憑依転生 -女最弱騎士になったオレが最強に成り上がるまで-
やっと昇進できると思ったら決闘することになった。
陽が昇り始めたエストリア王都行政地区。
その一角で、小規模な暴動が起きていた。
その暴動の中心は雑兵勤めの一兵卒。
年齢は四十代ほどの男と、それに触発された、同じく雑兵多数。
男たちはみな口々に
「あんな小娘が昇進するのはおかしい!」
「給金をあげろ!」
「王はいいかげん髭を剃れ!」
「彼女が欲しい!」
などと、様々な不服を申し立てていた。
対応している兵の数は少なく、いつ城になだれ込んでくるかわからない状況であった。
「はぁ」
謁見の間。
玉座の後ろに備え付けられている縦横三メートルほどのガラスが、マーレ―の息で曇った。
「どういたしましょうか。王よ」
側近の一人が、落ち着いた様子でマーレ―に尋ねた。
「剃るしかないか……」
「そうですね。もうそれしか、王のとれる道は――」
側近はそう言うと、懐からスッと剃刀を取り出した。
「いや、ちげえだろ!」
突然、王城内にタカシの怒号が響き渡る。
「び、ビックリした。なんなんだ一体」
「なにをふざけておられるのですか! あの兵は決して、王の髭に不平不満を述べているわけではありません!」
「なんだ、ちがうのか? 儂はたしかにそう聞こえたが……」
「はい、私も……」
「側近の方は話がややこしくなってしまうので、お口にチャックで、お願いします」
側近はタカシにたしなめられると、口を閉じるジェスチャーをした。
「雑兵兵士の暴動です。自分のような小娘が青銅に上がるのですから、想像はできていたのですが、まさかここまでのことに発展するとは……」
「うむ。誠、由々しき問題である」
「髭剃りをじっくりと見ながら、唸らないでください」
「いや、ちがう。そうではない。たしかにこうした、無駄にちょろちょろと生えてきた髭は、いつか刈り取らんといかんな……、と思ったのだ」
「それはつまり……?」
マーレ―はゆっくりとタカシのもとまで歩いてくると、持っていた剃刀を手渡した。
それと同時に城門にいた雑兵たちが、謁見の間までなだれ込んでくる。
「そなたがやるのだ」
「え、自分が……ですか?」
「聞いたか、雑兵どもよ。ここにいるルーシーの昇進に不満があるのなら、見事この者をねじ伏せてみせよ。さすれば、いまいちどそなたたちの要求に答えるのも、やぶさかではない」
「ええ!?」
タカシは声をあげて驚き、兵士たちは顔を見合わせた。
「あの……王様、オレたちは別に戦うとか戦わないとか、そういうのじゃなくて……」
「そうそう、ただこのヤラセの絡みのコネ昇進で傷ついた心の慰謝料として……」
雑兵たちがたじろいでいる中、マーレ―は城が揺れるほどの声で
「喝!!」
と怒鳴った。
「そなたたちのイナゴにも勝る、たかりの精神、実に見事だ! 本来は唾棄すべき、末代まで晒されてしかるべき、恥ずべき行為ではあるが、その姿もまた欲に生きる本能の塊。人間の本性。それを無下にすべきではないだろう。しかし、こと、この件においてはそなたたちの意見は的外れであると言わざるを得ない! ここにいるルーシーは、かの魔物の巣食う炭鉱に単身で乗り込み、その原因を取り除いた勇者である! その者が昇進を願うのならば、それを聞くのが当然であるべきだろう。しかし、その事実を見据えていてなお、不平不満を申し立てているのなら、それは仕方がない。その体に、心に、この者自らが格の違いを刻み付けてやるのみである。覚悟はよいか、腐ったイナゴども。この私が直々に殺虫して、二度とこのエストリアの国土を踏むことができない体にしてやろう! ……と、ルーシーが言ってました」
「……は? ええ!?」
「そうかそうか……お嬢ちゃんがそこまで命知らずだったとは……、いいぜ王様。決闘だ! 女だろうが子供だろうが関係ねえ! ぶっ潰してやらぁ!」
