コネクト 創造する世界
仮想と現実 3日目 過程と結果
1周目
1日目、違和感に気づき。ゲームの本質に触れる。
2日目、1日目の結果、裏モードに突入あまりにもずさんなゲームに怒り、破壊してクリアする。
2周目
1日目、1周目の結果から因縁のある敵を倒す。その後に現れたらキャリーとゲームを行い惨敗。その後戦闘に入ったので完勝。
2日目、1日目の結果、キャリーの遊びに誘われたので。遊べないように対応。その後、キャリーにより時間軸がずらされた場所に移され。静観、
帰り先で元同期に会い、馬鹿な上司により戦闘、殲滅。その結果さらに上がきたが。過程を録画されており、奪取もしくは破棄をするため、仮初めの戦闘を行い。時間が来たので脱出。理由はわからないが何故か撃たれて残骸の集まる夢島へ移動。
記憶を修復し、人格を調整し。必要な記憶を思いだし生還。
1日目の結果、2日目へ。
1周目の結果。2週目へ。
日を跨ぐごとに、規模が上がっていく。昨日なんて最悪だ。軍まで出てきてるし。まぁその結果、置いてきたものも拾えたわけだが。
「さて、どうするんだ。女王様は使えないぞ、俺部署違うし」
元同期が冗談のまじりに聞いてくる。
「納得させればいいんだろう。ならそいつらをVRに入れて殴りあえばわかるんじゃないの」
視線はいまだに現状に納得していない二人にいく。片方は自分を撃った奴、もう片方は俺をボコった奴。どちらも平常を保とうとしてるが保てていない。自分の一挙一動に注視し、警戒する。
「だ、そうだが……どうするんだ。まぁ、片方は首輪付きは免れないんだが、いや【再構成】か」
ビクッと、片方が震える。
「【再構成】ってなんだっけ?」
何処かで聞いた気がするが余り覚えていない。
「あれだあれ、重犯罪者対策の」
「あぁ、あれか死刑制度復活の」
1度、この国も死刑制度が廃止になったときがあった。その時に採用されたのが【再構成】制度だった。
端的に言えば、記憶を消して。独房で一から学ばせて、そして新たな人生として更生する。
「これで新たに人生を歩む」ここらへんが人権団体の最も力があった時代だな。まぁ結果は試行1年で、殺人犯罪が10倍。1年以内の再犯率6割、主な再犯理由として、周囲の目が耐えられなくこれなら、もう一回重罪を犯して再構成してた方がましだ。という考えからより重度の犯罪を起す。
死なないならといって犯罪が増える。何も変哲の無い状態で戻ってきた犯人が許せない。特に前者は小、中の重犯罪者を大量に増やす原因となった。いじめはより陰湿に、権力者はより権威をふるい。報復はより残酷になった。結果発端となった団体やその他もろもろの胡散臭い団体は、民衆と政治に処罰され。死刑制度復活の第一に裁かれたのも、再構成を提唱した団体の会長だった。
まぁ、こうして戻った死刑制度は前よりは過酷となり。犯罪者は、最初よりも多少は減ったのだが、当然再構成に使用した機材は全て軍部に保管してあり。今でも権力者の奴らが使ってるらしい。また軍でもスパイや機密情報を知った人物に再構成処置をさせるらしく、今回もまぁそんな感じなのだろう。
「ちなみに個人的に聞きたいんだが」
「なんだ」
「【消す前の記憶ってどうしてるんだ】」
その問いにはニコっと笑い返すだけだった。
間違えなく保管して使ってるな。これ多分いや最悪……
「あぁ、わかった。これで事件が起きたら、高いのおごれよ」
「やっぱり……なりそう?」
先程同様笑っているが、若干顔が強張ってる。
「まぁ、もうなってると思うぞ。データは間違いなく抜かれている。俺ならそうする」
