僕の道

あい

3話

「…い、おい!」

「う、うーん。」

「おい!いつまで寝てる気だ。」

「は、はいっ!」

   どうやら戦い?に疲れ寝てしまったようだ。僕は身体を起こし周囲を見渡す。やはり辺りは、1面砂漠だ。

「これからどうしましょう。」

「知るかっ。それよりこいつをどうにかしろ!」

   先生はそう言うと、今にも自分に噛みつきそうな恐竜を指さす。

「こらっ。先生は悪い人じゃないよ。」

「ガルゥ」

   恐竜は小さな声で鳴くと先生から離れた。どうやら僕の言うことが分かるらしい。

「えらいな。今日から君はキエルだ。分かるかな…。」

「ガルゥ!」

   最初に会った時の鳴き声を名前にするという、とても安直な名前のつけ方だがキエルは嬉しいようだ。

「ぐぅー」

   そういえばこちらに来てから何も食べていない。そろそろ何か食べないと空腹でどうにかなりそうだ。

「先生、1つ提案なんですが少し歩きませんか?」

「ふんっ、丁度俺もそう思っていた。」

「そうですか、よかったです。」

   ここで1つ問題があった。それはどの方向に行くかという至極簡単なことであった。すると、キエルが首を傾け、自分の背中を頭で指した。

「まさか、乗せてくれるのか?」

「キエェ」

   どうやらキエルは僕達が思っている以上に賢いようだ。ここはキエルに頼るとしよう。

「それじゃー失礼するね。」

「さっさと乗せろよ。」

   そう言うとキエルが腰を下ろし、僕だけを乗せて立ち上がった。僕が先生に声をかけようとした直後、キエルは猛スピードで走り始めた。

「ちょっと待ってキエル、先生を忘れてるよ!」

   そう話し掛けたが、キエルはふりかえることも無く走り続けた。



   走り始めて10分はたっただろうか。遠くに小さな村のようなものが見えた。

「ありがとうキエル。そろそろ下ろしてくれるかな?」

「キエェ」

   キエルは徐々に速度を落とし、村の手前で停止した。キエルが村に入ると村人が驚いてしまうかもしれないと思い、外で待つようにお願いする。大人しく言うことを聞く所を見ると、頭が良い事が再確認出来る。

   村に入り辺りを見渡す。いつも妄想していた異世界に本当に来てしまった事に感動しながら、まずは宿屋を探す。と言っても当てがないので通行人に話を聞くことにする。丁度通りかかった優しそうな男性に声を掛ける

「こ、こんにちは、少し質問しても良いですか?」

「質問?僕に答えられる事なら良いんだけど。」

「その、僕、泊まる所を探してて、どこかいい所ありますか?」

「そういう事ならあそこに見える赤い屋根の宿屋が良いよ」

   男はそう言い、少し離れた場所にある清潔感ある家を指した。

「ありがとうございました!」

「いえいえ、また困ったことがあったら聞いてくれよ。ちなみに僕の家はあそこ。」

   お礼を言い宿屋を目指す。宿屋に着き戸を開けると、中には恰幅のいい優しそうな目をしたおばさんが、新聞の様なものを持ちくつろいでいた。

「いらっしゃい!」

「こんにちは、泊まりたいのですが、空いていますか?」

「空いてるよ、1泊500円だよ。」

「ご、500円…」

   僕はお金の事をすっかりと忘れていた。どうにかしてお金を稼ぐ事が出来ないだろうか。

「すみません、ここらで手っ取り早く稼げる所って、ありますか?」

「手っ取り早く、って言ったら冒険者だね」

「ありがとうございます。」

   冒険者…。やっぱりあるんだ。僕に出来る事があるかは分からないけど、行くだけ行ってみよう。宿屋のおばさんに場所を聞き、早速冒険者ギルドへ向かうことにした。

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