コネクト  創造する世界

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雑話 金剛グループ

「そういえば、まだ自己紹介してなかったな。わしは金剛の元白及び最高責任者の金剛羅漢こんごうらかんだ」


「名前だけは知ってる」


というか、白とか黒ってなんだ。


「そして、現白の金剛涅槃こんごうねはんだ」


「貴方紹介されるのは癪に障りますがね。あぁ空海君はよろしく」


「まず、白や黒について教えてください」


それを聞かないと話がわからなくなる。


きっ、と涅槃は羅漢を睨みつけ。


「何も教えなかったんですか?」


「請われてもないからな」


「教えなきゃ、一般人はわかりませんよ」


「ふんこやつが一般人なわけあるか、現に突破してるではないか」


「貴方はそう『とりあえず、先に説明してくれません?』」


ここで止めないとまた話が進まなくなる。


「あぁ、すまない。白っていうのは法務や経理。その他慈善業務を行う場所だ」


・・・嘘だろ。


「君が驚愕するのも無理はない彼から、慈善など考えも使えないだろう」


「元は黒だからな私は、黒は雑用とクレーム対応、後は後ろめたいこともここじゃ」


後ろめたいことねぇ。


「彼、羅漢は黒から白に上がる実力を持っていた。そう才能だけはあった」


「白は財閥だからな、私みたいな庶民にはきつかった」


「周りの奴らを蹴落として堂々とたったからな」


「ふん、潰れる、蹴落とされる隙があるのが悪い。だいたいお前らのそれは陰湿なんじゃ女子か」


「上に立つものは色々と準備しなきゃいけないことがあるんですよ」


あぁ、またか。


「ふん、準備に時間をかけすぎるから掻っ攫われるんじゃ」


「散々痛い目に合う人が言うと心に響きますね」


「いうじゃ『んで、その財閥と庶民ってのは?』」


面倒になってきたぞ。


「ちっ、いったん説明に戻ろうか」


「えぇ、白と黒なのですが。単純に業務上、【高級】と【低級】にわかれます」


「無論、白が高級。黒が低級じゃ。またこれは他の部署にもいえる」


「現在は、白は飲食と服飾、黒は医療ですが」


「こっちはもう限界かもね」


確か、彼は豚・・・ではなく馬食だったか。


「まぁ、本社がこの国な以上高級は無理があるからね」


あぁ、現行のサービス過剰主義か。


「お察しします」


TVは庶民の味方といい、高級な料理は取り上げず笑いものにし。庶民でも手に届く中級をピックアップする。


だいたい、高級な料理は高級な料理を食べてきた人用の物であって庶民から見れば変わらない。


旨いものは旨いのだ。繊細なものよりもわかりやすいもの方が好まれる。だから絶対数の少ない人員用のしかも高級なものなんて、庶民から見たら贅沢の象徴。笑いものにするか、妬むかそうするしかない。


その上、自分達も同じ領域にたちたいと思い。値段は払えないからサービスを要求する。結果が過剰サービスだ、またこの国の奉仕精神というか、言い方を悪くすれば【奴隷気質】の性もあってそれを昇華させて現代も維持し続ける。


「あぁ、だから・・・空海には期待している」


「料理教室ですか」


「個人で言えば、その1つのシステムで金剛の価値があると考えているよ」


「なんじゃ、偉いかってるじゃないか」


そこまで言うとなると・・・


「相当集客率は減っているのですか」


「うん、正直海外オンリーにすることも考えたけど。君のおかげでもう少し踏みとどまろうとするよ」


「なんだ、ひょっとしてまた裏があったのか」


裏というレベルではないけどな。


「単純に集客の問題ですよ」


「高級料理を食べる【若い客】が減っている」


「なんじゃ、それは当然の成り行きだろ。そもそも【若い者】に食わすものではないからな」


そこが問題なんだよ。


「【若い者】が食べない。つまり、【若い者の舌が育たないんですよ】」


「育てないということはわからないということ。高級料理とは大半は繊細さを重視している。そんな中、四、五十の庶民の味になれた人が来たところで味がわかるわけないんだよ。だから【子供のうち】に何度か食べさせてなきゃいけない。子供の時に印象づければ舌が肥える。そうするとうちにも一定層流れてくれてる」


「じゃあ結局・・・まて」


いつもの思考が始まる。


「上を連れて行く、いや違う。友達でもなければ」


今回は簡単なのですぐに行き着くだろう。


「クク、そうか。そういうことか」


「回答をどうぞ」


一同が羅漢に注目する。いつもの決まった光景だ。


「【記念】まで昇華させる。それが答えだ。一般家庭なら【ただの旨い】で終わるかもしれないが、【食えない料理が食べられるようになるのなら】話は別だ、感謝するだろうな【給料を引っさげてくる男】は当然渡しているんだろ」


