最強剣士異世界で無双する
第0話 プロローグ
俺は異世界に転生した。
俺の名は、戦道剣一十八歳。都内の学校に通う高校三年生だった。身長は百八十前半で黒髪短髪だった。代々俺の家は、神道一刀流の流派を継承してきた。父は、この流派の二十二代目後継者で有り俺は将来父の後を継ぎ二十三代目になる予定だった。そのため、小さい頃より父から厳しい稽古を受けてきた。そんな俺は、不運と、偶然と思える奇跡により異世界に転生してしまったのだ。その偶然が何だったかと言うと、話は少し前に遡る。
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「ただいまより第二十三回全国高校生剣道大会を始めます」
司会者の言葉で今年の全国大会が始まった。
今年は神奈川県の小田原アリーナで開催された。
「一回戦第三試合の戦道選手と峰選手は指定の場所にお集まりください」
アナウンスの声を聞き試合の場所へと向かった。
俺が呼ばれた場所に到着すると、対戦相手の峰選手が先に到着していた。俺達は審判さんの指示に従い面をつけて準備を始めた。お互い準備が終わると白線の外側に立ち、
「お願いします!!」(俺と峰選手)
お互いに一礼しながら大きな声で挨拶し、開始線まで三歩で向かう。その後、帯刀していた竹刀を抜き蹲踞の姿勢で主審も『始め』の宣言を待つ。
主審と副審二人の準備が整い、主審より試合開始の合図がされた。
試合が始まると、お互い気合いを入れるため大声で叫びながら、お互いの間合いを少しずつ縮めていき、お互いの間合いに入ったところで、先に攻めてきたのは、対戦相手の峰選手だった。
峰選手は、俺の面めがけて竹刀を振ってきた。その攻撃を冷静に見ながら左に数センチ動くことで向かってくる竹刀をギリギリの所でかわした。その後も、小手と面を狙った攻撃は二・三回続いたがその全てをギリギリの所でかわしながら試合は進んでいく。
四回目の峰選手の面を狙った攻撃を今度は、右へかわすと同時に相手のあいていた胴を打ち一本を取り一回戦を勝った。
試合終了後、お互いに礼をした後、俺は壁際に座り一度面を外してため息をついた。
「は~~。体の調子は文句なしだけど相手が弱すぎる。これじゃ今年も本気を出さずに終わるな」
俺は、誰にも聞こえないような小さな声で、呟いていた。今年でこの大会も三回目の出場となり去年、一昨年とも優勝している。今年も優勝すれば三連覇史上初となる快挙になるため学校や周りの期待がすごい。
ただ俺自身は、正直どうでもよかった。などと考えていると、横から声が聞こえてきた。
「お兄ちゃん。一回戦突破おめでとう。さすがだね」
声の主は俺の妹の戦道美香であった。妹は一昨日にあった全中の試合で女子では初の三年連続優勝を成し遂げていた。今日は俺の応援に来てくれたみたいだ。
「お兄ちゃん、この調子なら三連覇も余裕だね」
妹が自分のことのように喜んでいるが、俺自身は、優勝や三連覇に興味はなかった。だが、妹の前だったこともあり、
「ああそうだな。頑張るよ」
と、答えるしかなかった。そんな会話をしていると、
「ただいまより二回戦を行います。選手の皆様は指定の場所にお集まりください」
アナウンスを聞いた俺は、受付の対戦表を確認した後、対戦場所に向かった。
その後二回戦以降は開始十秒ほどで面で一本を取り勝ち進み決勝まで駒を進めていた。
決勝の相手は去年も当たった相手で、京都府代表の甲坂誠二であった。それを知った俺は、
「はぁ~~。今年もあいつかよ」
ため息をついてしまった。
「お兄ちゃんそんなこと言ったらダメだよ。甲坂さんは、きっとお兄ちゃんのことライバルと思っているはずだよ」
妹はこのように言ってくれるが、決勝の相手、甲坂誠二とはこの三年間毎回決勝で当たっている。そして、そのたびに瞬殺で終わらして勝っていた。今年こそは、少しは強くなっていて欲しいと、妹の言葉を聞きながら思っていた。
決勝は昼休憩を挟み、十三時半から始まった。
