ペンの勇者 勇者の秘密

AAA

対立

 ???「小さな賢者はここにいると聞いたが」


 鎧を来た人員がゾロゾロと現れる。どれも純白の鎧を纏い、気分が悪くなる。


 アリューゼ「ここは、ギルドだ。依頼ならボードに書いて。食事なら注文を」


 ???「貴様、我等は【勇者ウル騎士団】だぞ」


 ウルと言葉を聞いた、あの最低野郎のウルの名前を。


 アリューゼ「……その騎士団様がなんのご用で」


 騎士団「貴様」


 暴れそうな団員を止め、最初に尋ねた人物が再度質問をする。


 ???「やめたまえ、品位を失うぞ」


 あいつの騎士団からそんな言葉が出るとは。1番手前だけはまともなのかもしれない。


 ???「失礼した。私は……」


 話をしようとするのをアリューゼおじさんは止める。


 アリューゼ「飯食うのか、依頼なのかどっちだ」


 ???「我々は……」


 アリューゼ「そんな大人数で威嚇して、脅迫しにきたところでなんも話さないぜ。さっさと王国に帰んな」


 しっしとでてけと合図をする。


 ???「いい加減にしろ」


 1人の騎士団がテーブルを叩きわる。


 それと同時に騎士団の多くは吹き飛ばされる。


 騎士団「うわぁぁ」


 騎士団「誰だ、こんなことをしたのは」


 リリ「私よ」


 ギルドの後ろの方からリリが前に出てくる。


 ???「大魔導師、リリアーヌ様」


 リリ「ごめんなさい、弁償するわ」


 アリューゼおじさんに謝罪し騎士団の方を向く。


 リリ「ここで帰るか、それとも転移させるか。どっちがいい」


 ???「話を……」


 リリ「武装した兵士を大量に連れて、ギルドのテーブルを壊して
 、おまけにぞんざいな態度をとった貴方達とお話?」


 床から部屋一面に渡るような大規模な紋様が描かれる。


 リリ「命が欲しかったら、二度とこの街に来ないことね、次来たときは問答無用よ」


 紋様が強くなっていく。


 ???「くっ、失礼します」


 リリ「忘れないことね、今回ので勇者ウル騎士団は私……いやギルドと対立したわ」


 ???「……」


 何も言わず出ていく。全員が出ていったあと。


 リリ「はぁ、全く」


 壊れた机を宙に浮かせ、壊れたテーブルを修復していく。


 ライク「ウル騎士団に何か」


 リリ「はぁ、坊やのいった通り、最悪の騎士団よあそこ。まぁ上には演技してるからか。評価が高いのよね」


 あぁ、演技を覚えたのか。それなら品位も納得だ。


 ようは前よりも陰湿になったってだけだ。本当にあいつは……


 リリ「どうやら。私が入らないから無理やりこちらの印象を下げようとしたみたいね。まぁ結果はお察しだけど」


 態度も悪い、プライドも高い、品位もない。まぁあいつの騎士団って言われるだけはあるな。


 リリ「ちなみに、私以外にも結構誘ってるみたいだけど。まぁ、それなりのは勧誘できるんじゃないの。一流は無理だけど」


 ニコッとこちらを向いてくれる。恐らく勧誘されてもつかないように妨害してくれたんだろう。


 ライク「ありがとうございます、リリお姉さん」


 リリ「別にいいのよ、それよりどぅ。これを機に」


 アリューゼ「おいおい、またかよ」


 ライク「えぇお願いします」


 リリ「そうよねぇ、やっぱり……えっ」


 その言葉にギルドにいる一同が困惑する。


 リリ「ごめんもう一度言うわ、私についきてくれるの?」


 ライク「えぇお願いします」


 これ以上いるとこっちに迷惑がかかる。ならいっそ飛んだ方がいい。


 アリューゼ「親には何て言うんだよ」


 ライク「旅に出ましたとそういってください」


 恐らくは旅に出ることが前提でこの放置だったに違いない。現に今の僕はここから出ていくことに微塵の公開もない。


 アリューゼ「だけどなぁ」


 外が騒がしい。


 ドアが開き開いた先には先程の騎士団とエンヤ爺さん、それにリッヒーさんがいた。


 アリューゼ「エンヤ大使・・・」


 全員が静まり帰っている。空気が思い。


 エンヤ爺さんとリッヒーさんがこちらに歩き。


 リッヒー「ライク様こちらを」


 いつも振っていた剣を渡される。剣の部分には見慣れない紋様が刻まれていた。


 エンヤ「餞別だ」


 ライク「ありがとうございます」


 一同は静まり返り、エンヤ爺さんとリッヒーが退出まで静かだった。


 エンヤ「邪魔だ」


 ドアが閉まりきる間際に多くの騎士団が吹き飛ばされるのを見届けてエンヤ爺さんは帰っていった。


 アリューゼ「はぁ、どうしたものかね。とりあえず坊主今日は帰って明日こい」


 リリ「今の気持ちを大切にね」


 アリューゼ「余計なことを言うな」


 そうして、駄賃を貰い今日は帰らされた。どうせ後はつけられているので。修行場に向かう。


 この町の郊外にはエンヤ爺さんの家以外にも森がある。


 中には強い魔物もいるが、基本的には温厚なので喧嘩を売ったりふしつように近づかなければ害はない。


 数は……三人くらい?


