コネクト  創造する世界

AAA

仮想と現実 クリア者

「さて、本題に入ろうか。その前にチェックさせてもらうぞ」


三人のうちの一人、最後だからZとでもしよう。Zはこちらをまじまじと見て


「ん?」


首を傾げながら、「んー?」を繰り返した。


「んー?」


「悩んでるね」


「情報ないからね」


二つの顔を持つ、確かヤーヌス?と呼ばれる男は、ニヤニヤしながら、成り行きを見守っている。


「まだ、ですかね」


「あー、もうちょっとまて」


「珍しいね?簡単に査定できるんじゃなかったの?」


周囲の奴らは、この状況を笑いながら見ている。


「ウルセェ、もう少し待ってろ」


「待ったところで何も見つからないのにね」


「プライドが許さないんだろうね」


どうやら、特殊クリアすぎて原因が特定できないらしい。


「あの?要点だけいっていただけたら、教えますので」


「もう少し、もう少しでわかるから」


そんな、盛ってる人間みたいな事言われても。


「もういいでしょ、彼は僕がクリアさせたよ」


「いや、そんなの無理だろ。なんで終わりじゃなくて始まりで食われてるんだよ」


それしかないとわかりながら、その可能性があり得ないので脳が否定してるようだ。


「条件を満たしたからかな」


「率直に言って狂ってたよね」


AIからも、キワモノ扱いか……


「いや、私以上のキワモノなんて腐るほど居ますよ」


「神様と比べてる時点でおかしいんだけどね」


ヤーヌスはそう答える。その表情は嬉々としてる。このやりとり金剛を思い出すな。


「それで、僕たち3人が【クリア】とした人物のみ。挑戦権が無限にあるんだ。まぁ、1人1回しか与えられないから。君で最後だね」


「それが特典ってこと?」


「普通の周回特典もあるけどね。まぁ、これに比べたらささいなことだよなんと言っても何度でも挑戦できるんだから」


挑戦できることが特典か、


「挑戦しないものたちは?」


「いないよ、そんな人物は」


「そこのアートは?」


「なに、ただの反逆者さ」


失敗したものは罰当たりと見なされ。地獄にでも落とされる。そんな感じか。


「別にどうだっていいだろ、君には関係ないはずなんだから」


まぁ、確かに【関係ないな】


「それで、ゲームはどうなるんだ?」


また生存競争か、それともステージクリア式か、トーナメント形式もあり得そうだな。


「なに、今回はクリア方式だ。5日間でクリアできればいい。ステージは3つしかないんだ。簡単でしょ」


うーん、クリア方式だと【何個か抜け道あるんだよなぁ】


「違反項目は?」


「1日以上、同じステージにいるのは禁止。後は……【別にいいよ】何しても」


この時点で、抜け道が使えることが確定した。後はどれだけ酷いのにできるか。


「一応確認とるよ。【同ステージの滞在時間が1日を越えなければ】後は何してもいいんだな」


「別にいいよ、ただし【ステージには解放条件があるから、解放しないと先に進めないけどね】」


なるほど、何かをしない限り先に進めないと。そこは別に問題ないな。


「1日というのは、時計の時間ってことでいいな」


「……、いいよ。【体感時間で何時間たとうが】1日たってなかったら失格にならない」


さて、どうしよう。【抜け道がゴールまで続くぞこれ】


「……気がしねぇ」


「何?」


「【負ける気がしねぇな】温すぎる」


特典と合わせれば、……楽勝で勝てるな。


「言っておくけど、そう言ってきた連中は全員オブジェクトになったけど」


「その他大勢と比べるなよ。今もやってる連中が可愛そうだろ」


まぁ、最初は真面目にやるが、飽きたら、抜け道だなこれは


「はは、それもそうだね。まぁその表情が何時まで続くか期待しながら待ってるよ」


「一応確認するが、最後のステージクリアがクリア条件だよな」


「うん、そうだよ」


「クリアってのは、【スタート地点以外の場所からステージ外にでればいいんだよな】」


これすらできると、やりたい放題だな。


「まぁ、言い方は変だけどそれでいいよ。ただし【前のステージはクリアには認められないからね】」


……、さすがにここまで酷いと逆に怖くなってくるな。


オープンゲームでもここまで自由じゃないぞ。


「今の台詞は、全体での承認でいいんだよな」


「僕たちはそれでいいよ」


「……」


ヤーヌスの方はおりたが、もう一人は降りない。むしろ、ヤーヌスも降りないほうがいいぞ、酷いことになるぞ。


ヤーヌスに『やばいぞ』と目で合図を送るが、気づいてるか、気づいていないのか……多分気づいているんだろうな。ニコニコと笑いながらこちらを見ている。


「いやな感じはするが……。まぁいい。いい加減飽きてきたところだし。許可しよう」


「……、一応言っておきますけど。【酷いですよ】」


「わかった、わかった。じゃあいってらっっしゃい」


「……」


最初はまともに行こうと思ったが気が変わった。【ぶち壊す】


「そういえば、よかったの?まだ、挑戦中でしょ、他の二人」


「まぁ、ほんとにそうなればいいけどね」










……


つい先程までいた場所に戻ってくる。居るのは自分と……


「説明役?」


「話が早くてわかるよ。それで何を教えて欲しい」


「とりあえず、夜にしてくれません?さっさと召還しときたいので」


急速に時が流れる。先程まで日が昇ってると思いきや。今はもう日が沈み、夜になってる。


「ではチャチャっと呼びます」


指定した、召還物を呼ぶ。


「装備品ですかこれ?」


召還された物をみてヤーヌスが質問する。


「未来の装備品らしいな。体に侵食していき。最終的にはオリジナルの装備となる。意識を奪われるとただ周囲で暴れまわる平気となる」


「勿論、殆どは兵器なんですよね」


「兵器作成用なんだろ」


「まぁ、無理やり練度を上げるようらしいからな。意識があれば装備入らず。なければ兵器として相手陣地へ特攻。」


「えぐいことしますね」


まぁ、神様もそれなりのことやってるけどな。


「僕達は格が違いますんで」


「同種にはそこまでやらないぞ」


まぁそういうものだよな。


「さて、次にステージは何処にあるんですか」


「もういいのか」


「まぁやることないしな」


ヤーヌスの周囲に赤黒い渦が出てくる。


「じゃあ、行ってくる」


「ちなみにどれくらいで帰ってくる予定?」


その質問は少し悩む。


「どれくらいで帰って来て欲しいですか」


「1日がいいな」


「まぁ、クリアしてくれれば何日でもいいですよ」


1日か、調整しないときついかもな。


「まぁ要望に答えられるように頑張りますよ」


そういい、渦の中に入っていく。


「本当にクリアできますかね」


「案外すぐに帰ってくるかもな」



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