コネクト  創造する世界

AAA

仮想と現実 一日目 蟲毒

「広場には何事もなく着いた」


何事もなくついてしまった。……


「俺以外のアクティブは何処にいる」


日付が違う?タームが違う?それにしても少なすぎる。


「いまだ、NPCしか会っていないってことはどういうことだ」


考えていても、まとまらない。今はとりあえず、言われたとおり広場で……


「……」


何回かの操作を行い、しようを確かめる。


「……、ちっ」


ベンチに座り、状況を考える。


広場のあれは、【名前を記入する欄がある】この町にいる人物の状況を教えてくれるものらしいが。


肝心の名前がわからない。


「てっきり、PCの名前が載ってるかと思ったんだがなぁ」


何処から調べる……


「いったん病室に戻るか……ん」


病室……。其処か。


「ユーザーの情報は其処か」


病室のネームプレートそこで判断できるはずだ。後は……


名前表示にして周囲の情報を調べる。


「やはり、何にも【フィルターがかかっていない】」


下を見れば砂利のオブジェクトで埋め尽くされ、周囲は壁や木、草等で埋めつかされる。一つづつフィルターにかけていく、勿論【戦闘用】も同様にだ。後は広場の掲示板で再度検索をかける、今度はオブジェクトやNPCのPC以外だ。


「NPCは見える。オブジェクトは……」


ここでふと気づくことはあった。名称を見るために広場の周囲を確認したが、オブジェクトでも表記が違うのがある。ためしにそのオブジェクトを入力して見たら、場所とその反応があった。


「つまり、この掲示板は【ユニークがわかる】多分この考えであってる」


だとするならば、この【ユニークは覚えておく必要がある】


ゲームの都合上、こういうユニーク場所は【特定できるように設定してある】


広場のユニークオブジェクト、合わせベンチを情報に登録して、ある程度離れてから、合わせベンチへ追跡を行う。


予想通りに合わせベンチに走っていく。


「テレポーターを使う予定なら、町を今のうちに回っておく必要があるか……」


「……」


考える、恐らく初日は重要だ。情報として贄になることがわかっている以上。【今平和な内に情報を稼げるだけ稼いでおきたい】二日目以降……いやこの状態がいつまで続くかわからない。ならば……


「優先すべきは情報か」


いつも通り、単独行動で動くか。リスクはあるがそちらのほうが【後悔は少ない】


先にキャリーに会いに行き。そこからユニークを探していく。


深呼吸をし。モーションを開放する。普通に走るよりもこっちを使ったほうがはやい。


「さて、いくか」


走りながら、ユニーク情報を登録していく。


招き猫、幸運の浅瀬、導きの地蔵、村長宅、薬屋滋滋医じじい、そうして……


「【始まりの家】……か」


さて、結果として、ユニーク地点だったわけだが。彼女はまだいるのか。


チャイムを鳴らし、家主を呼ぶ。


どたどたを階段を下る音がし。


「どちらさまで」


ドアの隙間から、mepletメプレットというキャラクターが現れる。ここはどうするべきか。


「用がないなら、閉めますぜ。ここは危険ですからね」


「何故危険なんですか」


「あんたのような、理由もなくチャイムを鳴らすやからが増えてるのでね。おちおち外にも出らませんで」


理由もなく鳴らす?


「ひょっとして、私以外にも何人か鳴らしにきたんですか」


「えぇ、また他は全部ピンポンダッシュでしたけどね。全く用もなく鳴らすなっての」


【プレイヤーにフィルターがかかってる?】いやフィルターは初期の設定では全て開放したはずだ。つまり【開放条件がまた設定されている?】PCと会う専用のフィルター?……【何を隠してる?】


「それで、話は終わりですかい」


「いや、ここにきたのは【看護婦】を探しておりまして」


名前を言わないのは、設定のせいだ。存在はしてるが本当にいるかはまだわからない。


「それの名前は」


「キャリー……」


「残念ながらその看護『カリー、それにキャシー』」


その呼び名で、メプレットは動揺しているのがわかる。


少し見えてきた。恐らくこの町は平行世界で幾つものある。恐らくループもそういった関係なんだろう。その中で殆どは変わらないだろうが変わるものがある。それが看護師の名前だ。そしてその名前を知ってるこの男性は、この状態を体験したことがある。ならば言い方は


