って俊介を強く抱き締めながら、首元に口を付け、地獄の吸血を始めたのだった――
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