コネクト  創造する世界

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正式版開始 祭りの後 報酬1

「さて、報酬の話をする前に、東藤さんちょっといいですか」


「なんだい、ボーイ。ミーとトークしたいのかい」


東藤さんとこの先の打ち合わせをする。最初は笑顔だった東藤さんも、途中からはサングラスをかけ仕事モードになる。


「オッケー、わかった。うちはそれに承諾する」


「ありがとうございます。それでは報酬の件に移らせていたただきましょう。コネクト社としては幾らを想定しておりますか? 」


「ふむ、報酬の件なんだけど、コネクト社としては一人あたり10万でどうだろう」


社長がそう提案する。まぁ通常なら妥当な金額だろう。しかし、今回は目的もあるし、何より張れる札がある。だから金額をあげる。こちらの目的を通すために。


「その金額は我々を馬鹿にしてるという認識でよろしいでしょうか」


「ちょっと待ってくれ。この金額は適正だと思う。何が問題なんだい」


林さんからのフォローが入る。まぁ顧問弁護士だし当然の結果だが、問題はない。


「【あなた方の適正】なんてどうでもいいんですよ。今回の報酬は規約にかかれていない、つまり【時価】の状態なんですよ。それを適正価格だといって値段を下げるのはいただけない」


「なら、君は幾らを望むんだ」


さて、ここからが正念場だ。まずは吹っ掛ける。そして【相手を降ろせない状況を作る】


「一人あたり、1000万。【現金】でお願いします。貴方の企業で使える電子マネーは許可しません」


「1000万だと随分吹っ掛けるじゃないか」


「……? 、なにをいってるんです【これでも手加減してるほうですよ】」


「さすがに話にならないな。その金額のままなら、僕は報酬を払えない」


「へぇ、100兆を捨てるのですか、随分と金持ちなんですね」


「何をいってるんだい君は」


呆れ顔を見せてる社長を他所に見る見るうちに青ざめていく、先程の東藤さんとの打ち合わせで【札】が見えたんだろう。


「スカイアース、質問していいかい」


「いいですよ」


信じたくないけど、恐らく絶対そうだけど。もしかしたら違うかもしれない。そんな気持ちなんだろうな。


「先程の東藤さんとの話はあれの話なのかい」


「えぇ、無事契約しましたよ」


ガックリと体を倒す林さん。まぁ当然だ。ことの内容が内容なだけに先程の話をハッタリに聞こえなくなる。


「社長……、払ってください。一人当たり1000万」


「君まで何を言ってるんだ」


「先手を打たれました、確実に我々の【失態】です」


「いったいなんなんだ、私達は何をおかした」


林さんが伝えることは酷すぎるので、こちらから伝えてあげましょう。


「社長、あなた【不正者】をどう対処しようとしましたか」


「それは……」


そこで、気づく。自分が【コネクト社の社長】が【ハッカーと八百長】しようとしていたことを。そしてその情報は【自社以外の広報にも伝わってるということ】を、オカルト社、社長の東藤氏にね。


顔がどんどん青ざめていく。初日に社長がハッカーと八百長をした。その証拠をオカルト社が持っている。証人も二人いるし、片方には【権力】もある。つまり、【ないことにはできない】するには、こっちの要求を認めなければならない。さて、会社の存亡がかかる致命傷になる傷か、現金の100億かどちらかを選べと言われたら。100億を選ぶだろう。少なくとも金なら致命傷にはならない。


「わかりましたか、手加減しているという意味が」


「……」


「黙認なら拒否したと見なします。それなら報酬の件は終了です。後は東藤さんと詰めますので」


「待った、待ってくれ」


「時間稼ぎなどいりません。提示額を払うか払わないか、それだけ教えて下さい」


「妥協点はないのかい」


「昼間の発言を思い出してください。私があなた方に譲歩するとでも思いますか? 」


ここで、昼頃の対応が効いてくる。彼等は我々の立場につかずに中立になっていた。最初は敵、途中で中立に移った相手に譲歩なんか必要だろうか。つまり、そういうことだ。


「……」


青ざめる社長、さてここからは誘導させて貰う。


「しょうがありませんね、【我々】が捕まえた分については再協議しましょう。それでよろしいですか」


「どういうことだい」


「何、単純な話です。私個人が捕まえたものに関しては協議を受け付けます。インベーダーの参加者やTRPGの方々が捕まえたものに関しては時価通り払って頂きます」


「……いいだろう。まずはそれで締結しよう」


「ではここにいるTRPGの方々にはハッカー、一人当たり1000万払って頂きます。よろしいですか皆さん」


「……」


「1000万、割っても一人100万以上」「はは、体が震えてきた」十人十色の返事が帰ってくる。


「報酬の分散の話などは後で行ってください」


「……なぁ、あんたはなんでそんな余裕なんだ? 。1000万だぞ」


「そこのお爺ちゃんはこのゲームに100億近く使うみたいですが、それにたいしての感想は?」


「……、あんたとは敵になりたくないな」


「それは、私も同感です。では納得したなら退室してもらってもいいですか。ここからはヤバめの話になりますんで」


「おい、聞こえたかとっとと帰るぞ」


男の一括により、次々にユーザーが退室していく。そして残るユーザーは、最後に自分と対峙したビースト討伐の四人になった。


フレンドコードが送られてくる。


「俺達四人のコードだ。よかったら登録してくれ」


そういって四人は消えていく。後に残ったのは最初の連中のみになった。これで【目的】について話すことができる。


「さて、それでは再度報酬について協議をしましょうか。【一人あたり1000万】で締結したことを前提に話は進みますがね」



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