「ただいまより個人戦の決勝戦を始めます。戦道選手と、甲坂選手は会場中央へお集まりください」
十三時半になるとアナウンスにより、決勝戦の開始が告げられた。俺達二人、面をつけてから会場中央に向かった。その場所には、午前の試合にはなかった白いテープが貼ってあり、決勝の準備が終わっていた。
俺は、右側に、甲坂は左側に向かい合わせには白いテープの外側に立ち、
「お願いします!!」(戦道と甲坂)
お互いに一礼をしながら大きな声で挨拶をし、中央の開始線へ三歩で向かい帯刀していた竹刀を抜き、蹲踞の姿勢で開始の合図を待っていたそのときに、
「去年は惜しくも負けたが今年は勝つからな、覚悟しろよ」
甲坂は俺にだけ聞こえる声で呟いてきた。去年の試合も開始十五秒程で終わった。普通に考えれば甲坂のぼろ負けである。まあ、勝つと言うのなら何か作でもあるのだろうから少し様子をみてみるかと考えていると、
主審と副審二人の準備が整い、主審による『開始』の合図が入った。
立ち上がると、お互い最初はにらみ合った状態が五秒ほどつづいた。その後、最初に動きを見せたのは甲坂の方だった。勢いよく俺の面にめがけて竹刀を振り下ろしてきた。俺は、その攻撃を真正面から受けて立ち鍔迫り合いになったが、すぐさま俺は引き面を打ち後ろに下がり相手の間合いギリギリ外で構え直した。
その時、周りからは、
「戦道頑張れ。俺はおまえの三連覇を見に来たんだぞ」
「甲坂勝てよ」
「三連覇を絶対阻止しろ」
「戦道先輩頑張ってください」
「お兄ちゃん頑張れ~~」
などいろいろな歓声が飛び交っていた。
甲坂は、俺が構え直す瞬間を狙いもう一度攻めてきた。先ほど同じく面に向かって竹刀を振り下ろしてきたが、今度はそれを完全に見切り、数センチ右に動くことで完全に交わしたのである。では、なぜ先ほどは竹刀で受けたのかというと、去年よりも彼のスピードと技の切れが上がっていてその上方修正の為に一度受け手つばぜり合いに持ち込んだのである。
俺が、彼の動きを見切ってからは、打ってくる技は、全て当たらずかわしていた。
そして、試合開始三十秒が経過するこには、俺は攻めに転じ始めていた。最初の三十秒は、あいつの開始前に言ってた言葉が気になったのも有り、去年よりどれだけ成長したかを見るためにあえて攻撃をせずにかわしていた。でもその必要がなくなった俺は、彼がこちらの小手めがけて攻撃してきたが、俺はその攻撃を右へかわし、彼の小手を取り一本勝ちを決めた。
その後、団体戦も終わり閉会式が始まった。俺は、表彰を受けながら今年も本気を出せなかったと思っていた。結局決勝戦も最初の攻撃以外は全て簡単に見切ることができてしまった。最初の三十秒はそれでも様子を見ていたがその少しの時間で彼の今の実力も分かってしまいその後はすぐに決着がついてしまった。俺が本気を出せる相手はもういないのかなと、思っていた。
閉会式も、つつがなく終わった。俺が着替え終わり、出口を出たところで、
「お兄ちゃん、おめでとう。これで三連覇。やっぱり私のお兄ちゃんは最強だね」
妹は、俺に飛びつき耳もとでささやいてきた。その後、俺たち二人は、一緒に家へ帰り始めた。
空は、すでに暗くなっていた。帰り道の途中にある交差点の赤信号で止まっていたとき、俺はふと空を見上げた。すると、一つの流れ星が流れるのを見た。それを見て俺はつい、
「俺と互角もしくは、俺よりも強いやつのいる世界にいけたらな」
などと、誰にも聞こえない声で呟いていた。俺は、空を見ることに意識がいっていて、近づいてきていた居眠り運転のトラックに気づけなかった。
「お兄ちゃん、危ない逃げて-!」
妹はトラックに引かれかけていた俺に向かって叫んだ。だがそれは少し遅かった。トラックはすでに俺の目の前に迫っていて、逃げることが出来ずに引かれてしまったのだ。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん。死なないでよ。お兄ちゃん~」
