第19話　ケンイチの秘密

　俺は、シェリーとヒョウカに秘密を話すことにした。


　「俺はここと違う別の世界から転生してきた。」


　俺は、子供口調をやめて本来の話し方に戻した。俺の回答を聞いた2人は笑いながら、


　「冗談じゃなく、本当のことを話してよ。」


　「俺は、真面目に話しているんだけど。」


　「じゃあなに、あなたは本当にこことは違う別の世界があってそこからこの世界に生まれ変わってきたって言うの？」


　「さっきからそう言っているじゃないか。」


　シェリーは、未だに信じられないって顔をしていた。


　「もしもあなたが転生者だとしても、その強さは何なの？いくら転生者だからってその強さの説明にはなってないわよ。」


　「そうだね。それも話さないとね。」


　俺は2人に、生まれ変わるまでの話をした。


　「俺は、前世で剣術を学んでいたんだ。」


　「それがどう強さにつながるのよ。」


　「俺が学んでいた剣術はに技はなく、その代わり相手の動きを読みかわしてその隙を突いて攻撃を与えると言うものだった。この剣術は俺のいた世界では最強を誇っていた。そして俺はその技術を引き継いだままこの世界に転生してきた。」


　俺はまず自分の剣術について話したが、


　「それでそんなに強かったのね。でもあの魔法の説明がまだよ。」


　「この魔法は転生するときに神様からもらった能力だよ。」


　シェリーは、意味が分からんと言いたげな顔だった。


　「あなたやっぱりふざけてるでしょ。」


　「だから全て真実だよ。俺は神様のはからいでこの世界に転生できたんだよ。」


　俺は、真剣な顔でシェリーの目を見ながら言った。


　「あなたがそこまで言うなら信じるわよ。それで、あなたが使った魔法は何なの？」


　「この魔法は、全て特殊魔法と言う分類の魔法なんだよ。」


　「特殊魔法？」（シェリーとヒョウカ）


　俺の使った魔法の名称を聞いて2人揃って頭をひねっていた。


　「その特殊魔法って何なのよ。」


　「私も知りたい。」


　「知りたいと言われてもな今分かっているのは、この特殊魔法には結界と強化、探知、付与、転移、空間制御の６種類の魔法が存在することと、この魔法にはランクが存在しないことくらいだよ。」


　俺は、今現状でこの魔法について分かっている事を２人に話した。


　「使用者本人にも分からない魔法ってあるのね。」


　「そうだね。でもこの魔法は、いろいろ便利に使えるから気にはしてないんだけどね。」


　「それでケンイチが手に持っている剣は何なの？」


　シェリーは俺の持つ薄青色の剣に興味があるらしく聞いてきた。俺は、異空間収納からもう１つの赤い剣を出しながら、


　「これも神からもらった剣だよ。この薄青色の剣は氷魔剣。魔力を通すことで冷気を出すことが出来る剣でこっちの赤い剣が剛炎剣。魔力を通すことで火を纏わせることが出来るんだ。」


　俺が剣の説明をすると、２人は目を丸くして驚いていた。


　「それって神器じゃないの？」


　シェリーの口から聞いたことの無い言葉が出てきた。それについて聞いて見ると、


　「神器は、この世界にある７つの道具。もの凄い力が秘められているものらしいよ。」


　ヒョウカが説明してくれた。


　「神器かどうかは俺にも分からないけど、かなり貴重な物らしいね。」


　「そうね。分からないことも多いけどそれは、これからいろいろと調べていけばいいものね。」


　シェリーは不適な笑みを浮かべながら俺に言ってきた。


　話が終わった俺達３人は森を後にして王都へ戻った。帰りは、王都の西門近くにテレポートを使い３人揃って戻った。森から王都の西門近くに一瞬で移動したのを見て、かなり驚いてはいたが、すぐに正気に戻り、先生達と合流した。


　「ケンイチ君にシェリーさんとヒョウカさん無事でよかったです。怪我とかは無いですか？」


　「はい大丈夫です。」


　ミシェル先生は、俺の言葉を聞き一安心した様子で、他の生徒達と同じように並ぶように指示を出した。


　それから、簡単にミシェル先生からの話が終わると、今日は解散となった。


　シェリーとヒョウカと寮へと戻ろうとすると、


　「ケンイチ君、あなたには聞きたいことがありますので一緒に来てもらへますか？」


　ミシェル先生に聞かれた俺は、


　「分かりました。」


　俺の答えを聞いた先生は、学院の方向へと歩き始めた。