東方 没義道録

クレイ G

女性の謎

  彼女は最後に何かを言った。
「・・・・・・・・・」  彼女は僕に何かを伝えようとしている。
しかし、ノイズが酷くなり何も聞こえなくなってくる。
何を言っている?
彼女が何かを伝えたあと、瞼が重くなる。
意識も朦朧としてくる。
意識を保とうとするが視界が闇に包まれる。
そして、僕は目を覚ます。
ここは、何処だ?
僕は何をしていたんだ?
辺りを見渡す。
そこは先程の人里の外れにいた。
そして、自分を含め周りが血塗れになっている。
その血を触ってみる。
すると、固まってはいるが、まだ柔らかい。
固まってからそこまで、時間が経っていないのだろう。
「あの夢は何だったんだ?」無意識に親指の爪を噛む。
今回の【夢】は何時もとは違い、【恐怖】などは無く、無かった。
それに、何時もなら【夢】を思い出そうとすると、頭が痛くなるが、痛くならない。
今回は【夢】のことは思い出せるのだが、その前のことがあまり覚えていない。
確か、少女に会って話したような・・・
そうだ!
あの後僕はその少女に体を喰われたんだ。
そして僕は首筋を触る。
しかし、そこには傷は無かった。
「そんな、確かに僕は喰われたはずだ。なのにどうして」
いや、僕の周りには大量の血液が固まったものでいっぱいだ。
首筋の傷は、無くなったのではなく【最初から無かった】様に塞がったんだ。
そして、辺りを見渡す。
少し離れた場所に先程の少女が倒れている。
ルーミアだ。
僕はルーミアの元へ行った。
死んでいるのか?
少女の脈を確認する。
脈は正常に動いている。
どうやら気絶しているようだ。
しばらくするとルーミアは目を覚ました。
「ここは?」ルーミアゆっくりと体を起こす。
「あなた、誰?」 
どういう事だ?
先程僕の肉を食った張本人なのに僕の事を覚えていない? 
でも、敵意はもう無いようだ。
「僕はリク」少し警戒しつつ自分名前を教える。
「私はルーミアよろしくね」ニコニコしながら言った。
僕の肉を喰った時とは全く雰囲気が違う。
「私なんでここにいるの?」首を傾げて言う。
「分からない、見つけた時には気絶していた。」
「そーなのかー」両腕を広げ言う。
 まさか、この不可解な出来事は【夢】にでてきた、【女の人】のせいなのか?
僕は、【女の人】の言葉を思い出す。
《私があなたに力を与えるわ。この先強い敵が現れても負けないように。》
力を与える、それだ!あの人が僕に触れたとき、何かを呟いていた。
それが恐らく原因だろう。
僕は爪を噛んだ。
【力】とは一体なんの事なのだろうか?
霊夢や魔理沙と同じ【特殊な能力】の様なものだろうか? 
しかし、体にはなんの変化もないし、能力の使い方も分からない。
これじゃ、以前と同じままだ。
それより霊夢が心配だ。
時間は、そこまで経っていないはずだ。
早く行けば間に合うかも。
空を見上げる。
そこに魔理沙が霧の湖の方へ飛んで行くのが見えた。

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