「データどうやって」
「んなもん、【再構成】した奴にぶち込んで回収すればいいだろ。再構成した人物調べて見たら、多分なんかやってると思うぞ」
記憶消して、やばそうな奴の記憶を移して、捕縛し記憶を抽出、後は適当に破棄かな。すんだ後に再度記憶入れてもいいし、廃人のままにするのも良い。
「まぁ、あったところで根本がある限り対策したところで量が減るぐらいだと思うけどな。使い道がありすぎるし」
別に再構成なんてしなくても、重罪人の記憶なんてぶちこめば。善人は罪の意識で恐らく重度の精神障害が見えるし、悪人なら記憶からより凶悪な犯罪に、恨み辛みは発散させようとするし、苛めなどはより陰湿になるだろう。
多かれ少なかれ、記憶を付与されたら何らかの影響が出てしまう。自分だって、色々ぶちこまれてるから多かれ少なかれ昔とは変わっていると思う。
「それ、だいぶまずそうに聞こえるんだけど」
「……むしろ大丈夫に見えるのか」
「とりあえず帰ったら話しとくわ」
んー……
「俺の勘だが、先にあいつに連絡入れておいた方がいいぞ……」
昔の記憶から懐かしの回線を伝える。
「多分○Δで回線開けば即対応すると思うから。今すぐそれかけな」
……言われた通りの回線で菊地が連絡をかける。
「えっ、この回線何処で知ったって。そりゃここにアイツが……、あぁ、あぁ」
通信機を渡される。
「内容は伝えた?」
「聞いたからどうかわからないけどな」
そうか。なら……
渡された通信機を即切って、菊地に返す。
「はいよ」
「いいのかそれで」
「重要性とか色々含めると、即切りが一番早い伝達方法か」
「……そうか」
……?これよくやる方法なんだけどな。
「たまにやってたはずだが?」
「いや、お前に常識を求めたが悪かった」
解せんがまぁ、理解があるならよしとしよう。
「話が逸れたが結局。この状況どうするんだ、周りの空気も悪いぞ」
よくよく考えれば機密情報を堂々と話してるわけなんだが。
「まぁ、それについては多分お話があるはずだから。主導権はこっちに戻ったわけだしな」
あぁ、データ丸ごと消したからまた主導権を取り戻したのか。にしては表情は強張ってないが。
「後はこっちでなんとかできる。……それでだが」
一応、隊員に銃を向けさせ。
「こいつら、どうするんだ?ぶっちゃけこちらとしては再構成何てしないでそのまま処分したいんだが」
銃口は二人に向けられている。片方はキャリー(偽名)と、俺を撃った軍人だ。
「まぁ、片方はおとがめなしだろう。あれは自己防衛だろ。もう片方はそれこそ知らん。そっちで何とかしろ」
というか、どちらも知らんし、こっちに降られても困るんだが。
「一応、君の口から提言があれば、裁かれなくてすむんだが」
「……刑が軽くなると思ってるの?」
殺そうとした人の罪を?わざわざ軽く?どこの聖人だ自分は。
「いや、お前ならやりかねないなって」
えっ、うーん。
「さすがの俺もそこまで残虐な事はしないよ」
「今なに考えた?」
そりゃあ、NPCとの戦闘で【永久に戦闘を終わらせられない】システムに入れようとしたんだが、まぁ言わなくていいだろう。
「聞きたい?」
「……いや、止めとく。録なことになりそうじゃないからな」
「そうか、それなら……『なら、提案があるわ』」
ここできたか。さて、どうする。どうでる。どう切り抜ける。
暫くの沈黙の後、菊池が返答を返す。
「あ~、悪いことは言わない。大人しくしてろ。現状わかってるんだろう」
「えぇ、現状かなり私達の悪い方向に進んでるわね。保険は壊され、態度は最悪。交渉は難しく。運が悪いとそのままパァンかしら」
