ペンの勇者 勇者の秘密

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元魔王

 白い世界にポツンと一人たつ。


 あたりを見渡せば何もなく、一周回ってようやく白い机と白い椅子を見つけた。


 机の前にいく。


 一歩一歩進むが足音がでない。声を出そうとするが口を使っても声がでない。


 机の前につく、机の上には何処かで見たことがあるノートが見える。


『○イ○の日誌』


 その日誌をめくる、どのページも読めなかったが。1ページだけ読める文字があった。


 そのページは酷く乱雑に書かれており


『○○は○○ではなく私が……ライ○……』


 読める文字が少なく。しかしそこには必ずライという文字がある。


 僕は・・・何?


 気づけば机が消え、目の前には女性が1人。


 目立つのは髪の色、吸い込まれそうな漆黒な黒。


 目は紫で黒い服を来ている。いや彼女の周辺だけが黒く写っている。そうして、腕を手を見て女性が夢の中の女性だと気づく。


 ライク「……」


 君は誰なのか?このペンの持ち主なのか?勇者はどうなったのか?聞きたいことはたくさんあるのにそれを声に出すことができない。


 ライク「……」 


 身ぶり手振りで必死に伝えるが彼女は動かず。


 やがて視界が赤く染まり。女性の体が赤く染まった後、体が変形していく。それは到底人に見えるものではなかった。女性だった異形の口が動く。


「あなたは側にいてくれますか」






 ……


 ライク「はっ」


 目が覚める。どうやらまた夢だったらしい。しかし夢なのにあの光景が目に焼きついている。


 ???「起きたか童」


 つい最近聞いた声が聞こえる。


 声の方を向くが誰もいない。


 ???「あぁ、私はここにいるぞ。何まだ顕現しない方がいいと思ってな、そらこれでいいか」


 つい最近見たようなあの目がうつる。


 ライク「魔王は本当のことですが」


 ???「本当だ、お前が起こしたのは元魔王だ。最ももう魔王としての力なぞないがな」


 ライク「魔王としての……力? 」


 そんなの聞いたこともないぞ。


 ???「なんだ、逆行したのか……いや、また世代が代わったのか」


 何をいっているんだ、魔王の世代。


 ???「ふむ、ここで教えてもいいが。それだとつまらんしな。おいオッゾ」


 オッゾ「こちらに」


 暗闇の中から二足でたつ獣人が出てくる。


 ライク「うわぁ」


 その威圧感に・・・恐ろしさに立てなくなる。


 ???「おいオッゾ、今は私の力がないんだ。力を弱めろ」


 そういうとつい先程見たような顔に戻った。


 ライク「あなたは……確か」


 オッゾ「感謝するぞ少年、おかげで主は戻られた」


 深々とお辞儀される、


 ???「安心するといい、率先して滅ぼそうとは思わんよ。また石化されたくないしな」


 ライク「そもそも、なんで魔王が生きているんですか?」


 毎回勇者に滅ぼされるものではないのか?


 ???「私の時は時限式だったな。あるときからあるときまでの時限式だ。詳しいことも言えるが」


 ライク「話してはくれないと。わかりましたこの件は動く気はないということにしときます」


 ???「聞き分けのいい子は好きだぞ。ほら褒美だ」


 黄金の目がこちらに来て、片目に接触する。


 不意に目を瞑るが何も起きない。


 ???「私の黄金の眼の力を与えた。一回使ったら暫く使えなくなるが、まあ、慣れれば常時発動も可能になるさ。余り負荷をかけずにあのペンを使えるようになるはずだ。使い方は……使ったときにわかるようにしといてやる」


