異世界転移に間に合わなかったので、転生して最強になろうと思う!
いろんな選択があるが、やはり王道で!
とりあえず俺は、神様からもらった本で、異世界について調べることにした。
「まずは、選ばなきゃ始まらないな。ふふっふーんんんーっと」
軽やかな鼻歌と異世界選びを始める。
おれは、さっき話していた和室から縁側に出る。心地いい風が吹き、暑がりな俺には、ちょうどいい。
座り込んで本を開く。
本を開くと、目次があった。
小説の目次というより、説明書のようで、『選ぶ』項目の下に、注意点、それぞれの特徴などが書かれていた。
ゲームのキャラクター設定画面のところを説明書で、読んでいるようだ。
「これか……おお! すげぇ」
注意書きを、何度も読み返し、今の時点で取り返しがつかないことがあるか確認して、選び始める。
こんなもんかな。
「とりあえず、魔法が使えること、文明がある程度発達していること、俺の体が適応……いや、転生だからこれは必要無しっと……」
と、こんな感じで条件を絞り込んでいき、ある程度は絞り込めたと思う。
やはり、この説明書、俺が望んだような形に変わり、このように条件を思い浮かべると、当てはまらない世界は、すっと消えて、代わりに条件に合うものが出てくる仕組みだ、とても役立っている。
「おっ! ここ、結構いいじゃん。ええっと……」
俺が目をつけた世界は、『クインテディア』という名前で、この世界、ザ・剣と魔法の世界の世界という感じで、気に入った。
他にも剣と魔法の世界というのは、あったのだが、魔法使い、剣士という職業のどちらかが優遇、もしくは、差別の対象になっていたりしていてあまり行きたいと思えなかった。
が、この世界は、多少の派閥はあるものの、目立った対立による戦争、リーダー、支援者の暗殺などの殺しあいには発展していない、比較的に考えても平和なのだ。
このあと、小一時間ほど探したが、『クインテディア』以上にいいといえるところはなかった。
「これは、もう決まりかな……よし! じゃあ……」
一度本を閉じて、俺は、「『クインテディア』について」と言う。
こうすることで、リセットされ、内容が変わるはずだが……。
すると本は、文庫本位のサイズから一気に六法全書並み(本物は見たことがないが)に大きくなる。
「ええっと、歴史と...国は、別にいいから、先にお楽しみの魔法についてっと……」
目次を見てある程度までは飛ばす。……ちなみに俺は、もちろん、好きなものは先に食べる派だ。
「魔法について……魔法は、主に3種類に分けられます。なになに? えっと、一つ目が、属性魔法。んで、二つ目が固有魔法。そして、精霊魔法。と……なんか難しそうだな。まぁ、夢に見た魔法を使えるんだからな! 頑張るか」
改めて、本を見る。
――――――――――
属性魔法――
属性魔法は全部で7種類あります。それは、
火・水・土・風・光・闇・補助(無)、の属性から成り立つ。
固有魔法――
ここには主に属性魔法に含まれない、先天的、後天的に手に入る魔法が分類され、3種類以上の合成魔法なども分類される。
精霊魔法――
魔法とは本来、体内にある魔力を利用し、現象を起こすものであるが[前ページ参照]、精霊という生命体と契約し、精霊から譲り受けた魔力を自身が使用する形と、自身の魔力を相手に渡し、精霊が魔法として発動させるという2パターンある。
以上、魔法の種類について。
――――――――――
「うん……知ってた……。ま、まぁ憧れだし、固有魔法とか、自分だけの魔法みたいだし……さ、さぁとりあえず、実験だー、おおー」
自分に対する言い訳で、なんだか虚しくなったが、そこは、ワクワクの準備テンションで乗り切る。
ちなみに、歴史、文化、価値観、食べ物、偉人などは、自分で体験したいため、先入観を持たないように、見ていないのだが、後々後悔することになったりする。
実験と言ったはいいものの、魔力を使うには、魔力を覚醒(自覚)させるコツがつかめるまで使えない、と、前のページに載っていた、しかも年単位で修行しないといけないらしい。
正直、今のところは諦めるしか……と思っていたが、一つだけ見落としていたのがあった。それが、ステータス表示だ。
これは、ほとんど魔力を使わず、『詠唱』だけすれば、赤ちゃんにもできる。そんな魔法らしい。
もはや魔法じゃないんじゃ……と思っているそこのあなた。これは補助魔法です。
つまり、俺は絶望まであと一歩のところで踏みとどまったのだ!!
「っしゃー、ラッキーっと。よし、『ステータス』」
――――――――――
姓:中井 名:修 年齢 14
HP ?/?     MP ?/?
体力 ???
筋力 ???
魔力 ???
敏捷 ???
技能 ???
物理耐性 ???
魔法耐性 ???
