コネクト  創造する世界

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創造する世界 幸運の置物4

スカイアースが試合に乱入する10分前。


「つまらん」


わしが動かないから緊張もしないので、酒もまだ飲めんし。


ざわざわ


目の前にはうじゃうじゃと人が居るし。早く始まらんか。


「今GMが乱入しました」


やっとか、モニター越しに相手を確認する。


「相手チームについての情報です」


アナウンサーがチームの情報を告げる。しかし、事前広告をしていたとはいえ、解説だけに10万もよく払ったなこいつらは。


「いやぁ、ロックさん注目はどの相手ですか」


「そこの優男だろ、名前はなんと言ったか」


「イースン選手ですね。やはり彼は何かを持っているんですか」


「持ってなければ、あいつは選びはせんよ」


さて。運型を敵に選んだわけだが。この後どうする。


ワシなら斬り合いに持っていくがお前さんは・・・足掻くしかないな。


そうして、レートの移動がされる。


「サイコロか、足し算したのが倍率になるので、上限の100倍最低
1億か」


「ははは、ロックさん。サイコロでそんなにいくはずないじゃないですか」


「それを不正なしで引けるのが、この優男だ。まぁ見ておれ」


最初の二人は簡単に終わり、最後のイースンに変わる。


「さて、イースンのばんですが。ここで相手チームの出目でプレゼントとをとろうと思います。さてロックさんやはり1億ですか 」


「ふむ・・・、900万が1割1億以上が9割大穴は1000万以下だ」


「やはり1億が鉄板だと」


アナウンサーがしつこく聞く。全くもって面倒くさい。


「ふむなら賭けるか?ワシは上限か3以外出たらそうさな。まぁ、300万。カスタマイズ1回分賭けよう、お主はそうさな・・・負けたらその喧しいつっつきはなしな」


「ふむ・・・、その勝負受けましょう。さぁいっているそばから1回目が振られました出目は・・・3いや1、1です」


「なら1億は確定じゃな。ワシは本でも読んでるから終わったらいってくれ」


どうせ、ここで外すようじゃ話にならんし、時間をかけないなら罠に引っ掛かり終了だ。


ふむ、まぁたあいつらが騒ぎ始めたか。よくやるのぅ。


おっこっちは、味覚特集かそろそろ鍋もいい頃になってきたのぅ。


「・・・、・・・」


ふむ銀杏とVRの相性はいいのか。


「・・クさん、ロックさん」


なんじゃいまだ時間にもなってないじゃろ。


「どうした?」


「今8回目何ですが、イースン選手は長考しております。どういう意図なのかと思いまして」


なんじゃ下らん。


「そんなことか、時間稼ぎしてるだけじゃよ。80分程度になるとパズル要素が使えなくなるからな」


「緊張ではないと」


「あいつは、社長なんじゃろ。あれぐらいのプレッシャーで潰れるようなら会社も潰れとると」


そうして、本をめくり直す。次に呼ばれたのは、ちゃんと終わった後だった。


「それじゃあ、これからは静かにお願いな」


「はい」


なんじゃこの程度でへこたれるのか。脆いのぉ。


「さて、相手の作戦会議だが。スカイアースの方はまぁ時間潰し作戦じゃな。人数を割かせて逃げ切る算段じゃな」


「ほぅ、しかし運が悪いと全部とられる可能性があるんではないですか?」


「こういうのはな、難易度を分けた瞬間クリアできるかどうか決めるものよ」


「といいますと?」


「最大難易度はクリアできない。次のは全員いればなんとかできる。後は簡単なものを一個混ぜて。人数制限をする。簡単なものに釣られたら他はクリアできないので。結果少しの損害でするすんぽうよ」