手を銃に見立て、自分の頭に打ち込むまねをする。現に隊員は銃を携帯しており。やろうと思えばジェスチャー通りのこともやることは可能だろう。
「わかっているなら『それで』」
動作をかえ、こちらを見る。
「提案は受けてくれるのかしら?」
「話は聞いてたんだよな」
「えぇ、状況は最悪。選択肢に死の可能性が追加しただけでしょ」
「可能性って……」
こちらに歩き。真っ直ぐこちらに顔を向ける。
「そこで銃が出せない時点で脅しにはできないわ。出したところで職権乱用……隊長さんと同じことをやるのかしら」
「いうねぇ。まぁ」
携帯の銃を構える。
「そっちも公務執行妨害で裁かれてもおかしくはないことは気づいてるよな」
銃を取り出し照準を合わせる。
「あらあら、出すのが遅いわよ」
視線を菊池に変え歩き出す。
「動くな」
「嫌よ」
歩いて、銃口のほうに向かう。ポケットの中に手を入れ、何かを持ってるような素振りをする。
「撃てるかしら。自分の人生を天秤にかけられるかしら。私はかけられるわ」
「動くな、それと手をあげろ」
トリガーに指をつける。少女は気にせずポケットに手を入れ歩き出す。
「狙うなら心臓をお願いするわ。顔は女ですもの。傷はつけたくないわ」
「最終警告だ止まれ。そして手をあげろ」
「繰り返し言うわ。嫌よ」
「そうか」
パァンと音がなり火薬の臭いがする。キャリーは倒れこむ。血は出てない。
すかさず二発目を叩き込もうとするがそれは止める。
「何のつもりだ」
「菊池、お前の負けだ」
「負けだぁ?」
「そうお前の負け【現実を蔑ろにしすぎだ】」
まぁ、肝っ玉は座ってるとは思ったが。ここまでとはな。
「行動は問題はない。罰も恐らく無いだろう。しかし【交渉の材料は作ってしまった】」
「交渉?」
「そう、交渉だ。撃った時点で交渉につかないといけない。【弾と証言はあっちにある】ついでに情報も秘匿にしすぎた」
データの破壊、軍の介入。そこまでなら、まぁなんとかなるしかし……
「……あ~、まさかと思うが捏造される?」
「問題視はされなかった。【俺と金剛が居なかったらな】」
「秘匿を逆に利用されるわけか」
一芝居売ったのもこちら。軍とも繋がりがあるが。【そこは公開できない】
データの破壊。証明はできないが【反証もできない】
しかし何かしらがあったことは証明できる。【弾痕がある】後恐らく、レコーダーも持ってる。
誰が撃たれたかは証明できる、しかし【誰を撃とうとしたかは証明できない】
誰を狙ったかは証明できない。【周りは全て関係者しかいない】信用に値しない。撃たれたものを除き。
「まぁ、心臓狙ってくれてよかったわ、足とか腕だと痛みで碌に喋ることもできなかったから」
倒れこんだキャリーは、起き上がり。撃たれた場所をさすりながら。
「さて、これで交渉の席につけるわけだけど。どうするの?私は別にこのままでもいいんだけど」
先程同様、ポケットの中に手を突っ込み。香水をだす。
「それをポケットに戻せ」
「戻すと思う?……まぁ戻すけどね」
ポケットに香水をしまう。
「それで、どうするの?今なら証拠を隠滅もできるわ」
「それは何時でもできるだろ」
「そうかしら?私はともかく、【あの二人の護衛はこの状況をほっとくほど無能なのかしら?】特に片方は【丸一日出てないのよね】さらに【軍が入ってきて発砲音がした】さぁ、何時まで表は止められるかしら?」
あぁ、そうくるか。だとしたら……どうするのが良い。
軍の味方として外に出るか?それとも金剛の味方として護衛を通すか?