スキル
無し
固有魔法
無し
――――――――――
「うーん、ほとんどが、?マークで隠されてるのか……神様の言ってたのは、これのことだったのか?」
ここでは死なない、と言っていたのは、転生してないからまだ能力がない状態で、ステータスがない=破壊不可能の、ダンジョンの壁みたいな感じだと想像する。
「まぁ、これはお楽しみってとこかな」
そして俺は、五日間、知識を蓄え続けた……。
「元気してるかのぅ」
ふと、そんな声がして、俺は、顔を上げる。
そこには、優しい顔をした、神様がいた。
「……っ! びっくりしたよ、おじいちゃん。あれ? もう、五日間立ったのか……早いな五日間って。それで? 今から転生するの?」
「まぁまぁ、落ち着いてのぅ。君は五日間、寝てないみたいじゃからの。とりあえず、休むとええよ。話はそれからでも全く問題ないからのぅ」
言われて気が付いた。確かに俺は、寝ていない。が、今のこのからだに睡眠は必要なのだろうか? 最初の日調べていて、ふと、辺りを見渡すと、暗くなっていたから夜だったと思うが、俺に眠気が来ないことに違和感を覚えた。
そして改めて俺について調べることにしたのだ、調べていると、と、霊か精霊みたいな存在じゃないかと思ってきた。
霊や精霊は見えないだけでどこにでもいて人の、所謂、三大欲求がないみたいで、俺にいちばん近いと思った。だがおれは、睡眠欲・性欲はないのだが、食欲だけはあるのだ。
腹が減ったときは、餓死するかと思っていたのだが、振り返ると、いつの間にか机に、和食といえばこれ! って感じの食べ物が、ほとんどあった気がする。があまり覚えていないのは食いすぎたからだろうか?
「でも、睡眠は必要ないんじゃないの? 眠くないし」
と聞くと、神様は、ほほほほぅと、優しく笑ったのだが、その後に、
「それは、その世界の中の知識じゃからのぅ。君は、今はここにいて、その世界には、いない。つまりその世界の常識もここでは通じないんじゃよ。このような、間違いはいつか大きなことにつながる。注意することじゃ」
と、注意してきた。その顔は、険しい。
そして俺の頭の中には宿題に出た問題集の範囲を間違えて提出し先生に怒られ、放課後やらされ、部活に遅れ、例の先輩に怒られ、下校時刻まで走らされた、あの日が浮かぶ。ホント、これからは注意しよう。
「でも、眠くないのにどうやって寝ればいいの?」
俺としても、出来ないことをやれと言われても、困る。
「なに、すぐに眠くなる。ほれ三つ数えてみるがええ。数え終える頃には、眠くなっとるわい」
何をするつもりだろう? 懐に手を入れる。取り出したのは湯飲みだったが、ツッコミを入れる気力が無かった……。
「わかった。……いち」
異世界に思いを弾ませる……。
この先何が待ち受けているのだろうか?
「……に」
瞼が重くなる。
「さん……」
おれは、待ってましたとばかりに、手を広げている眠気に、身をゆだねた……。
「まずは、選ばなきゃ始まらないな。ふふっふーんんんーっと」
軽やかな鼻歌と異世界選びを始める。
おれは、さっき話していた和室から縁側に出る。心地いい風が吹き、暑がりな俺には、ちょうどいい。
座り込んで本を開く。
本を開くと、目次があった。
小説の目次というより、説明書のようで、『選ぶ』項目の下に、注意点、それぞれの特徴などが書かれていた。
ゲームのキャラクター設定画面のところを説明書で、読んでいるようだ。
「これか……おお! すげぇ」
注意書きを、何度も読み返し、今の時点で取り返しがつかないことがあるか確認して、選び始める。
こんなもんかな。
「とりあえず、魔法が使えること、文明がある程度発達していること、俺の体が適応……いや、転生だからこれは必要無しっと……」
と、こんな感じで条件を絞り込んでいき、ある程度は絞り込めたと思う。
やはり、この説明書、俺が望んだような形に変わり、このように条件を思い浮かべると、当てはまらない世界は、すっと消えて、代わりに条件に合うものが出てくる仕組みだ、とても役立っている。
「おっ! ここ、結構いいじゃん。ええっと……」
俺が目をつけた世界は、『クインテディア』という名前で、この世界、ザ・剣と魔法の世界の世界という感じで、気に入った。
他にも剣と魔法の世界というのは、あったのだが、魔法使い、剣士という職業のどちらかが優遇、もしくは、差別の対象になっていたりしていてあまり行きたいと思えなかった。
が、この世界は、多少の派閥はあるものの、目立った対立による戦争、リーダー、支援者の暗殺などの殺しあいには発展していない、比較的に考えても平和なのだ。
このあと、小一時間ほど探したが、『クインテディア』以上にいいといえるところはなかった。
「これは、もう決まりかな……よし! じゃあ……」
一度本を閉じて、俺は、「『クインテディア』について」と言う。
こうすることで、リセットされ、内容が変わるはずだが……。
すると本は、文庫本位のサイズから一気に六法全書並み(本物は見たことがないが)に大きくなる。
「ええっと、歴史と...国は、別にいいから、先にお楽しみの魔法についてっと……」
目次を見てある程度までは飛ばす。……ちなみに俺は、もちろん、好きなものは先に食べる派だ。
