オタクと元ヤクザが結婚したら…
21 由香の就職活動!
私、皇牙由香、27歳!
息子の由太郎が大きくなったので、就職活動を地道に行っております!
「ただいまぁ。」
「お帰り。」
由ちゃーん。おりこうさんにしてたぁ?
「う〜!」
遼ちゃんがちょうど、仕事がお休みでよかったぁ。
「ハローワークどうだった?」
何件か求人票もらったよ。
明日面接があるから、行ってくるね。
「なあ。思ったんだけどよぉ。」
ん?
「由太郎はどーするんだ?」
託児所に預けるよ。
託児所がある職場がいっぱいあったから、働きながら由ちゃんの様子が見られるしね。
「……ちっ。」
あれっ?遼ちゃん、不機嫌そう。
ハハーン。私が働き出したら、由ちゃんと家にいる時間が短くなるから、寂しいんだねぇ〜。
「ち、ちげーよ!!」
顔、真っ赤。わかりやすいなぁ。
あと、明日は由ちゃんも連れていくよ。託児所の先生も、面接に出るって。
「そうか。頑張れよ!」
うん!
                  
次の日。
私は由ちゃんを連れて、面接先の会社へ。
社長さん、専務、部長、人事部長と託児所の先生と面談……緊張するなぁ。
「由香さんは、○○大学出身なんですね。」
「優秀ですなぁ。」
えへへへ。
これってもしや、就職決定!?
「ん?皇牙?」
社長の目が、私の履歴書の苗字の方へ。
「確か……暴力団体の名前だったよね?君の旦那さんは、その組長だったの?」
はい!け、結婚して辞めて、今は真面目に建築会社で働いています!
「……。」
急に、社長と専務と人事部長と託児所の先生が、黙り込んだ。
しばらくして、社長が難しい顔になって、口を開いた。
「……申し訳ないけど、君をここには雇うことができない。」
えっ!?なんで!?
「業績はよくて、本当はうちに迎えてもらおうと思ったんだけどね、旦那さんが元ヤクザだったら、会社としては、悪い影響を受けるんじゃないかなと不安でね。」
「新人社員の旦那が元反社と知られたら、うちの業績が悪くなるし……。」
「……とのことだから、今日のところは、帰ってもらっていいかな?」
そんな……。せっかく、いい反応してくれたのに……。旦那が元反社との理由で、不合格になるなんて。
「……わかりました。失礼しました。」
私は、四人に一礼してから、面接室から出て行った。
落ちちゃったなぁ。
次の会社の面接も、大丈夫かな?
ガチャッ。
「ただいまぁ。」
「お帰り。どうだった?」
……だめだった。
「えっ!?」
「新人社員の旦那が元反社と知られたら、会社に悪影響を及ぼすってさ。たったそれだけの理由で、だめになるなんて……。」
「……ごめんな。俺のせいだよな。」
「ううん。遼ちゃんのせいじゃないよ。私もそれを覚悟して、面接受けたし。心配しないで。次の会社の面接も受けるから。」
「由香……。」
遼ちゃん。ご飯作ってくれてありがとう。
昼ご飯にしよう。
「ああ。」
翌日。次に向かったのは、託児所がある、デザイン会社。
「ここへ雇ってもらってもいいですよ。」
本当ですか!?
「ただ……。」
ただ?
「託児所の方が、満員になってるんですよねぇ。」
そ、そうなんですか!?
「申し訳ございません。」
託児所の先生が、深々と頭を下げた。
私、口がポカーン。
次の日も、次の日も。会社の面接を受けるけど、旦那が元反社と理由で落とされたり、託児所が満員だったり、書類選考で落ちたり……ずっと、不合格の日々が続いていた……。
今日受けた会社も、だめだった。
はあ〜。私を雇ってくれる会社は、どこにあるんだろぉ?
と、下を向きながら、帰り道を歩いていた、その時!
「うえ〜ん、うえ〜ん!」
由ちゃんが泣き出した!
ああ!どうしたの?おっぱい飲みたいの?
どうしよう……ここら辺、公園がないし……。
ミルク、作るの忘れちゃったし……どうしたらいいの?
「あら!あなたは……。」
ん?あの、黒髪のショートヘアーで、黒いスーツを着ている、おばさんは……あ!
新幹線で、怖いおじさんに説教した、女の人!