「決闘か。それもまたよいだろう。……雑兵代表は、そなたでよかったな?」
「いや、オレがやったんじゃ一方的すぎて勝負にならねえからな。かわりにこいつが戦うぜ」
そう言ってでてきたのは、緑色の肌に腫れぼったい唇、ぎょろりと剥かれた大きな目に、でっぷりとした腹を抱えた兵士だった。
トロール。
エストリアは人間のみの構成による、単一国家ではなく、こうして生活の一部に魔物がいるというのは決して珍しいことではない。
「あいわかった。決闘は明日の午後にコロシアムにて行う。勝者にはそれぞれの願いを叶えてやろう」
「あの、王よ。自分の意思は――」
「あんな大口叩いておいて、いまさら逃げるってわけじゃねえよな、お嬢ちゃん」
「……だそうだ。儂もこうなってしまって、心苦しくて仕方がない。胸が張り裂けそうとは、まさにこのことだ」
「あ、あんたが撒いた火種でしょうが!」
「くれぐれも、ケガだけはしなようにな」
「うおおおおお! あんたってヒトはあああああああ!」
◇
その日は結局解散となり、タカシと雑兵たちは明日の準備をすべく、帰路へとついた。
「……よろしかったのですか? 王よ」
「ム、大臣か。……まあ、このようなものでよかろう」
「しかし、王も人が悪うございますな。実際にルーシーの実力を見たことがないからと、このような手を取られるとは……」
「提案したのはおまえだろう。わざとあいつらをけしかけて、暴動を起こさせるとは……それに、よりにもよってトロールを相手に選ぶとはな。白銀クラスでも、あいつの扱いは手に余るぞ」
「ノーキンスと渡り合ったと聞きましたからな。それくらいしないと、適当にあしらわれて結局本気を見せないで終わる……、ということもあるでしょう」
「だとしても、もしそれ相応の実力が備わっていなければ、最悪死んでしまいかねない」
「だからこそ、ですよ」
「はっはっは! 大臣よ、お主も悪よのう」
「……いや、さすがにそのセリフは私もドン引きですな」
「ふむ、やりすぎたか……」
◇
「なんなんだろうな。ここの王様ってのは」
『まあまあ、ため息をついてもしょうがないですよ。……でも、ここを踏ん張れば、晴れて青銅騎士ですから! ここまで徹底的にしたら、誰からも文句なんか言われませんよ! ……あ、王様もそういうのを考えてここまでやってくれたのかも!』
「いや、そんなことはないと思うけどな」
『もう、なんでタカシさんはそうやって、後ろに後ろに考えるんですか?』
「もう、なんでルーシーちゃんはそうやって、前に前にばっかり考えてるんでしょ! 辟易しちゃうわ! まったくもう!」
『……はぁ。ところで、気になったんですけど。タカシさんはなんで、エストリアに来ようと思ったんですか?』
「ものすごい今更だな」
『はい、この前王様に突っ込まれてどもってたので、気になっちゃって』
「ああ、心配してたのか。……大丈夫だよ。ほんとうにスパイとかじゃないから」
『じゃあなんであのとき……』
「あれはおまえ、だれでもああなるだろ! あんな目で見られたらよ」
『まあ……、あれは……仕方ないですよね。でもそれなら、余計に気になりますよ』
「来た理由か? なんでもねえよ。……ただ、たまたまおまえの死体があって、たまたまおまえの故郷がエストリアだったってだけだ」
『じゃあ、ほんとうに偶然だったわけなんですね』
「そうなるな。まあ、オレとしてはこんな乳臭いガキじゃなくて、もうすこしボンキュッボンなお姉さんに憑りつきたかったんだけどな」
「タカシさん、いつもひと言多いですよ』
◇
「で、結局そのまま帰ってきたってわけっすか」
ルーシーの家の畑にて、農作業に勤しむヘンリーが、額に汗をかきながら声をあげた。
「いやあ、災難っすね」