 最近は気配察知のような訓練はやっていなかったら感覚が鈍っている。


 ミヒト「いい、ライク。尾行をまく最適な方法は、尾行を気づかないふりして妨害することよ例えば……」


 葉っぱや石が大量にある原っぱや森林なら、基礎魔法土で地面を少し盛り上げて転ばせるとかね。


 騎士団「あっ」


 声が上がる、声がする方を向けばあのときの騎士が見える。


 ???「糞」


 こっちを追いかけてくるので。修行用のルートで逃げていく。


 ここには秘密の文字が書いてある。文字は魔法の文字だ。魔法ならば掴むことができる。つまり・・・


【文字を掴み、文字を蹴り立体的な移動が可能になる】触れたくないなら魔力をこめなければいい。


 ???「なっ」


 後ろから見れば宙を移動してるように見えるだろう。勿論上に注意を向けば。


 ???「ぐわ」


 下がお留守になる、これならもう追ってはこれないだろう。


 そうして秘密基地に着く。


 枝と布で作った簡易なテント、ハンモックを作り。水の魔法を宙に書き水浴びできるようにする。


 特に気に入ってるのは普通の木より少し大きい木だ、背に持たれるのにちょうどよく、地面を柔らかくし座り心地を上げてる。


 お気に入りに背をかけ、状況を考える。


 次は間違いなく大規模な騎士団がこの街にくるだろう、そして対象は……


 ライク「俺じゃなく周りだよなぁ」


 村のときもそうだがあいつらはまず周りを脅す。


 脅しやすいところから脅していき、そうして味方につけた奴の友人を脅す。そうして弱味に漬け込んで結果そいつらのグループができる。


 そのグループから自分が外れるためまた人が入り、気づけば街全体が敵対組織に変わっていった。


 同年代の子どもが少なかったのは運が良かった。もっと多ければもっと酷くなっていただろう。


 ライク「どうしてだよ」


 不意に涙がこぼれる。僕が何をしたと言うのか。なんで僕が虐げられなきやいけないのか。


 ライク「なんでだよ、なんで」


 ライク「あぁぁぁぁあぁ」


 時より来る不安もそうだがこの状況に耐えられるほど自分は強くない。


 痛いのも嫌だし、孤独も嫌だ。


 ……虐められるのは嫌だ。


 ひとしきり泣いたあと、気持ちを切り替える。泣いたところで結果は変わらない。僕のところにも来たならジョッシュのところにも来たんだろう。


 次を考えなきゃいけない。相手はたちが悪い奴等だ、きっと次の嫌がらせがくる。


 リリさんのおかげで今回はなんとかなった。つまり僕ができることは。


 ライク「大人に協力を頼む。それしかできない」


 大人に頼り、保護して貰い強くなるしかない。少なくともここでは被害が出てしまう。


 ライク「……振るか」


 エンヤ爺さんにもらった剣を持つ。あのときと変わらない重さだった。


 ライク「ふっ」


 ただ剣を振った、色々な考えを切り裂くように振り上げ、振り下ろした。


 ライク「ふっ」


 思考が錯綜する。本当にこれでいいのか?逃げても襲われるのではないか?街への被害は?僕のせいで店が潰される。


 ライク「ふっ」


 どうすればいい?両親には頼めない、町にも頼れない。リリさんに頼りきっていいのか?腕がいたいな


 ライク「ふっ」


 依頼をすれば、あぁ、腕が痛いもう少し楽な位置を探さないと


 ライク「ふっ」


 振り下ろしをうまくいかないと、反動がきつい、上げるときも楽な上げかたを。


 ライク「ふっ」


 腕が痛い、どうすればいい?


