コネクト  創造する世界

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創造する世界 玩具箱2

「ではこれはどうみえますか」


「それは・・・」


週に1回程度、自分は【性格診断】を行っている。【モニタリング】だ。


「ふむ・・・」


髪の毛をワシャワシャとさせ教授は考え込む。


「どうですか髪が戻ってきた感触は」


「共同研究としてこちらに篭もるぐらいには気に入ってるね」


執拗に髪を触りながら


「君はこうなっては駄目だよ。発散用の何かは用意しといた方がいいよ」


「はは、性分なもので」


今も胃の痛くなるような行動の連発だからな、あぁまた。


時々走馬灯の用に過去を思い出す。どれもこれも自分がやってきた行いだ。


冷静になれば冗談じゃないような思い出が頭によぎり、不意に体を傷つけたくなる。


「やはり、わからないね」


「何がですか」


「嫌ならやらなきゃいいじゃないか。何でするんだい」


「大人になると子供にやった時にやった恥ずかしい思い出を思い出すよね。私はそれの回数が多いだけです」


「それは何でかな?」


そんなもの、回数が多いからに決まってる。


「人より数倍恥ずかしい思いをしているだけですよ。まぁ反省をしないってこともありますけどね」


「止まれなくなるね。僕はなったことないや」


普通は止まるからな。だけど自分は止まらなかった。


「止め時を無くした君は『すみません』」


止めに入る。何かあったのか。


「何かあったのかい」


急に入ってきたスタッフが大声で話す。こういう時に息切れしないのも利点かな。


「あの・・・その」


「ふむ」


いったい、何かわからない状況な教授に対しこちらは、大よそ予想がつく。


「自殺者でもでましたか」


「なに」


「・・・知っていたんですか?」


驚愕する教授に疑問視するスタッフ。


「いや、おおよそ原因はつきますから。【催促結果の生放送が効いたんでしょう】」


つい先日、敗者の優男の会社を【生放送で解体したのが効いたんだろう】


まぁ【おおよそでっち上げの方の報告だと思うけど】


「自殺者の名前は?」


「赤井広実です」


「赤井広実ねぇ」


自分のメールボックスの件名からその名前を探す。


イベントに時間をかけた分、仕掛けも多様になっている。


プレイヤーにも


運営にも


敵にも


味方にも


多様な仕掛けを【自発的に動くように指示している】


「おっ、こいつか」


飯田智子……しがない劇団員本名の方は海外に長期滞在があたったというてい(死亡後に行くことになる)数ヶ月、赤井広実として生活することになった女性。


【家に赤井と言う看板を経て】【両親を同様に偽装し】【金剛系列の通信学校に無理やり名前を作り】でっち上げた存在。


今頃は海外で楽しんで居るだろう。


金はこいつ含めて数十億使ったが、その効果は絶大だ。なんせ【マスコミや警察が動くんだ】


最もマスコミは自分達だし、警察は手を回した者だ。医師だって証明書ぐらい偽装できる。


ほくそ笑みながら言う


「もうか、根性がないな」


「人が『あぁもういいよ』」


ちなみに呼ばれた彼も【演者】である。誰かしら死んだら自分を呼ぶ手筈となっている。これで100万だ。


「しか『良いと言っている』」


こう引き下がらないのも、教授に見せる為。恐らく【演技だと気づいてくれるだろう】


「・・・失礼します」


そういい、彼は帰っていく。この学園祭の演技を見せられた教授は困惑するだろう。何を遊んでいるのかと。


「では、私も帰らせて頂きます。どうやら忙しくなりそうなので」


「いや、今の『博士』」


気づいてください。こうしておくのが重要なのだと。


「新聞か何かに情報が載ったみたいなので教授も暇ならどうぞ」


そうして、教授の元を去り、ついでに現実に戻る。


さて……


どうしようかできること限られてるが。


会見を開くにしろ、まだ【情報がない】


しょうがない、聞きに行くか。


VRのカメラを変え、【ネットの方にダイブする】


向かうはVR政府アドレス。彼処には例の連中がいるはず。


ダイブからダイブを繰り返し、わからないようにしながら指定URLに飛ぶ。


表向きは普通のサイトだが、VR見れば要塞に見える


「誰だ」


哨戒中の兵士に質問される。


「大空大地准尉だ、下月准尉と【危険人物についての打ち合わせを行う手はずとなっているが】」


持っているIDに貰った勲章を入れ、自分の身分を確立させる。


「少々お待ちください」


兵から連絡が入る。最もこれは緊急連絡用なので普通に通りはずだ。


「確認が取れましたお入りください」


そうしてあいつの前まで進んでいく。


「あぁ、ありがとう。君は帰ってくれ」


案内してくれた兵士を下げる。


「それで……、準備はできたのかな」


まるでそちらは準備ができているかの物言いだ。


「まぁ、ぎりぎりか。とりあえず【仕掛けができた】」


その言葉ににやっとあいつは笑う。


「そうかなら……。【悪巧みを始めようか】」



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