数分の沈黙が流れる。
「沈黙は金というけど、時は金なりともいうわ。ちなみに私は【ここを逃せばテーブルには着かないわ】」
さぁ、どうする。時間はこちらの味方だ。そう態度が示してる。
はぁ、とため息をつき。銃を投げ捨てテーブルに座る。
「あら、投げちゃっていいの?」
「どの道、もう逃れられないんだそれでいい」
勿論、銃は軍は拾わない。見向きもしないかれらを他所に関係者が銃を触ろうとして。
「それ、罪の擦りつけが目的だから、擦りつけられたくなければ触らないほうがいいわよ」
それでも手袋をしてればと、関係者が拾い。
パシャっとシャッター音が鳴る。
「スケープゴート確定ね、以降何しても罪が増えるわよ」
慌てて銃を離すが今更離しても遅い。信頼性の高いものなのだろう【改竄等の不正ができないぐらいに】
「さて、こっちも保険はかけれたことだし、話を聞こうか。何がしたい」
さて、危ない橋を渡り、ここまで持ってきた彼女は何を求めるのだろう。
「【全てを出すわ】さっき手に入れた弾痕。隠しファイル。実験データ。被検体データ。作成データ。彼のが起した現象のログデータ。断れば破棄するわ。あぁ後」
投げ捨てた銃を手に取り。自分の持っているタブレットに向け。
「壊れたデータをゲームに投げるわ。運が悪いと面白いことになるけど。それでもやらない」
「まずは内容を言ってくれないとわからないな」
「あぁ」
こつんと手を叩き。
「自己完結してて、伝達を忘れてたわ」
その行動は歪に見えた。こちらに伝えるためだけの動作。自分が必要と思っていない動作。
伝える必要がないのか。伝える意味がないのか。そんなことはわからないが少なくとも彼女は自己完結で勝手に動く人間だろう。自分から、協調性を薄めた感じだ。
「それで、何をするんだ」
「えぇ、そうかしこまらなくてもいい……ですわ。ただ今までやっていたゲームをやってもらうだ・・けですわ」
「演技も面倒だろ、それともこっちが本物」
首を三回転ぐらい回し。
「そうですわね。証言としてはこちらの方が心象がよろしいですから。うーん」
肩を伸ばし、一息ついた後。
「それで、やってくれるのかい」
「まぁ、いいですけど」
「……」
ん、反応が無いな。
「どうしましたか?」
「あなたにとってはそれが本当なのですか?」
「……どっちも、本物ですよ。私はね」
そういい、カプセルに入り。ゲームの準備を行った。 
1日目、違和感に気づき。ゲームの本質に触れる。
2日目、1日目の結果、裏モードに突入あまりにもずさんなゲームに怒り、破壊してクリアする。
2周目
1日目、1周目の結果から因縁のある敵を倒す。その後に現れたらキャリーとゲームを行い惨敗。その後戦闘に入ったので完勝。
2日目、1日目の結果、キャリーの遊びに誘われたので。遊べないように対応。その後、キャリーにより時間軸がずらされた場所に移され。静観、
帰り先で元同期に会い、馬鹿な上司により戦闘、殲滅。その結果さらに上がきたが。過程を録画されており、奪取もしくは破棄をするため、仮初めの戦闘を行い。時間が来たので脱出。理由はわからないが何故か撃たれて残骸の集まる夢島へ移動。
記憶を修復し、人格を調整し。必要な記憶を思いだし生還。
1日目の結果、2日目へ。
1周目の結果。2週目へ。
日を跨ぐごとに、規模が上がっていく。昨日なんて最悪だ。軍まで出てきてるし。まぁその結果、置いてきたものも拾えたわけだが。
「さて、どうするんだ。女王様は使えないぞ、俺部署違うし」
元同期が冗談のまじりに聞いてくる。
「納得させればいいんだろう。ならそいつらをVRに入れて殴りあえばわかるんじゃないの」
視線はいまだに現状に納得していない二人にいく。片方は自分を撃った奴、もう片方は俺をボコった奴。どちらも平常を保とうとしてるが保てていない。自分の一挙一動に注視し、警戒する。
