オタクと元ヤクザが結婚したら…
02 家族の絆
由香が心配だ……。
最近、由香が入院してから、いつもそうだ。
もし、赤ちゃんに何かあったら大変だ……。
由香の身にも……。
あ〜!!俺も入院すればよかったぁぁぁぁ!!
「遼太郎さん、どうしたとね。」
あ……いえ。なんもありません。
「そうかい。」
「おじしゃーん!」
来たな。めい。
「こんにちはー。」
めいは今年の4月。地元の幼稚園に入園した。
入園式に来てっと言われ、やって来たのもよかったんだが……俺の顔を見た園児達が全員で泣き声の合唱。式の身にもならんかったが。
さらに、めいが俺に送り迎えをしてくれと頼んだので、毎日やってる。
俺が幼稚園に来た時は、園児達が怖くて怯え、先生や親御さん達もみんなひそひそ話してる。
「いつも送り迎え、ありがとう。」
いいえ。
「ゆかちゃん、まだあかちゃんうまれんと?」
まだだ。来週には産まれるだろう。
「めいちゃん、お姉ちゃんになるね。」
「うん!」
めいは嬉しそうにうなずいた。
「産まれてくるまで、遼太郎さんを独り占めたい!」
「おじしゃん!おふろ、いっしょにはいろっ!」
えー?またあ?
「ごめんなさいねえ。」
俺とめいは、お風呂に入った。
めいは、俺の背中から胸まで付いている刺青を気にしてる。
「おじしゃん、どうやっておえかきしたと?」
掘ったんだ。
次の日。珍しくめいが来ないと思ったら、風邪だって。
畑仕事、疲れたな〜。
ヤクザを辞めてから、ほとんど何もすることなかった俺に、手を差し伸べてくれたのは、由香のご両親だ。
これで、気が楽になるだろう。
田舎でのんびりやってもいいかもなあ。
「遼太郎さん。一緒にお風呂はどうですか?」
めいの次はお義父さんか。
俺とお義父さんは、一緒にお風呂に入った。
まあ、一緒に入るのも、これで10回目だからなあ。
「遼太郎さんの刺青、もう慣れたばい!初めて見た時は、びっくりしたよ。」
そうですかあ。
と、お義父さんの背中をゴシゴシ洗いながら、返事をする。
「もうすぐ、お父さんですねえ。」
お義父さんこそ。もうすぐ、おじいちゃんですねえ。
「アハハハハ!初孫、お母さんと楽しみにしとる!」
俺にそっくりだといいですけどね。
「遼太郎さんの子供やけん、そっくりになるに決まっとるたい!」
ですね!
「……遼太郎さん。」
ん?
「由香が産まれた時は、とても難産で、丸4時間掛かったんです。病院に駆けつけたおいは、待合室の椅子に座りながら、祈っとったんです。それでも、なかなか産まれてこんけん、これは、駄目ばいねと諦めかけとったんです。その時、病院に鳴り響く我が子の産声を聞いた途端、立ち上がって、思わず泣いてしまったんです。」
そうですか……。
「初めての子供やったけん、嬉しかったばい。これも、家族の絆ですたい!」
家族の絆……か。
「娘は小さい頃から、絵が大好きで、アニメも好きで。そんな娘が、結婚するとは思わんやった。娘は、いいお婿さんと巡り会えたね〜と思いました。遼太郎さん……。」
はい。
「……娘を幸せにしてくれて、ありがとうございます。これで、おいも家内も、安心して余生を過ごせます。」
……いいえ。どういたしまして。
こちらこそ。由香にはわからないことを教えてもらったり、色んなことを学びました。
これからも、3人で仲良く暮らします。
「うん!」
由香……。あと少しだな……。
続く!
最近、由香が入院してから、いつもそうだ。
もし、赤ちゃんに何かあったら大変だ……。
由香の身にも……。
あ〜!!俺も入院すればよかったぁぁぁぁ!!
「遼太郎さん、どうしたとね。」
あ……いえ。なんもありません。
「そうかい。」
「おじしゃーん!」
来たな。めい。
「こんにちはー。」
めいは今年の4月。地元の幼稚園に入園した。
入園式に来てっと言われ、やって来たのもよかったんだが……俺の顔を見た園児達が全員で泣き声の合唱。式の身にもならんかったが。
さらに、めいが俺に送り迎えをしてくれと頼んだので、毎日やってる。
俺が幼稚園に来た時は、園児達が怖くて怯え、先生や親御さん達もみんなひそひそ話してる。
「いつも送り迎え、ありがとう。」
いいえ。
「ゆかちゃん、まだあかちゃんうまれんと?」
まだだ。来週には産まれるだろう。
「めいちゃん、お姉ちゃんになるね。」
「うん!」
めいは嬉しそうにうなずいた。
「産まれてくるまで、遼太郎さんを独り占めたい!」
「おじしゃん!おふろ、いっしょにはいろっ!」
えー?またあ?
「ごめんなさいねえ。」
俺とめいは、お風呂に入った。
めいは、俺の背中から胸まで付いている刺青を気にしてる。
「おじしゃん、どうやっておえかきしたと?」
掘ったんだ。
次の日。珍しくめいが来ないと思ったら、風邪だって。
畑仕事、疲れたな〜。
ヤクザを辞めてから、ほとんど何もすることなかった俺に、手を差し伸べてくれたのは、由香のご両親だ。
これで、気が楽になるだろう。
田舎でのんびりやってもいいかもなあ。
「遼太郎さん。一緒にお風呂はどうですか?」
めいの次はお義父さんか。
俺とお義父さんは、一緒にお風呂に入った。
まあ、一緒に入るのも、これで10回目だからなあ。
「遼太郎さんの刺青、もう慣れたばい!初めて見た時は、びっくりしたよ。」
そうですかあ。
と、お義父さんの背中をゴシゴシ洗いながら、返事をする。
「もうすぐ、お父さんですねえ。」
お義父さんこそ。もうすぐ、おじいちゃんですねえ。
「アハハハハ!初孫、お母さんと楽しみにしとる!」
俺にそっくりだといいですけどね。
「遼太郎さんの子供やけん、そっくりになるに決まっとるたい!」
ですね!
「……遼太郎さん。」
ん?
「由香が産まれた時は、とても難産で、丸4時間掛かったんです。病院に駆けつけたおいは、待合室の椅子に座りながら、祈っとったんです。それでも、なかなか産まれてこんけん、これは、駄目ばいねと諦めかけとったんです。その時、病院に鳴り響く我が子の産声を聞いた途端、立ち上がって、思わず泣いてしまったんです。」
そうですか……。
「初めての子供やったけん、嬉しかったばい。これも、家族の絆ですたい!」
家族の絆……か。
「娘は小さい頃から、絵が大好きで、アニメも好きで。そんな娘が、結婚するとは思わんやった。娘は、いいお婿さんと巡り会えたね〜と思いました。遼太郎さん……。」
はい。
「……娘を幸せにしてくれて、ありがとうございます。これで、おいも家内も、安心して余生を過ごせます。」
……いいえ。どういたしまして。
こちらこそ。由香にはわからないことを教えてもらったり、色んなことを学びました。
これからも、3人で仲良く暮らします。
「うん!」
由香……。あと少しだな……。
続く!
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