あの日誓った約束を

ノベルバユーザー351613

キーンコーンカーンコーン。
「やっと終わったぁ。」
「ねぇねぇ、シィルフィさんのお母さんってどんな人なの?」
シィルフィさんは、興味津々の女子たちに囲まれて、対応に追われている。
「あ、そうそう言い忘れていたが、白金は学校の案内を鏡音にしてやれな。」
「僕は別に構いませんが、シィルフィさんは女子との方が話しやすいのじゃないですか?」
「鏡音は嫌なのか?」
「私は構いません。よろしくお願いする。」
「だそうだ。白金よろしくな。」
「わかりました。」
「いいなーお前、ハーフ転校生と一緒にいられて。」
「それはいいのだけどさ、シィルフィさん自然に注目を集めちゃうからなんか接っしづらいよ」小声で俺がそう翔琉に言うと、シィルフィさんには俺の心情が感じ取れたようだ。
「なんかすまないよ。たのヒトにかわる?」
「大丈夫です。気を使わせてしまってすみません。四時限目が終わってからでもいいですか?」
「わかりました。よろしくたのもー」
 その後の残りの授業も終わり、俺はシィルフィさんを案内することにした。
「ここが保健室でここが職員室」
 俺は着実と場所の説明を終えていった。
「白金さんは何人家族なのですか?」
 それは取り留めのない会話の中で生まれた唐突な質問だった。彼女自身ハーフのために、よく家族のことを聞かれるから、急に思いついたのだろう。
「家族は四人です。」
 場の空気が濁るのが嫌だったので、俺は妹のことを伏せた。
「そうなんだぁ、それはお気の毒にー」その時、突然それまで話していたシィルフィの漂わせる雰囲気と話し方が豹変した。
「ところで妹さんは本当にいなくなったんでしょうか?」
今なんて言った 確か妹が失踪したなんて一言もしゃべってないぞ 
「なんで知っていると言うような顔をしていますね。」クスクスクスッ。そういって、シィルフィは口元を隠しながら何も知らない赤ん坊を見るような目で嘲笑う。
「でもそれは、あなたが一番よくわかっているのではないですか?」
「俺が知っているだって、一体なんのことだ 」
 俺はすべてを知っているというようなシィルフィの態度に戸惑いを隠せず怒鳴った。
「もし、君が今の人生のまま一生を終えたいと思っているなら踏み出すべきではない。でももしも・・・。」
 みなまで言うまいというシィルフィの態度は何か物寂し気だった。
「あれ?私あ、もうこんな時間 弁当にたべられなくなりますね。」
「そうだな・・・。」
 いつの間にかシィルフィは元に戻っていた。
「案内ありがとうございました白金さん。早く教室に戻ってお昼をしましょう。」
 教室までに戻るすがら、シィルフィさんに尋ねた。
「あの、シィルフィさん。」
「もう、さん付けと敬語はやめです。同級生だから呼び捨てお願いします。」
「わかったシィルフィ。」
「何ですか?有吾」
「さっきの話なのだけど」
「うん?さっきて案内ですか?」
「いや、あの言葉の意味なのだけど」
「ああ。日本でばありがとゔ。と、感謝の気持ちを表すとき、使うですよね?」
「そっちじゃなくて。僕が知っているって」
「?なんのことですか?」
 まったく覚えなのないというシィルフィの反応に唖然としたが、俺はその出来事について、あまり考ないようにすることにした。

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