「こんなところに会うなんて……。」
あ、あの時はお世話になり……。
「うえ〜ん、うえ〜ん!」
……。
「お腹が空いてるのね。よかったら、うちへ来ない?」
えっ?うちに?
「ええ。会社がここの近くだからね。」
あ、ありがとうございます……。
黒髪のおばさんの名前は、今泉果歩さん。
働いている会社は、家族経営している、今泉食品会社。
旦那さんは、副社長で、旦那さんの父親は、3代目の社長さん。
上の娘さんも、会社で働いていて、果歩さんと娘さんを含めて、事務職員は、4人。計6名で働いている、小さな会社だって。
由ちゃんを連れて、果歩さんと家政婦の高町紗枝さんに案内され、奥にある休憩室で、おっぱいを飲ませることに。
「んっく、んっく……。」
わざわざありがとうございます。また、助けてもらって。
「いえいえ!」
「う〜!」
うふふふふ。美味しかったね。
「ん?」
果歩さんが、私の履歴書を取った。
「就活中?」
はい……。この子がおおきくなったので、働きながら、この子を預けてもらえるところを探してるんです。
けど、どこもだめで……。
「そうなの。○○会社って、あの有名な保険会社よね?どうして会社辞めちゃったの?」
……。
「なにか、あったみたいね。」
正直に話そう。
私は、遼ちゃんが元ヤクザだったことと、結婚するまで色々あったことなどを話した。
「……そう。大変だったわね。」
はい……。どこも、旦那が元反社だからって、雇ってくれるところがなくて……あたりまえですが。
すると、果歩さんが、にこっと笑って。
「よかったら、ここで働かない?」
えっ!?
「ちょうど、1人辞めちゃってね。人事募集をしてたところなの。」
い、いいんですか?
「ええ。旦那さんのことなんか、全然気にしないわ。お義父さんもきっと、喜んで迎えてくれるわ。」
や、優しい……。でも、由ちゃんは……?
「息子さんなら、私に任せてちょうだい!こう見えて、保育士免許は持ってるのよ!」
高町さんが、ガッツポーズをした。
そ、それじゃあ……よろしくお願いしますっ!
「よろしくね、由香さん。」
私の新しい職場が見つかった!
これから、どんな毎日になるんだろ。
楽しみだなぁ。
続く!
息子の由太郎が大きくなったので、就職活動を地道に行っております!
「ただいまぁ。」
「お帰り。」
由ちゃーん。おりこうさんにしてたぁ?
「う〜!」
遼ちゃんがちょうど、仕事がお休みでよかったぁ。
「ハローワークどうだった?」
何件か求人票もらったよ。
明日面接があるから、行ってくるね。
「なあ。思ったんだけどよぉ。」
ん?
「由太郎はどーするんだ?」
託児所に預けるよ。
託児所がある職場がいっぱいあったから、働きながら由ちゃんの様子が見られるしね。
「……ちっ。」
あれっ?遼ちゃん、不機嫌そう。
ハハーン。私が働き出したら、由ちゃんと家にいる時間が短くなるから、寂しいんだねぇ〜。
「ち、ちげーよ!!」
顔、真っ赤。わかりやすいなぁ。
あと、明日は由ちゃんも連れていくよ。託児所の先生も、面接に出るって。
「そうか。頑張れよ!」
うん!
                  
次の日。
私は由ちゃんを連れて、面接先の会社へ。
社長さん、専務、部長、人事部長と託児所の先生と面談……緊張するなぁ。
「由香さんは、○○大学出身なんですね。」
「優秀ですなぁ。」
えへへへ。
これってもしや、就職決定!?
「ん?皇牙?」
社長の目が、私の履歴書の苗字の方へ。
「確か……暴力団体の名前だったよね?君の旦那さんは、その組長だったの?」
はい!け、結婚して辞めて、今は真面目に建築会社で働いています!
「……。」
急に、社長と専務と人事部長と託児所の先生が、黙り込んだ。
しばらくして、社長が難しい顔になって、口を開いた。
「……申し訳ないけど、君をここには雇うことができない。」
えっ!?なんで!?
「業績はよくて、本当はうちに迎えてもらおうと思ったんだけどね、旦那さんが元ヤクザだったら、会社としては、悪い影響を受けるんじゃないかなと不安でね。」
「新人社員の旦那が元反社と知られたら、うちの業績が悪くなるし……。」
「……とのことだから、今日のところは、帰ってもらっていいかな?」
そんな……。せっかく、いい反応してくれたのに……。旦那が元反社との理由で、不合格になるなんて。
「……わかりました。失礼しました。」
私は、四人に一礼してから、面接室から出て行った。
落ちちゃったなぁ。
次の会社の面接も、大丈夫かな?