「勿論【特別な招待券は渡していますよ】一定層にはね」


「なるほど、当然それは生まれて来た子も連れて行くだろうな。【怖さが知ってるからこそ過剰になるはずだ】」


「そうつまるところ」


「長期的に見れば、【一定層が贔屓してくれるかもしれない】勿論、うちの部署は【少数精鋭に移行する】ほんとは全て海外展開にするつもりだったけど」


「小僧、いや空海の機転で残すことにしたと」


馬食の熱弁は続く。


「正直、食においてこの国は重要なんだ【既存の料理を魔改造する】0から1はできないが、1から10にするのは得意なこの国はね。他国の料理をここで昇華すればほぼ何処に行っても通用するもなる。カレーとかソースとか醤油とか酢とかね」


「しかし、高級料理の部分が消えれば」


「当然、降ろす場所もなくなる」


「売れる場所は無くなれば、質は落ち、大量生産に移る」


「そうすれば、高級品はますます高騰しいつかは一般人が食えない領域に達する」


「食べられないということは知らないということだ、気質状知らないものは作れない。結果料理も廃れていき」


「高給取りは逃げ、低級のみが反映すると。なるほど、この予想は」


「ほぼ間違いなく、それも10年程度で行われていく。少なくとも【自国料理】は淘汰されるだろう」


「周りのイメージが【低級料理】のイメージになるか」


「まぁ、例えそうだとしても。今回の空海のおかげで一定層は残りそうだ。わかるか【0を1にしたんだ】これに関しては僕は賛辞しか送らないね」


どうやら、馬食というか食品関係からは相当高い評価を貰っているようだ。


「じゃあ、今度はこっちね」


バンクな女性が今度の相手か、


「黒と私は今回はパスしますよ【まだ出番はなさそうですし】」


「つまり、私の追及で終わりよ、よかったわね」


表情は笑ってるけど、目が笑ってないんだよな。


「聞きたいことわかる」


「聞いてみないとわかりませんね」


「はは、じゃあ率直に【今回の騒動、どう落とし前つけるの】」


落とし前ってことはあれか。


「わかってるわよね、【偽者がでよう】が【裏取引】されようが問題じゃないのよ」


「【盗まれる】いや【コピー】されるのが問題なんですよね」


「そう、【盗むほど価値が高い】はいいけど盗まれたら意味がないのよ【持ってる人が盗品扱い】されたらその時点で価値は暴落するわ。流石にわかるわよね」


偽者は偽者とわかるので本物の勝ちを上げる、裏取引も数は変わってないから問題ない。しかし、盗まれたり、コピーされて数が増やされると。周囲に高級ではなく盗品というイメージが着く。つまり高級ではなくかと言って低級でもなく【中級】といった中途半端な状態になってしまう。


「初めからそれ狙いなら、歯全部抜いて顔面ボコボコにするぐらいで許してあげるけど」


まぁ、価値を下げたら当然そうなる。【現実にもあるものだから影響がでてしまう】服飾関係や飲食関係はこの【イメージ】が大事だ。


安いイメージ、悪いイメージ、そういうものがついてしまえば一瞬にして高級の価値は暴落する。


前日までは1万だったのがものが次の日には5千円、週末には千円叩き売り等、たまにあることだ。


「で、どうなのそこらへんは」


「当然、用意してます。いやむしろそれに関しては」


「なんだい」


「【余りにもエグイやりかたなんで加減するか悩んでいるですが】恐らくこれが【最大のイメージダウン】です。それくらい徹底的に潰します」


「ふーん」


はっきり言えば、やったらやりすぎだと言われるだろう。しかし恐らくとまれはしない。


「この件に関しては【私と黒】も動くけど」


「【黒は必須】です。貴方『伽梨ぎゃり、呼ぶときはギャリーで』ではギャリーさんは足りなかったら出てください」


「えらく自信あるわね」


「何世帯、いや何十世帯かは家庭崩壊させますから」


その言葉の後一瞬強張ったが、


「期待してるわよ」


「刻んであげますよ、盗品の恐ろしさ、いや【コネクトの恐ろしさよ】」


さて、そろそろ頃合か。


「では承認も終えた所で、帰りますよ。【仕込まなきゃいけないので】」


「クク、では。金剛諸君」


羅漢が一例をし。


「宴を楽しみに待っておれ。今回は激しくなるぞ」


そういい、空中会議の席を離れた。

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