一つのスキルで突き破れ

ノベルバユーザー332788

スキル発現のために

看守に怒られている時正座していたせいか足が痛いし少し寝不足だ。なのに、坂時雨は相変わらず隈一つ作らないで目を瞑ってジッとしている。あまりにも静かなのでほっぺをつまもうとすると坂時雨が目を開けた。次の瞬間喉元から生温かい血飛沫をあげていた。死ぬと思った時、頭の中で走馬灯が駆け巡りその場に倒れ込んだ。



パッと目を開けて体を勢いよく起こす
深呼吸をして自分自身が生きていることを確認する。「生きてる」口から思いかけずに言葉が漏れる。そうすると、うずくまっている坂時雨がこちらを見ながら「勘違いで死ぬのはどうだった?」と聞いてきた。
勘違いで死ぬ?確か坂時雨が俺をナイフで突き刺し殺したはず。考えても無駄だ。
この世界に元の世界の理論は通用しないので思い切って聞いてみた。「俺は死んだのか?」そうすると、坂時雨は笑いながら
「正解」と言った。
頭の中に??????と疑問符が浮かんだ。そうするとそれを汲み取ったかのように坂時雨は説明を始めた。
「言いたいことはたくさんあるがとりあえずお前がした行動、そこに今回の論点がある。おまえは私から見たら突然倒れただけだ。」頭の中が混乱する意味がわからない「いや、おまえに俺は刺されたはずだ。」そうすると、彼女は指を刺しながら
「おまえに幻術をかけた。」と言った。
早速異世界らしい感じで心が躍りかけたが、なぜ俺が倒れたのかが分からず考え込んでいると彼女が、「人は思い込みで死ねる。だからお前は私に刺された幻術をみて死んだと勘違いして気絶した。これがひどくなるとショック死というものになる。スキルは人それぞれだが、おまえは遺伝子なら元親方様と同様真似っこがうまいだろう。とりあえずこの技をお前には覚えてもらう!」と言い放ったのだ。
意味がわからないのでとりあえず自分自身のパラメータを開き自分の能力を確認する。しかし、そのような能力はないので、
「能力としてないのにどうにやって能力を引き出すんだ?」と聞くと少女は、俺の能力のパラメータを見つつ話し始めた。
「スキルの発動には極度の集中力が必要が必要なんだ。」
「イメージをくれ」
「イメージか、・・・まぁ、例えるなら集中してない時が立体でちょっと集中したときにそれが線となりもっと集中した時に点となる。この集中が点となる時に自分の感覚的にスキルが発動できる。」
イメージが出来ずポカーンとしていると、少女が「この牢にあと3日の猶予が与えられたあと十戒階級会議が行われて龍の腹か漆黒の洞窟のどっちかに送られてアイテムを手に入れないと帰ってこれないだろう。」と言う。あまりの理不尽さに目がきっとなっていると少女が真顔で、「お前の感情はどうでもいいが3日で仕上げないと命はなくなる。この牢で過ごす3日で仕上げるぞ。」
この後、地獄の試練が待っているとは思わなかった。




コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品