ガチャッ。
「ただいまぁ。」
「お帰り。どうだった?」
……だめだった。
「えっ!?」
「新人社員の旦那が元反社と知られたら、会社に悪影響を及ぼすってさ。たったそれだけの理由で、だめになるなんて……。」
「……ごめんな。俺のせいだよな。」
「ううん。遼ちゃんのせいじゃないよ。私もそれを覚悟して、面接受けたし。心配しないで。次の会社の面接も受けるから。」
「由香……。」
遼ちゃん。ご飯作ってくれてありがとう。
昼ご飯にしよう。
「ああ。」
翌日。次に向かったのは、託児所がある、デザイン会社。
「ここへ雇ってもらってもいいですよ。」
本当ですか!?
「ただ……。」
ただ?
「託児所の方が、満員になってるんですよねぇ。」
そ、そうなんですか!?
「申し訳ございません。」
託児所の先生が、深々と頭を下げた。
私、口がポカーン。
次の日も、次の日も。会社の面接を受けるけど、旦那が元反社と理由で落とされたり、託児所が満員だったり、書類選考で落ちたり……ずっと、不合格の日々が続いていた……。
今日受けた会社も、だめだった。
はあ〜。私を雇ってくれる会社は、どこにあるんだろぉ?
と、下を向きながら、帰り道を歩いていた、その時!
「うえ〜ん、うえ〜ん!」
由ちゃんが泣き出した!
ああ!どうしたの?おっぱい飲みたいの?
どうしよう……ここら辺、公園がないし……。
ミルク、作るの忘れちゃったし……どうしたらいいの?
「あら!あなたは……。」
ん?あの、黒髪のショートヘアーで、黒いスーツを着ている、おばさんは……あ!
新幹線で、怖いおじさんに説教した、女の人!
「こんなところに会うなんて……。」
あ、あの時はお世話になり……。
「うえ〜ん、うえ〜ん!」
……。
「お腹が空いてるのね。よかったら、うちへ来ない?」
えっ?うちに?
「ええ。会社がここの近くだからね。」
あ、ありがとうございます……。
黒髪のおばさんの名前は、今泉果歩さん。
働いている会社は、家族経営している、今泉食品会社。
旦那さんは、副社長で、旦那さんの父親は、3代目の社長さん。
上の娘さんも、会社で働いていて、果歩さんと娘さんを含めて、事務職員は、4人。計6名で働いている、小さな会社だって。
由ちゃんを連れて、果歩さんと家政婦の高町紗枝さんに案内され、奥にある休憩室で、おっぱいを飲ませることに。
「んっく、んっく……。」
わざわざありがとうございます。また、助けてもらって。
「いえいえ!」
「う〜!」
うふふふふ。美味しかったね。
「ん?」
果歩さんが、私の履歴書を取った。
「就活中?」
はい……。この子がおおきくなったので、働きながら、この子を預けてもらえるところを探してるんです。
けど、どこもだめで……。
「そうなの。○○会社って、あの有名な保険会社よね?どうして会社辞めちゃったの?」
……。
「なにか、あったみたいね。」
正直に話そう。
私は、遼ちゃんが元ヤクザだったことと、結婚するまで色々あったことなどを話した。
「……そう。大変だったわね。」
はい……。どこも、旦那が元反社だからって、雇ってくれるところがなくて……あたりまえですが。
すると、果歩さんが、にこっと笑って。
「よかったら、ここで働かない?」
えっ!?
「ちょうど、1人辞めちゃってね。人事募集をしてたところなの。」
い、いいんですか?
「ええ。旦那さんのことなんか、全然気にしないわ。お義父さんもきっと、喜んで迎えてくれるわ。」
や、優しい……。でも、由ちゃんは……?
「息子さんなら、私に任せてちょうだい!こう見えて、保育士免許は持ってるのよ!」
高町さんが、ガッツポーズをした。
そ、それじゃあ……よろしくお願いしますっ!
「よろしくね、由香さん。」
私の新しい職場が見つかった!
これから、どんな毎日になるんだろ。
楽しみだなぁ。
続く!
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