「だ、そうだが……どうするんだ。まぁ、片方は首輪付きは免れないんだが、いや【再構成】か」
ビクッと、片方が震える。
「【再構成】ってなんだっけ?」
何処かで聞いた気がするが余り覚えていない。
「あれだあれ、重犯罪者対策の」
「あぁ、あれか死刑制度復活の」
1度、この国も死刑制度が廃止になったときがあった。その時に採用されたのが【再構成】制度だった。
端的に言えば、記憶を消して。独房で一から学ばせて、そして新たな人生として更生する。
「これで新たに人生を歩む」ここらへんが人権団体の最も力があった時代だな。まぁ結果は試行1年で、殺人犯罪が10倍。1年以内の再犯率6割、主な再犯理由として、周囲の目が耐えられなくこれなら、もう一回重罪を犯して再構成してた方がましだ。という考えからより重度の犯罪を起す。
死なないならといって犯罪が増える。何も変哲の無い状態で戻ってきた犯人が許せない。特に前者は小、中の重犯罪者を大量に増やす原因となった。いじめはより陰湿に、権力者はより権威をふるい。報復はより残酷になった。結果発端となった団体やその他もろもろの胡散臭い団体は、民衆と政治に処罰され。死刑制度復活の第一に裁かれたのも、再構成を提唱した団体の会長だった。
まぁ、こうして戻った死刑制度は前よりは過酷となり。犯罪者は、最初よりも多少は減ったのだが、当然再構成に使用した機材は全て軍部に保管してあり。今でも権力者の奴らが使ってるらしい。また軍でもスパイや機密情報を知った人物に再構成処置をさせるらしく、今回もまぁそんな感じなのだろう。
「ちなみに個人的に聞きたいんだが」
「なんだ」
「【消す前の記憶ってどうしてるんだ】」
その問いにはニコっと笑い返すだけだった。
間違えなく保管して使ってるな。これ多分いや最悪……
「あぁ、わかった。これで事件が起きたら、高いのおごれよ」
「やっぱり……なりそう?」
先程同様笑っているが、若干顔が強張ってる。
「まぁ、もうなってると思うぞ。データは間違いなく抜かれている。俺ならそうする」
「データどうやって」
「んなもん、【再構成】した奴にぶち込んで回収すればいいだろ。再構成した人物調べて見たら、多分なんかやってると思うぞ」
記憶消して、やばそうな奴の記憶を移して、捕縛し記憶を抽出、後は適当に破棄かな。すんだ後に再度記憶入れてもいいし、廃人のままにするのも良い。
「まぁ、あったところで根本がある限り対策したところで量が減るぐらいだと思うけどな。使い道がありすぎるし」
別に再構成なんてしなくても、重罪人の記憶なんてぶちこめば。善人は罪の意識で恐らく重度の精神障害が見えるし、悪人なら記憶からより凶悪な犯罪に、恨み辛みは発散させようとするし、苛めなどはより陰湿になるだろう。
多かれ少なかれ、記憶を付与されたら何らかの影響が出てしまう。自分だって、色々ぶちこまれてるから多かれ少なかれ昔とは変わっていると思う。
「それ、だいぶまずそうに聞こえるんだけど」
「……むしろ大丈夫に見えるのか」
「とりあえず帰ったら話しとくわ」
んー……
「俺の勘だが、先にあいつに連絡入れておいた方がいいぞ……」
昔の記憶から懐かしの回線を伝える。
「多分○Δで回線開けば即対応すると思うから。今すぐそれかけな」
……言われた通りの回線で菊地が連絡をかける。
「えっ、この回線何処で知ったって。そりゃここにアイツが……、あぁ、あぁ」
通信機を渡される。
「内容は伝えた?」
「聞いたからどうかわからないけどな」
そうか。なら……
渡された通信機を即切って、菊地に返す。
「はいよ」
「いいのかそれで」
「重要性とか色々含めると、即切りが一番早い伝達方法か」
「……そうか」
……?これよくやる方法なんだけどな。
「たまにやってたはずだが?」
「いや、お前に常識を求めたが悪かった」
解せんがまぁ、理解があるならよしとしよう。
「話が逸れたが結局。この状況どうするんだ、周りの空気も悪いぞ」