「つか、オレがこんな扱いだったんだ。おまえが青銅に上がるときは戦争でも起きたんじゃないのか?」
「いやぁ? オレんときは全然フツーでしたけど……」
「このボンボンめ。恥を知れ、恥を」
「まあ、なんとかの恥はかき捨てっていうじゃないっすか」
「旅だよ! おまえがエストリアに住んでいる限り、一生恥を背負いながら生きていくんだよ! ていうか、おまえ何やってんだよ。仕事とかねえのかよ」
「あんな仕事、誰がやっても一緒なんすよ。オレは畑を耕して、種をまき、水を撒いて、作物を収穫するほうが、よっぽど建設的で生産的だと思うんすよね」
「うぜえ屁理屈こねてねえで、さっさと兵士詰め所に戻れよ」
「そんな殺生な……」
「お、ルーシー。帰っとったか」
片手に鍬、もう片方の手には木製のバケツを持ちながら、ルーシーの父親が現れた。
「おまえも手伝いなさい。ヘンリーくんとシノさんにばかりに手伝わせるな」
「は? シノ?」
「お父さん! このニンジン、どこに置いておけばいいですか?」
シノが突然、大きな籠を抱えてやってきた。
服は以前の着物から、地味な作務衣に変わっていた。
その頬にはかすかに土がついていた。
「……なんで、あんたもいんだよ……」
「あ、ルーシーちゃん! おかえりなさい!」
「こちら、シノさんだ。通りがかりに手伝ってもらっている」
「まあね! 偶然通りがかっちゃってね! 前々から、農作業ってのに興味あったから、つい……、ね」
「可愛く言っても誤魔化されませんよ。そもそもなんで、聖虹騎士団の人がこんなへんぴなところにいるんですか。おかしいじゃないですか」
「なんと!? シノさんは聖虹騎士団のひとりなのか?」
「知らなかったのかよ!」
「え? 知ってたよ?」
「ちっ、反応がややこしいんだよ……クソオヤジ」
「聞いたよ? 青銅になれたんだって? すごいじゃんルーシーちゃん。おめでとう」
「ははは……実はまだ確定したわけじゃなくて……」
「え? どういうこと?」
「実は――」
その一角で、小規模な暴動が起きていた。
その暴動の中心は雑兵勤めの一兵卒。
年齢は四十代ほどの男と、それに触発された、同じく雑兵多数。
男たちはみな口々に
「あんな小娘が昇進するのはおかしい!」
「給金をあげろ!」
「王はいいかげん髭を剃れ!」
「彼女が欲しい!」
などと、様々な不服を申し立てていた。
対応している兵の数は少なく、いつ城になだれ込んでくるかわからない状況であった。
「はぁ」
謁見の間。
玉座の後ろに備え付けられている縦横三メートルほどのガラスが、マーレ―の息で曇った。
「どういたしましょうか。王よ」
側近の一人が、落ち着いた様子でマーレ―に尋ねた。
「剃るしかないか……」
「そうですね。もうそれしか、王のとれる道は――」
側近はそう言うと、懐からスッと剃刀を取り出した。
「いや、ちげえだろ!」
突然、王城内にタカシの怒号が響き渡る。
「び、ビックリした。なんなんだ一体」
「なにをふざけておられるのですか! あの兵は決して、王の髭に不平不満を述べているわけではありません!」
「なんだ、ちがうのか? 儂はたしかにそう聞こえたが……」
「はい、私も……」
「側近の方は話がややこしくなってしまうので、お口にチャックで、お願いします」
側近はタカシにたしなめられると、口を閉じるジェスチャーをした。
「雑兵兵士の暴動です。自分のような小娘が青銅に上がるのですから、想像はできていたのですが、まさかここまでのことに発展するとは……」
「うむ。誠、由々しき問題である」
「髭剃りをじっくりと見ながら、唸らないでください」
「いや、ちがう。そうではない。たしかにこうした、無駄にちょろちょろと生えてきた髭は、いつか刈り取らんといかんな……、と思ったのだ」
「それはつまり……?」
マーレ―はゆっくりとタカシのもとまで歩いてくると、持っていた剃刀を手渡した。
