最強剣士異世界で無双する

夢見叶

第135話 決勝戦 5

「俺はこの嬢ちゃんの相手をすれば良いのか?」

 ミカの相手はブルームの男冒険者であった。

「俺は、レイって言うんだ。こんな可愛い嬢ちゃんを痛めつけないといけないなんて辛いぜ」

 一人で話しているレイ。

「あの~」

 ミカが話しに割り込もうとするが、

「そうだ。降参して俺達の仲間になれば俺は嬢ちゃんを傷つけなくて済むじゃないか。そうだそうしようじゃないか。それに一回戦の試合を見る限りそっちの実力トップは君だろう。あの坊やは男だと言う事でリーダーにされているだけなんだろう」

 金髪の髪をかき上げながら話している。

「一回戦見てすぐに分かったぜ、あんな粗末な試合をする奴がSランク冒険者なんてあり得ない。きっと君に金魚の糞のようにくっついていた結果偶然なれてしまったんだろう。そうに決まっているよね」

「静かに知れくれませんか」

 先程まで大人しく話しを聞いていたミカだったが、兄であるケンイチの事をバカにされた事で切れてしまった。

「さっきから黙って聞いていたら好き放題にいろいろ言ってくれますね。実力もない人はやはり口だけは達者なようで」

 ミカは、自分の言いたいことを言い終わると、腰に下げていた剣を抜き構える。ただし、今回はいつも使っている鉄の剣では無く、星剣を使おうとしたのである。そして、今回の大会前にケンイチが自身の力を制限して戦うと言ったことでミカ自身も全力を出さないように制限を掛けていたのである。ただし今回は、怒りのあまり、その制限を解き戦おう思ってしまった。

「凄く綺麗な剣だね」

 レイが話すことを一切聞こうとせずに魔力と一点に集めるミカ。

「雷速」

 足にあつめられた魔力を雷魔法へと変換して解き放つ。その速度は目にも止まらぬ速度レイへと向って行く。ミカはケンイチと違い気のコントロールが出来る訳では無い。足に集めることは出来てもそれ以外の事は出来ない。そのため魔法を使って攻めていくのである。

 一直線に向って行くミカに対して、

「フレイムウォール」

 レイは正面に火の壁を展開する。もの凄い速度向ってきているミカは急な方向転換は出来無いであろうと考えたのである。だが、ミカはレイの予想を裏切り、火の壁へとぶつかりそうになる瞬間に左へと動き壁を避けて向って行く。

 だが、そのことに気づかないレイは余裕の表情でいた。これで少しは自分の言うことを聞いてくれるのかなと自分に都合のいい妄想を思い浮かべていた。

「気持ち悪い顔してますね。あなたなんてお兄ちゃんの足下にも及びません。身の程を知りなさい」

「!!」

 突然目の前に現れたミカに対して突然の事で何が起きたのか分からず混乱しているレイ。

 自分が展開した火の壁にぶつかりダメージを負っているはずの相手が何故か目の前にいる。そして、目の前で意味の分からないセリフを吐いた。

「俺の顔が気持ち悪いだと、可愛がってやろうと思って手を抜いてやってたら調子に乗りやがって。頭にきたぜ。もう許さね。俺の事を気持ち悪いと言ったこと後悔させてやる」

「そうですか。でも、どうやってでしょう? あなたはもう終わりですが」

 ミカはレイを氷漬けにして動けなくしてたたけなくして戦闘終らせた。

「こんな相手でも殺せないからね。あ! お兄ちゃん達も終ったみたいだね」

 ケンイチの元へと行くのだった。

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