よくよく考えれば機密情報を堂々と話してるわけなんだが。
「まぁ、それについては多分お話があるはずだから。主導権はこっちに戻ったわけだしな」
あぁ、データ丸ごと消したからまた主導権を取り戻したのか。にしては表情は強張ってないが。
「後はこっちでなんとかできる。……それでだが」
一応、隊員に銃を向けさせ。
「こいつら、どうするんだ?ぶっちゃけこちらとしては再構成何てしないでそのまま処分したいんだが」
銃口は二人に向けられている。片方はキャリー(偽名)と、俺を撃った軍人だ。
「まぁ、片方はおとがめなしだろう。あれは自己防衛だろ。もう片方はそれこそ知らん。そっちで何とかしろ」
というか、どちらも知らんし、こっちに降られても困るんだが。
「一応、君の口から提言があれば、裁かれなくてすむんだが」
「……刑が軽くなると思ってるの?」
殺そうとした人の罪を?わざわざ軽く?どこの聖人だ自分は。
「いや、お前ならやりかねないなって」
えっ、うーん。
「さすがの俺もそこまで残虐な事はしないよ」
「今なに考えた?」
そりゃあ、NPCとの戦闘で【永久に戦闘を終わらせられない】システムに入れようとしたんだが、まぁ言わなくていいだろう。
「聞きたい?」
「……いや、止めとく。録なことになりそうじゃないからな」
「そうか、それなら……『なら、提案があるわ』」
ここできたか。さて、どうする。どうでる。どう切り抜ける。
暫くの沈黙の後、菊池が返答を返す。
「あ~、悪いことは言わない。大人しくしてろ。現状わかってるんだろう」
「えぇ、現状かなり私達の悪い方向に進んでるわね。保険は壊され、態度は最悪。交渉は難しく。運が悪いとそのままパァンかしら」
手を銃に見立て、自分の頭に打ち込むまねをする。現に隊員は銃を携帯しており。やろうと思えばジェスチャー通りのこともやることは可能だろう。
「わかっているなら『それで』」
動作をかえ、こちらを見る。
「提案は受けてくれるのかしら?」
「話は聞いてたんだよな」
「えぇ、状況は最悪。選択肢に死の可能性が追加しただけでしょ」
「可能性って……」
こちらに歩き。真っ直ぐこちらに顔を向ける。
「そこで銃が出せない時点で脅しにはできないわ。出したところで職権乱用……隊長さんと同じことをやるのかしら」
「いうねぇ。まぁ」
携帯の銃を構える。
「そっちも公務執行妨害で裁かれてもおかしくはないことは気づいてるよな」
銃を取り出し照準を合わせる。
「あらあら、出すのが遅いわよ」
視線を菊池に変え歩き出す。
「動くな」
「嫌よ」
歩いて、銃口のほうに向かう。ポケットの中に手を入れ、何かを持ってるような素振りをする。
「撃てるかしら。自分の人生を天秤にかけられるかしら。私はかけられるわ」
「動くな、それと手をあげろ」
トリガーに指をつける。少女は気にせずポケットに手を入れ歩き出す。
「狙うなら心臓をお願いするわ。顔は女ですもの。傷はつけたくないわ」
「最終警告だ止まれ。そして手をあげろ」
「繰り返し言うわ。嫌よ」
「そうか」
パァンと音がなり火薬の臭いがする。キャリーは倒れこむ。血は出てない。
すかさず二発目を叩き込もうとするがそれは止める。
「何のつもりだ」
「菊池、お前の負けだ」
「負けだぁ?」
「そうお前の負け【現実を蔑ろにしすぎだ】」
まぁ、肝っ玉は座ってるとは思ったが。ここまでとはな。
「行動は問題はない。罰も恐らく無いだろう。しかし【交渉の材料は作ってしまった】」
「交渉?」
「そう、交渉だ。撃った時点で交渉につかないといけない。【弾と証言はあっちにある】ついでに情報も秘匿にしすぎた」
データの破壊、軍の介入。そこまでなら、まぁなんとかなるしかし……
「……あ~、まさかと思うが捏造される?」
「問題視はされなかった。【俺と金剛が居なかったらな】」
「秘匿を逆に利用されるわけか」
