最強剣士異世界で無双する

夢見叶

第83話 盗賊

 翌日の朝。

 外から聞こえる音で目が覚めた。他の三人はまだ寝ている。

 昨夜は、高級な宿に泊まれると言うことで全員のテンションが高く夜遅くまで騒いでいたためまだ皆ぐっすりと寝ていた。

 俺は、部屋の窓から外を見てみると数人の男達が家の中に押し入っているのが見えた。家の人らしき人が『やめて』と叫んでいるがそんな事お構いなしに暴れる男達。

 俺は、急ぎ服を着替えて外へと出る。





「もうやめて下さい」

「やめるかよ。っおこれも金になりそうだ」

 女性の言葉なんてどうでもいいとばかりに家の中を荒らす男達。

「お母さん怖いよ」

「隠れてなさいって言ったでしょ」

「かわいい嬢ちゃんじゃね~か。こりゃ高く売れそうだ」

「やめて下さい。他の物は持っていてもらって構いません。ですからその子だけはやめて下さい」

「やめるかよ」

 男は女の子の手を引いて連れて行こうとする。

「ママ~!」

 女の子は必死に抵抗しようとするが大人の力にはかなわない。





 俺が宿の外に出たとき女のこが一人連れ去られようとしていた。

「あんた達がここ最近村で暴れているって言う盗賊のおじさん達なの?」

 少し子供っぽく言ってみる。

「それがどうかしたかガキ! 痛い目見たくなきゃお家に帰りな」

 俺に興味が無いようだ。

「それは出来ないよ。だって今から盗賊のおじさん達を倒さないといけないからね」

「面白いこと抜かし上がる。お前ら少し可愛がってやりな、別に殺しても構わねえぞ」

「分かりやしたぜ」

「少し遊んでやりますよ」

 二人の盗賊の男が腰の剣を抜きながら近づいてくる。

 俺は、様子を見ようと思い剣を抜かずに丸腰の状態でいる。

「なめてんのか? 腰に付けている剣は飾りか?」

 男の一人が行ってくるが、

「いえいえ、あなた達程度に剣を抜く必要性を感じないので」

 笑顔で答えると、

「一瞬であの世に送ってやる」

 殺気むき出しに向かってくる。

 男達は左右に分かれて攻撃を仕掛けてくる。ただしその攻撃は凄く遅く俺からしたらハエが止まるのではないかと思うくらいであった。

 その攻撃をギリギリでかわしてやると、お互いの攻撃は各々に当たり気絶して倒れる。

「弱!」

 お互いの攻撃を一撃受けた位で気絶するなんて弱すぎないかと思った。

「なかなかやるじゃないか」

 何もしてないのだが。

「それよりもそろそろその女の子からから手を離してくれませんか」

「それは出来ないな」

 残りの二人が男の前に立ち剣を構える。

「任せたぞ」

「了解!」

「任せて下せい」

 リーダーらしき男は女の子と奪った物を持ち逃げていく。

 俺はそのお床を追いかけようとするが二人の男が立ちはだかる。

「行かせないぜ」

「少しはやるみたいだが俺達二人を相手に何処までやれるかな」

 自信満々の二人。

「それじゃ」

 一撃で倒す。

 口ほどにも無い。

 だがリーダーらしき男との距離はかなり開いている。だが見える距離ならと転移魔法テレポートで男の前に移動する。

 いきなり俺が目の前に現れて事に驚いている。

「お前どうやって?」

「さあな、だがその子とお前が奪った物は返してもらうぜ」

「やってみろ」

「助けてお兄ちゃん」

「うっせえなガキが。少し静かにしてな」

 女の子を気絶させる。

「さあ始めようぜ」

 剣を構える男。それに合わせて俺も剣を構える。

「俺をさっきの奴らと同じだと思うなよ」

 かなり自信があるようだが。

「それならこちらも少しは楽しめるのかな」

「ああだがそれはお前次第だがな」

 勢いよく攻めてくる。最初は正面からかと思いきや直前で起動を変えて右へと回り込んできた。

 だが、

「驚きました。そんな小技が使えるなんて」

「そんな事を言う割に余裕そうに見えるが」

「ええ、動きが遅すぎて少し寝そうになりました」

 あくびをして見せる。

 かなりいらだっているようだ。

「これでもくらいあがれ」

 剣を振り下ろしてくるが、

「おっそ!」

 先に一撃を与えて倒す。

「これで全員倒せたかな」

 さっき気絶させられた女の子に回復魔法を掛けた後、母親の元へと抱えて連れて行く。

「ありがとうございます」

 泣きながら俺を言われた。

 俺は盗賊達五人を縛り動けないようにすると、

「ケンイチ何があったのよ?」

 三人が起きてきた。

「お前ら遅いぞ」

 などといいながあさっきまでの事を話す。

「盗賊達も災難ね。私達がいるときに襲いに来るなんて」

「結局こいつらのアジドを潰しに行くんだから遅いか早いかの違いしか無いだろう」

「それもそうだね」

 などと言いながら盗賊達を連れて冒険者ギルドへと向かうのだった。

 その間村の人達から拍手や歓声がやむことは無かった。

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