おぉー、アナウンサーは頷く。


「なるほど、あの短期間にそんなことを」


「アホか、この程度のことを想定しているに決まっているじゃろ。それよりも相手チームじゃ」


あの優男・・・【わざとなにも手にはいらないよう誘導してるな】


「GMの策略にまんまと嵌まってますね」


「ふむ」


「ロックさんどうかしましたか?」


狙いはタイマンか、まぁあやつの性格を考えれば受ける可能性は高いし。糞試合は確定だし。権限はわしにあるから少し負けとくか。


「追加試合のご案内じゃ。ここにいるメンバーなら7割オフの30万でいいぞ」


周りはざわめくがアナウンサーは顔をひきつっている。


「あのーロックさん。追加試合というのはなにかそんな連絡があったのでしょうか?」


「まぁ、スカイアースが意図を読めばそうなるじゃろう。おっついでにいまから賭けも行うぞ。倍率は・・・1.8倍くらいでいいか。まぁスカイアースが鉄板だな 」


さらにざわつきが大きくなる。


「えー、少々お待ち下さい」


「なんじゃい、もう見所なんて殆どないじゃろ」


「ちょっと、いったいなんなんですが」


物分りの悪い奴じゃのぅ。


「あの優男、イースンといったか」


「ロックさんのお勧めですね」


「あやつ、口実作りに【何も手に入れないように調整したぞ】」


その言葉に会場のざわめきがヒートアップする。


「この面子はそれを如実に表している。そもそも最高難易度なんて、クリアできるわけないだろ。少なくとも話題に上がってたはずじゃ」


「確かにあがりましたね」


「それを否定したのは」


「・・・イースン選手ですね」


まぁ、わしも聞いてたから知ってるけどな。


「とういか、あやつが最低難易度に行く理由等、妨害以外ありえんじゃろ」


「ですが、他の可能性。例えば最低難易度が最大難易度とかは?」


「お前は運の要素があるゲームを最低難易度と言えるのか」


「・・・」


おっと、言い過ぎたか。


「まぁ見所は数箇所はあると思うし、それなりのにはなるんじゃないか。そうきにするな、悪いのは悪い賭けに出たあやつじゃ。ほら、見所その1がみれるぞ」


「おぉ、助っ人1が宝箱に切りかかっております、これは」


「ふむ本来は鍵がないと絶対に開かないんじゃがな。助っ人はシステムエラー起せるのが最低条件じゃからな」


「おぉ、システムエラーとはなんですか」


「特殊な条件でシステムがオーバーフローして本来起こりえない事が起こる例えばあれなら」


宝箱にヒビが入り。そして壊れる。


「あぁやって鍵無しでも無理やり取れるようになる」


「おぉ、ではもしかして」


まぁそんな簡単な仕掛けじゃないだろう。


「まぁ特殊条件化以外は端金を渡すシステムなんだろう。正式な方法は100%、それ以外は1%宝箱には5割入ってるし規定は守ってるな」


「そんなのありですか」


「ありじゃ、それと何の為の【スパイ機能】じゃ。当然それを含めたシステムじゃ」


「スパイ機能?そんな機能ありましたっけ?」


少しは頭を使う記者を呼んでくれんかの。


「救援システムってあるじゃろ」


「ありますね」


「あれに相手陣営を投げ込んで妨害活動をする」


「・・・それに何の意味が?赤字にですよね」


こいつらこのゲームをどう遊んでるんじゃ。


「馬鹿か金はパトロンが払うに決まってるじゃろ」


「パト・・ロン?」


「お主らまさか、【投資】してなにのか、掛け金の0.3投資は当たり前じゃぞこのゲーム。【それで調整とっているんだからな】」


「その話詳しく」


「はぁ、お主は」


このイベントが始まって数日以上たっているというのにまだ遊び方を定着させてないのか。


「このゲーム、コストに見合わない重いアイテムや良くわからないアイテムあるじゃろ」


「ありますね」


「あれらはな【こっち側で購入する分には値引きして販売されてるんじゃ】そうすると妨害アイテムやパワーアップアイテムが手に入るじゃろ」


「でも伝えられないじゃないですか?」


わかっとらんの。


「その為のパドロンじゃ。【同じプレーヤーに何回も同じ位置に同じものを置く】プレイヤーが気づけば儲けもんじゃ。後は高レートに行ったら【掛け金を上げて回収する】プレイヤーもそれがわかってるから。低レートで負けこんでとか高レートに行く等の勝敗を操作していく。そうやって【プラスを維持するのがこのイベントの肝じゃ】ワシはもう1人300万に到達させたぞ」


「しかし、そんなの履歴を見れば・・・」


「買うのか?わざわざ負けこんで高レートに来たような相手の情報を?わしは買わんな金の無駄じゃ」


周りがざわつくということは、この情報には価値はあったということか。


「ちなみに0.3倍なのは?」


「ここから投資額が異常に値上がりするんじゃよ。ここで止まれないとどの道買っても負けじゃ」


「なるほど」


「ほら、ループに入ったぞ。もう見所のないじゃろう。他に何か質問あるか」


「えーそれでは何か質問のある方挙手をお願いします」


「イベントの内容のみしか話さんぞわしは」


それでも、会場いっぱいから手が上がる。


「やれやれどうやら、後は質疑応答の時間になりそうじゃな」



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