一芝居売ったのもこちら。軍とも繋がりがあるが。【そこは公開できない】
データの破壊。証明はできないが【反証もできない】
しかし何かしらがあったことは証明できる。【弾痕がある】後恐らく、レコーダーも持ってる。
誰が撃たれたかは証明できる、しかし【誰を撃とうとしたかは証明できない】
誰を狙ったかは証明できない。【周りは全て関係者しかいない】信用に値しない。撃たれたものを除き。
「まぁ、心臓狙ってくれてよかったわ、足とか腕だと痛みで碌に喋ることもできなかったから」
倒れこんだキャリーは、起き上がり。撃たれた場所をさすりながら。
「さて、これで交渉の席につけるわけだけど。どうするの?私は別にこのままでもいいんだけど」
先程同様、ポケットの中に手を突っ込み。香水をだす。
「それをポケットに戻せ」
「戻すと思う?……まぁ戻すけどね」
ポケットに香水をしまう。
「それで、どうするの?今なら証拠を隠滅もできるわ」
「それは何時でもできるだろ」
「そうかしら?私はともかく、【あの二人の護衛はこの状況をほっとくほど無能なのかしら?】特に片方は【丸一日出てないのよね】さらに【軍が入ってきて発砲音がした】さぁ、何時まで表は止められるかしら?」
あぁ、そうくるか。だとしたら……どうするのが良い。
軍の味方として外に出るか?それとも金剛の味方として護衛を通すか?
数分の沈黙が流れる。
「沈黙は金というけど、時は金なりともいうわ。ちなみに私は【ここを逃せばテーブルには着かないわ】」
さぁ、どうする。時間はこちらの味方だ。そう態度が示してる。
はぁ、とため息をつき。銃を投げ捨てテーブルに座る。
「あら、投げちゃっていいの?」
「どの道、もう逃れられないんだそれでいい」
勿論、銃は軍は拾わない。見向きもしないかれらを他所に関係者が銃を触ろうとして。
「それ、罪の擦りつけが目的だから、擦りつけられたくなければ触らないほうがいいわよ」
それでも手袋をしてればと、関係者が拾い。
パシャっとシャッター音が鳴る。
「スケープゴート確定ね、以降何しても罪が増えるわよ」
慌てて銃を離すが今更離しても遅い。信頼性の高いものなのだろう【改竄等の不正ができないぐらいに】
「さて、こっちも保険はかけれたことだし、話を聞こうか。何がしたい」
さて、危ない橋を渡り、ここまで持ってきた彼女は何を求めるのだろう。
「【全てを出すわ】さっき手に入れた弾痕。隠しファイル。実験データ。被検体データ。作成データ。彼のが起した現象のログデータ。断れば破棄するわ。あぁ後」
投げ捨てた銃を手に取り。自分の持っているタブレットに向け。
「壊れたデータをゲームに投げるわ。運が悪いと面白いことになるけど。それでもやらない」
「まずは内容を言ってくれないとわからないな」
「あぁ」
こつんと手を叩き。
「自己完結してて、伝達を忘れてたわ」
その行動は歪に見えた。こちらに伝えるためだけの動作。自分が必要と思っていない動作。
伝える必要がないのか。伝える意味がないのか。そんなことはわからないが少なくとも彼女は自己完結で勝手に動く人間だろう。自分から、協調性を薄めた感じだ。
「それで、何をするんだ」
「えぇ、そうかしこまらなくてもいい……ですわ。ただ今までやっていたゲームをやってもらうだ・・けですわ」
「演技も面倒だろ、それともこっちが本物」
首を三回転ぐらい回し。
「そうですわね。証言としてはこちらの方が心象がよろしいですから。うーん」
肩を伸ばし、一息ついた後。
「それで、やってくれるのかい」
「まぁ、いいですけど」
「……」
ん、反応が無いな。
「どうしましたか?」
「あなたにとってはそれが本当なのですか?」
「……どっちも、本物ですよ。私はね」
そういい、カプセルに入り。ゲームの準備を行った。 
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