「魔法について……魔法は、主に3種類に分けられます。なになに? えっと、一つ目が、属性魔法。んで、二つ目が固有魔法。そして、精霊魔法。と……なんか難しそうだな。まぁ、夢に見た魔法を使えるんだからな! 頑張るか」
改めて、本を見る。
――――――――――
属性魔法――
属性魔法は全部で7種類あります。それは、
火・水・土・風・光・闇・補助(無)、の属性から成り立つ。
固有魔法――
ここには主に属性魔法に含まれない、先天的、後天的に手に入る魔法が分類され、3種類以上の合成魔法なども分類される。
精霊魔法――
魔法とは本来、体内にある魔力を利用し、現象を起こすものであるが[前ページ参照]、精霊という生命体と契約し、精霊から譲り受けた魔力を自身が使用する形と、自身の魔力を相手に渡し、精霊が魔法として発動させるという2パターンある。
以上、魔法の種類について。
――――――――――
「うん……知ってた……。ま、まぁ憧れだし、固有魔法とか、自分だけの魔法みたいだし……さ、さぁとりあえず、実験だー、おおー」
自分に対する言い訳で、なんだか虚しくなったが、そこは、ワクワクの準備テンションで乗り切る。
ちなみに、歴史、文化、価値観、食べ物、偉人などは、自分で体験したいため、先入観を持たないように、見ていないのだが、後々後悔することになったりする。
実験と言ったはいいものの、魔力を使うには、魔力を覚醒(自覚)させるコツがつかめるまで使えない、と、前のページに載っていた、しかも年単位で修行しないといけないらしい。
正直、今のところは諦めるしか……と思っていたが、一つだけ見落としていたのがあった。それが、ステータス表示だ。
これは、ほとんど魔力を使わず、『詠唱』だけすれば、赤ちゃんにもできる。そんな魔法らしい。
もはや魔法じゃないんじゃ……と思っているそこのあなた。これは補助魔法です。
つまり、俺は絶望まであと一歩のところで踏みとどまったのだ!!
「っしゃー、ラッキーっと。よし、『ステータス』」
――――――――――
姓:中井 名:修 年齢 14
HP ?/?     MP ?/?
体力 ???
筋力 ???
魔力 ???
敏捷 ???
技能 ???
物理耐性 ???
魔法耐性 ???
スキル
無し
固有魔法
無し
――――――――――
「うーん、ほとんどが、?マークで隠されてるのか……神様の言ってたのは、これのことだったのか?」
ここでは死なない、と言っていたのは、転生してないからまだ能力がない状態で、ステータスがない=破壊不可能の、ダンジョンの壁みたいな感じだと想像する。
「まぁ、これはお楽しみってとこかな」
そして俺は、五日間、知識を蓄え続けた……。
「元気してるかのぅ」
ふと、そんな声がして、俺は、顔を上げる。
そこには、優しい顔をした、神様がいた。
「……っ! びっくりしたよ、おじいちゃん。あれ? もう、五日間立ったのか……早いな五日間って。それで? 今から転生するの?」
「まぁまぁ、落ち着いてのぅ。君は五日間、寝てないみたいじゃからの。とりあえず、休むとええよ。話はそれからでも全く問題ないからのぅ」
言われて気が付いた。確かに俺は、寝ていない。が、今のこのからだに睡眠は必要なのだろうか? 最初の日調べていて、ふと、辺りを見渡すと、暗くなっていたから夜だったと思うが、俺に眠気が来ないことに違和感を覚えた。
そして改めて俺について調べることにしたのだ、調べていると、と、霊か精霊みたいな存在じゃないかと思ってきた。
霊や精霊は見えないだけでどこにでもいて人の、所謂、三大欲求がないみたいで、俺にいちばん近いと思った。だがおれは、睡眠欲・性欲はないのだが、食欲だけはあるのだ。
腹が減ったときは、餓死するかと思っていたのだが、振り返ると、いつの間にか机に、和食といえばこれ! って感じの食べ物が、ほとんどあった気がする。があまり覚えていないのは食いすぎたからだろうか?
「でも、睡眠は必要ないんじゃないの? 眠くないし」
と聞くと、神様は、ほほほほぅと、優しく笑ったのだが、その後に、
「それは、その世界の中の知識じゃからのぅ。君は、今はここにいて、その世界には、いない。つまりその世界の常識もここでは通じないんじゃよ。このような、間違いはいつか大きなことにつながる。注意することじゃ」
と、注意してきた。その顔は、険しい。
そして俺の頭の中には宿題に出た問題集の範囲を間違えて提出し先生に怒られ、放課後やらされ、部活に遅れ、例の先輩に怒られ、下校時刻まで走らされた、あの日が浮かぶ。ホント、これからは注意しよう。
「でも、眠くないのにどうやって寝ればいいの?」
俺としても、出来ないことをやれと言われても、困る。
「なに、すぐに眠くなる。ほれ三つ数えてみるがええ。数え終える頃には、眠くなっとるわい」
何をするつもりだろう? 懐に手を入れる。取り出したのは湯飲みだったが、ツッコミを入れる気力が無かった……。
「わかった。……いち」
異世界に思いを弾ませる……。
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