それと同時に城門にいた雑兵たちが、謁見の間までなだれ込んでくる。
「そなたがやるのだ」
「え、自分が……ですか?」
「聞いたか、雑兵どもよ。ここにいるルーシーの昇進に不満があるのなら、見事この者をねじ伏せてみせよ。さすれば、いまいちどそなたたちの要求に答えるのも、やぶさかではない」
「ええ!?」
タカシは声をあげて驚き、兵士たちは顔を見合わせた。
「あの……王様、オレたちは別に戦うとか戦わないとか、そういうのじゃなくて……」
「そうそう、ただこのヤラセの絡みのコネ昇進で傷ついた心の慰謝料として……」
雑兵たちがたじろいでいる中、マーレ―は城が揺れるほどの声で
「喝!!」
と怒鳴った。
「そなたたちのイナゴにも勝る、たかりの精神、実に見事だ! 本来は唾棄すべき、末代まで晒されてしかるべき、恥ずべき行為ではあるが、その姿もまた欲に生きる本能の塊。人間の本性。それを無下にすべきではないだろう。しかし、こと、この件においてはそなたたちの意見は的外れであると言わざるを得ない! ここにいるルーシーは、かの魔物の巣食う炭鉱に単身で乗り込み、その原因を取り除いた勇者である! その者が昇進を願うのならば、それを聞くのが当然であるべきだろう。しかし、その事実を見据えていてなお、不平不満を申し立てているのなら、それは仕方がない。その体に、心に、この者自らが格の違いを刻み付けてやるのみである。覚悟はよいか、腐ったイナゴども。この私が直々に殺虫して、二度とこのエストリアの国土を踏むことができない体にしてやろう! ……と、ルーシーが言ってました」
「……は? ええ!?」
「そうかそうか……お嬢ちゃんがそこまで命知らずだったとは……、いいぜ王様。決闘だ! 女だろうが子供だろうが関係ねえ! ぶっ潰してやらぁ!」
「決闘か。それもまたよいだろう。……雑兵代表は、そなたでよかったな?」
「いや、オレがやったんじゃ一方的すぎて勝負にならねえからな。かわりにこいつが戦うぜ」
そう言ってでてきたのは、緑色の肌に腫れぼったい唇、ぎょろりと剥かれた大きな目に、でっぷりとした腹を抱えた兵士だった。
トロール。
エストリアは人間のみの構成による、単一国家ではなく、こうして生活の一部に魔物がいるというのは決して珍しいことではない。
「あいわかった。決闘は明日の午後にコロシアムにて行う。勝者にはそれぞれの願いを叶えてやろう」
「あの、王よ。自分の意思は――」
「あんな大口叩いておいて、いまさら逃げるってわけじゃねえよな、お嬢ちゃん」
「……だそうだ。儂もこうなってしまって、心苦しくて仕方がない。胸が張り裂けそうとは、まさにこのことだ」
「あ、あんたが撒いた火種でしょうが!」
「くれぐれも、ケガだけはしなようにな」
「うおおおおお! あんたってヒトはあああああああ!」
◇
その日は結局解散となり、タカシと雑兵たちは明日の準備をすべく、帰路へとついた。
「……よろしかったのですか? 王よ」
「ム、大臣か。……まあ、このようなものでよかろう」
「しかし、王も人が悪うございますな。実際にルーシーの実力を見たことがないからと、このような手を取られるとは……」
「提案したのはおまえだろう。わざとあいつらをけしかけて、暴動を起こさせるとは……それに、よりにもよってトロールを相手に選ぶとはな。白銀クラスでも、あいつの扱いは手に余るぞ」
「ノーキンスと渡り合ったと聞きましたからな。それくらいしないと、適当にあしらわれて結局本気を見せないで終わる……、ということもあるでしょう」
「だとしても、もしそれ相応の実力が備わっていなければ、最悪死んでしまいかねない」
「だからこそ、ですよ」
「はっはっは! 大臣よ、お主も悪よのう」
「……いや、さすがにそのセリフは私もドン引きですな」
「ふむ、やりすぎたか……」