 姿なき状態で声だけ聞こえる。


 オッゾ「私からはこれを」


 今度は右腕に紋様が刻まれたと思ったら、また消えた。


 オッゾ「私を召喚できるようにしました、緊急時にはお呼びください」


 ???「さて、褒美を与えたことだし、そろそろ外野もしびれをきらす頃だから、名残惜しいがそろそろ返す。最後に何か聞きたいことは?」


 何か聞きたいことか……


 色々聞きたいことがあるんだけど、何よりも聞きたいことは。


 ライク「僕は勇者何ですか」


 ???「ほう、童は勇者かどうかか……ふむ、難しい質問だな 」


 オッゾ「間違いなく勇者じゃないですか。主を復活させたんですよ」


 その言葉に顔に出さないが歓喜する。自分は勇者だ。


 ???「オッゾ余計なことを言うな」


 オッゾ「ですが恩人にたいして言えない言えないじゃ、可哀想じゃないですか」


 そういえば色々いってるがほとんど回答を聞けてないな。


 ???「うーん、どうしても知りたいか」


 ライク「教えてくださいお姉さん」


 ???「お姉さん?私がか」


 ライク「えぇそうです」


 像を砕いたときに見えた姿は女性だった。ならばこれでも問題ないはずだ。


 ???「はは、ははは」


 姿なき声は笑い声をあげる。


 ???「おい、オッゾ聞いたか?こいつは本心から私のことをお姉さんといってるぞ」


 オッゾ「嘘を着いているようには見えませんしな。いやはや子供とは恐ろしい」


 姿なき声は機嫌よく笑ってる。ついでにオッゾさんに一発入れた。


 ???「よかろう、少年。私も力を貸してやる」


 片目に焼けるような痛みがする。


 ライク「いたたた」


 オッゾ「主」


 ???「よい、オッゾでも足りない相手が出たときは呼ぶといい。できればお姉さんと呼んでな」


 どうやらお姉さんがかなり気に入ったみたいだ。


 魔王すらご機嫌にする、父さんの技術は凄いな、


 ライク「それで、お姉さん。質問のけんなんですけど」


 ???「あぁ、特別に教えてやろう」


 ごくりと唾を飲む、心臓の鼓動がはやくなる。


 ???「結論から言えば、童は【今代の勇者】ではない」


 がくりと膝から落ちる。


 ???「しかし、【勇者を踏襲する可能性がある】まぁ勇者候補だな。だが私から言えば【間違いなく勇者になれる】」


 勇者になれる。


 ライク「いったいどうすれば勇者に」


 急に視界が光輝く。手もからだからもその光が出ている。


 ???「時間か、童。勇者になる方法は1つ 」


 ライク「その方法は」


 ???「勇者の象徴、第2世代のそのペンを信用させろそうすれば自ずと貴様は勇者だ」


 ライク「ペンを信用って」


 ???「夢だ夢を……」


 光が溢れ、気づけば遺跡に入る前の魔方陣の前にたっている。床に紋様はなくなっている。


 キルダ「ライク、ライクーー」


 父さんが大声で叫びこちらに近づいてくる。


 リリ「坊や」


 ミヒト「ライクーー」


 母さんもリリさんも、こちらにくる。どうやら心配かけたみたいだ。


 父さんが、1番早くこっちに来るが。僕が視認できる位置に来ると止まってしまう。


 キルダ「お前……その眼」


 眼……確か。


 ???「黄金の眼の力を与えた」


 確かそういっていたはずだ。


 リリ「黄金の眼……呪われたか」


 ミヒト「そんな」


 皆が悲しんでいる。みぎうでが熱くなる。
              
 オッゾ「そう悪くとらないでもらえるか、主が悲しむ」


 キルダ「あのときの」


 みんなは臨戦体制となる。


 オッゾ「少年みたいに聞き分けはよくないのか」


 キルダ「ライクに何をした」


 今にも斬りかかりそうな、斧に力を込めた状態で父さんは言った。


 オッゾ「あの、ペンを完璧に制御するのは常人にはできない。だから出切るように黄金の眼の力を与えた」


 リリ「呪いじゃない?」


 オッゾ「なら試してみろ。呪い感知魔法ぐらい持ってるだろ」


 リリさんは詠唱を開始し僕に何かを与える。


 リリ「嘘、本当に呪いじゃない?」


 ミヒト「隠蔽は」


 リリ「無理よ、【人間以外の呪いは隠蔽できない】」


 キルダ「本当に、呪いじゃないのか」


 二人の戦意が無くなるする。


 オッゾ「わかってくれたか、ついでにいっておけば。主はもう【魔王ではない】教会の大司教とやらに聞いてみろ。復活も何も悪いのは出てないと返すはずだ」


 リリ「そもそも、魔王ってなんなの」


 オッゾ「それは主に秘匿にするように言われている。知りたいなら王族にでも聞くんだな。もしくは……いやこれはまたひっかかるか」


 オッゾさんは光の中に消えていく。


 ライク「ではな、少年。重ねて言うが、主の件ありがとう。私でよければいつでも呼んでくれ」


 そう言い残し、オッゾは戻っていった、


 ミヒト・キルダ・リリ「はぁ」


 父さん達はへたりこむ。


 ミヒト「ライクー、何があったか1つ残らず言いなさい」


 ライク「うん実は……」



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