 ライク「どうすればいいですか? 」


 横を向けば誰も居なかった。


 ライク「はは、そういえば今回は1人か」


 剣をおき地面に寝そべる。時刻はまだ昼時、そろそろお腹がすく時間だ。


 ライク「あー、お腹すいたなぁ」


 でも腕いたいしなぁ、しょうがないから少し寝て、起きたらご飯を探しにいこう。






 ……


 夢を見た。いつも通りの綺麗な手をした女性だった。しかし今回は日記の内容が違っていた。


『なんで、私がこんな目にあうの?戦えないから?』


『戦えないと価値はないの?』


 それは自問自答だ。戦えない自分は価値はないのか?戦いでしか価値は生まれないのか。


 ???「ねぇ、誰か教えてよ」


 女性の声だった。その言葉は悲鳴に近かった。


 ???「君は……、君はそのままでいいんだよ」


 ???「えっ」




 ライク「貴方は……、夢か……、いてて」


 腕が痛む、筋肉痛だ。おまけに背中もいたい


 空を見上げればすっかり夜だ当然お腹も空いている。


 ライク「帰るか、もう収まってるだろう」


 町の方向に向かって歩く。音を消し、光を消し、気配を消し。ゆっくりと確実に歩いていく。


 獣の声が聞こえる、何かの寝息が聞こえる。息を潜め、道なき道を歩く。


 ライク「ふっ」


 呼吸が漏れる。仕方ないことだ、やるべきことは同調。寝息と同じように息をすい、安全であるように思わせることが重要だ。


 そうして、ボロボロの体で森を抜ける。さて、これから町へ向かうのだが・・・


 ライク「エンヤ爺さんのところにいってみるか」


 もしかしたらまだ起きていて、匿ってくれるかもしれない、そう思い少し寄り道しながら進んでいく。


 しかしそれは間違いだった、エンヤ邸の近くにはあの純白の騎士団がいた。ご丁寧に火をたき、自分がここにいるぞとアピールしてる。


 いい迷惑だと思う。しかしせっかくだし近づいて様子を見ようと思う。


 迷彩という魔法がある。ただ自分の周囲の色を変えるだけの魔法だか今のような視界が悪い場所では重宝する。


 特にペンを持ってる自分にとってはかなり使い勝手のいい魔法だ。あまり魔力を使わないのも嬉しい。


 魔法で迷彩を飛ばし、自分のいく場所を迷彩にする。後はそこに向かって匍匐で歩く。


 魔力の光は僕にしか見えない。僕だけが照らされてることがわかり僕だけが魔法を認知できている。


 そうして、騎士団の近くまできた。どうやら何やら雲行きが怪しそうだ。何故か、リリさんも、アリューゼおじさんも居る。


 アリューゼおじさんに状況を説明してもらうように誘導する。


『魔法で騎士団の近くに居る、状況が知りたいから大声で現状を話して』


 そう書き、アリューゼおじさんに飛ばす、一回じゃ成功しないから何回も何回も、当たるまで飛ばし続ける。


 30回目にしてようやくアリューゼおじさんが動いてくれた。


 アリューゼ「いい加減ウェンディを離しやがれ」


 その言葉は衝撃的だった。


 ライク「ウェンディが捕まっている」


 アリューゼ「だったらなんでお前らはエンヤ大使の家に俺の娘を監禁してやがる」


 どうやらこの家に監禁されてるらしい。


 アリューゼ「わざわざ餓鬼に会うだけで、餓鬼を監禁してんじゃねぇこの」


 そこでおじさんは叩かれる。


 アリューゼ「この」


 ウェンディをとられ動けないらしい。よく見れば、リリさんの方にも騎士団が着いている。


『ウェンディを窓から見える位置に誘導して』


 近くにいる、アリューゼおじさんに再度連絡先する。お腹が空いてるかそれどころではない。持てる力を振り絞って、ペンで迷彩を書いていく。


 アリューゼ「ウェンディを……ウェンディをみせろ、いや見せてください」


 ボロボロになっているそれでも懇願するおじさんを下に見ながら、迷彩の梯子を昇る。


 文字を書きは一歩上がり文字を書く。それを繰り返し高さを上げる。


 窓からウェンディが見えた。


『危ないから離れて』


 ウェンディに向けて、その言葉を送る。


 文字を離し、足場を作る。ペンを外し剣を持つ。窓に騎士の姿が見える。


 梯子を蹴り、宙をまう月夜に照らされ、銀色の剣は月夜に照らされそれはまるで純白に見えるだろう。


 ライク「あぁぁぁ」


 勇気を持って文字を渡る。


 時間がないから少ししか文字を書けない。少ない足場を全力で蹴り、痛い腕で剣を振り上げる。


 窓から騎士団が離れようとするがもう遅い。


 ライク「あぁぁぁ」


 後ろを向いた騎士をそのまま斬る。いや切りながら体当たりをする。


 騎士団「ぐあぁぁ」


 剣が体に残ったまま、騎士団は吹き飛ばされる。


 もうろうとするなから、ペンをとり、最後の気力で適当な文字を書いてく。


 一字一字で気を失いそうになる、しかし自分の体にペンをさし。地が血が流れながらも無理やり文字を書き続ける。


 騎士団「何事た」


 騎士団が気づく。


 座り込むウェンディを両手に持つ。僕の記憶に残ってるのはあと二つ。


 ウェンディ「きゃ」


 ひとつ目はウェンディの持ち上げた時の小さな悲鳴、そしてにどめは


 ウェンディ「きゃあぁぁぁ」


 僕がエンヤ邸から逃げたしたときの大きな悲鳴だった……



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