◇
「なんなんだろうな。ここの王様ってのは」
『まあまあ、ため息をついてもしょうがないですよ。……でも、ここを踏ん張れば、晴れて青銅騎士ですから! ここまで徹底的にしたら、誰からも文句なんか言われませんよ! ……あ、王様もそういうのを考えてここまでやってくれたのかも!』
「いや、そんなことはないと思うけどな」
『もう、なんでタカシさんはそうやって、後ろに後ろに考えるんですか?』
「もう、なんでルーシーちゃんはそうやって、前に前にばっかり考えてるんでしょ! 辟易しちゃうわ! まったくもう!」
『……はぁ。ところで、気になったんですけど。タカシさんはなんで、エストリアに来ようと思ったんですか?』
「ものすごい今更だな」
『はい、この前王様に突っ込まれてどもってたので、気になっちゃって』
「ああ、心配してたのか。……大丈夫だよ。ほんとうにスパイとかじゃないから」
『じゃあなんであのとき……』
「あれはおまえ、だれでもああなるだろ! あんな目で見られたらよ」
『まあ……、あれは……仕方ないですよね。でもそれなら、余計に気になりますよ』
「来た理由か? なんでもねえよ。……ただ、たまたまおまえの死体があって、たまたまおまえの故郷がエストリアだったってだけだ」
『じゃあ、ほんとうに偶然だったわけなんですね』
「そうなるな。まあ、オレとしてはこんな乳臭いガキじゃなくて、もうすこしボンキュッボンなお姉さんに憑りつきたかったんだけどな」
「タカシさん、いつもひと言多いですよ』
◇
「で、結局そのまま帰ってきたってわけっすか」
ルーシーの家の畑にて、農作業に勤しむヘンリーが、額に汗をかきながら声をあげた。
「いやあ、災難っすね」
「つか、オレがこんな扱いだったんだ。おまえが青銅に上がるときは戦争でも起きたんじゃないのか?」
「いやぁ? オレんときは全然フツーでしたけど……」
「このボンボンめ。恥を知れ、恥を」
「まあ、なんとかの恥はかき捨てっていうじゃないっすか」
「旅だよ! おまえがエストリアに住んでいる限り、一生恥を背負いながら生きていくんだよ! ていうか、おまえ何やってんだよ。仕事とかねえのかよ」
「あんな仕事、誰がやっても一緒なんすよ。オレは畑を耕して、種をまき、水を撒いて、作物を収穫するほうが、よっぽど建設的で生産的だと思うんすよね」
「うぜえ屁理屈こねてねえで、さっさと兵士詰め所に戻れよ」
「そんな殺生な……」
「お、ルーシー。帰っとったか」
片手に鍬、もう片方の手には木製のバケツを持ちながら、ルーシーの父親が現れた。
「おまえも手伝いなさい。ヘンリーくんとシノさんにばかりに手伝わせるな」
「は? シノ?」
「お父さん! このニンジン、どこに置いておけばいいですか?」
シノが突然、大きな籠を抱えてやってきた。
服は以前の着物から、地味な作務衣に変わっていた。
その頬にはかすかに土がついていた。
「……なんで、あんたもいんだよ……」
「あ、ルーシーちゃん! おかえりなさい!」
「こちら、シノさんだ。通りがかりに手伝ってもらっている」
「まあね! 偶然通りがかっちゃってね! 前々から、農作業ってのに興味あったから、つい……、ね」
「可愛く言っても誤魔化されませんよ。そもそもなんで、聖虹騎士団の人がこんなへんぴなところにいるんですか。おかしいじゃないですか」
「なんと!? シノさんは聖虹騎士団のひとりなのか?」
「知らなかったのかよ!」
「え? 知ってたよ?」
「ちっ、反応がややこしいんだよ……クソオヤジ」
「聞いたよ? 青銅になれたんだって? すごいじゃんルーシーちゃん。おめでとう」
「ははは……実はまだ確定したわけじゃなくて……」
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