僕の道

あい

19話

「両者準備は良いかな?それでは、今から模擬戦を始める。用意、始め!」

   因みに、負けた方は勝った方の言うことを1つ聞くというルールでやっている。審判はギルドにいた優しそうなおじさんだ。このおじさんも試合の前に心配してくれた。

「へへっ、こっちから行かせてもらうぜ。」

   そう言う男を他所に僕は木刀を腰から抜き、男に向かって歩いていく。そしてそれからは激しい攻防が繰り広げられる。と思っていたのだが、男は攻撃もして来ないし、防御のタイミングも凄く遅かった。

「どうかしたんですか?まさか、体調が悪いとか?」

「て、てめぇ、舐めてるとぶっ殺すぞ。」

   そう言うと男は後ろに下がり、手の上に小さな火の玉を作った。

「悪ぃがこれで終わらせるぜ。」

   飛んできた火の玉を剣で叩き潰すと、僕は先程の5倍程ある火の玉を作り男に向かって放った。

「な、なんだこりゃ…。」

   男は、1回はギリギリ回避したものの、追従してくるとは思わなかったのか直ぐに当たってしまった。

「あぢぃ、あぢぃよぉ!俺の負けだ!だから早く火を消してくれ!」

   男は自分の負けを認め、火を消すように言ってきた。だが、生憎僕は魔法の消し方など知らないから、水属性魔法のウォーターボールをぶつけ、何とか火を消す事が出来た。




「いやぁ〜、まさか兄貴があんなに強いとは思っていやせんでしたぜ。」

「あはは…、僕なんてまだまだですよ。」

   イアンと名乗る男は勝負に負けてからというもの、ずっとこの調子なのである。鬱陶しいので早くどこかへ行ってもらいたかったが、負けた方が勝った方の言うことを1つ聞くという約束がまだなので我慢する。

「う〜ん、1つか〜。タマは何かして欲しい事とかあるかな?」

「無難なのはお金をもらう、とかではないでしょうか。」

   それからタマと相談し、20万ものお金をもらった。最近は出費がかさんでいたのでこれは嬉しい誤算だった。

   その後冒険者ギルドの受付へ行き、オススメの宿屋を聞くことにした。

「こんにちは。今日はどのようなご要件で?」

「こんにちは、軽く出来る依頼とオススメの宿屋を聞きたいのですが…。」

「少々お待ち下さい。」

   そう言って持ってきたのはリザードの討伐依頼書と、赤くマークがされた地図だった。僕はお礼を言い、早速タマとリザード討伐に向かった。

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