「久しぶり、いやここでは始めましてか。昔はどうだか知らないが今はヒックとしたらしいな」


「あんたは、いったい」


「なぁに、この道のプロさ今回はここでなにやら不穏な動きがあると聞いてね。聞き込みをしていた最中さ」


隙間から、男は見つめてくる。何もせずただ堂々とそれを見つめ返す。……数分後。


「入れ」


鍵を開け、入るように催促される。


「では失礼」


まずはドアの外側にたち、ドアを開ける。


ブルンと大きな音が聞こえる。どうやらバットか何かで殴ろうとしたらしい。


「では失礼するよ」


バットが空を切り。コンクリートを打って手を痺れさしている彼をよそに、家の中に入っていく。


「とりあえずリビングで寛がせてもらうよ」


「……」


メプレットと呼ばれる男は呆然としている。


「驚いてるところ悪いが、時間が殆どない。自分は【贄】に選ばれている」


「あんた、それをどうやって」


「看護師の相田っていう人物に頼んで、教えて貰った。ベテランの看護婦が邪魔してきたがなんとかなったな」


急須に茶葉を入れ、お茶をを出してもらった。


「相田か、全く無茶しやがって」


「多分何もわかってないと思うぞ、自分も状況が理解できてないしな」


「状況ねぇ。あんた【刻印】は?」


「【刻印】?そんなの印字されてるのか」


服を脱ぎ、確認して見るが印のようなものは見当たらない。


「逆に凄いなそれは、刻印無しの贄なんて」


「そんな凄いことなのか」


服を着ながら、質問をする。


「というか意味ないからな。刻印は【贄の証】だからな」


「刻印は何でもいいのか」


「いや、刻印にも種類がある。【贄には贄の刻印がある】」


「他の印はわかるか」


「残念だがわからないし手法も不明だ。ただ【贄の刻印があってもすぐ捧げられることはない】蟲毒のように殺し合いをさせ、贄としての価値を上げてから、捧げるらしい。最も贄としての価値のない奴もいるらしいが」


初期でも殺される可能性もあると。


「その蟲毒は何日位するんだ」


「?、確か三日のはずだが」


ループを考えれば、5日で1ループ。つまり最初のループは蟲毒に生き残り、【首謀者を見ることができるか】


「ありがとう。そのぐらいあれば後はなんとかなる。他に何か伝えたい事はあるか」


「いや……ない」


「そうか、じゃあな【違うループでまた会おう】」


そうやって、部屋を出て行く。


「待ってくれ」


後ろからメプレットの声が聞こえる。


「贄には正式な手順がある。忘れてはいけないことは、【最後は手を広げ大の字で食われる事だ】もしお前が最後まで残ったら。【手は広げろ】いいな【大の字だぞ】」


「了解大の字だな」


手を広げ、大の字のポーズを見せる。


「違うそうじゃない、腕の向きはこう」


「こうか」


ヒックに言われたとおり、大の字ポーズをする。


「そうだ殆どは載ってると思うが最後は【意図的になくなってることが多い】ちなみに【贄にも幾つかの方法】はあるが、最後が【大の字はどの方法でも確定だ】」


「そうか、教えてくれてありがとよ」


「なに、あんたならやってくれそうだと思っただけさ。……最後までいけよ」


「あぁ、なんとか残るさ」


そういい、始まりの家からでた。














歯車の音、タンタンタン、一つの音が鳴り響く場所にて、時を待ちわびているものが居る。
???「さて、あの贄は本当にたどり着くかな、願わくはたどり着いて楽しませてもらいたいものだ」
そういい後は、タンタンタンと音が鳴り響くだけだった。













コメント

コメントを書く

「SF」の人気作品

書籍化作品