意識が薄れていくなかで妹の叫び声だけ聞こえてきた。そして声が終わると同時に俺の意識は途切れた。
これが、俺に訪れた不運であった。
俺が、次に目を開けるとそこは、真っ白い部屋の中にいて、目の前には、とてもきれいな女性がいた。
俺の名は、戦道剣一十八歳。都内の学校に通う高校三年生だった。身長は百八十前半で黒髪短髪だった。代々俺の家は、神道一刀流の流派を継承してきた。父は、この流派の二十二代目後継者で有り俺は将来父の後を継ぎ二十三代目になる予定だった。そのため、小さい頃より父から厳しい稽古を受けてきた。そんな俺は、不運と、偶然と思える奇跡により異世界に転生してしまったのだ。その偶然が何だったかと言うと、話は少し前に遡る。
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「ただいまより第二十三回全国高校生剣道大会を始めます」
司会者の言葉で今年の全国大会が始まった。
今年は神奈川県の小田原アリーナで開催された。
「一回戦第三試合の戦道選手と峰選手は指定の場所にお集まりください」
アナウンスの声を聞き試合の場所へと向かった。
俺が呼ばれた場所に到着すると、対戦相手の峰選手が先に到着していた。俺達は審判さんの指示に従い面をつけて準備を始めた。お互い準備が終わると白線の外側に立ち、
「お願いします!!」(俺と峰選手)
お互いに一礼しながら大きな声で挨拶し、開始線まで三歩で向かう。その後、帯刀していた竹刀を抜き蹲踞の姿勢で主審も『始め』の宣言を待つ。
主審と副審二人の準備が整い、主審より試合開始の合図がされた。
試合が始まると、お互い気合いを入れるため大声で叫びながら、お互いの間合いを少しずつ縮めていき、お互いの間合いに入ったところで、先に攻めてきたのは、対戦相手の峰選手だった。
峰選手は、俺の面めがけて竹刀を振ってきた。その攻撃を冷静に見ながら左に数センチ動くことで向かってくる竹刀をギリギリの所でかわした。その後も、小手と面を狙った攻撃は二・三回続いたがその全てをギリギリの所でかわしながら試合は進んでいく。
四回目の峰選手の面を狙った攻撃を今度は、右へかわすと同時に相手のあいていた胴を打ち一本を取り一回戦を勝った。
試合終了後、お互いに礼をした後、俺は壁際に座り一度面を外してため息をついた。
「は~~。体の調子は文句なしだけど相手が弱すぎる。これじゃ今年も本気を出さずに終わるな」
俺は、誰にも聞こえないような小さな声で、呟いていた。今年でこの大会も三回目の出場となり去年、一昨年とも優勝している。今年も優勝すれば三連覇史上初となる快挙になるため学校や周りの期待がすごい。
ただ俺自身は、正直どうでもよかった。などと考えていると、横から声が聞こえてきた。
「お兄ちゃん。一回戦突破おめでとう。さすがだね」
声の主は俺の妹の戦道美香であった。妹は一昨日にあった全中の試合で女子では初の三年連続優勝を成し遂げていた。今日は俺の応援に来てくれたみたいだ。
「お兄ちゃん、この調子なら三連覇も余裕だね」
妹が自分のことのように喜んでいるが、俺自身は、優勝や三連覇に興味はなかった。だが、妹の前だったこともあり、
「ああそうだな。頑張るよ」
と、答えるしかなかった。そんな会話をしていると、
「ただいまより二回戦を行います。選手の皆様は指定の場所にお集まりください」
アナウンスを聞いた俺は、受付の対戦表を確認した後、対戦場所に向かった。
その後二回戦以降は開始十秒ほどで面で一本を取り勝ち進み決勝まで駒を進めていた。
決勝の相手は去年も当たった相手で、京都府代表の甲坂誠二であった。それを知った俺は、
「はぁ~~。今年もあいつかよ」
ため息をついてしまった。
「お兄ちゃんそんなこと言ったらダメだよ。甲坂さんは、きっとお兄ちゃんのことライバルと思っているはずだよ」
妹はこのように言ってくれるが、決勝の相手、甲坂誠二とはこの三年間毎回決勝で当たっている。そして、そのたびに瞬殺で終わらして勝っていた。今年こそは、少しは強くなっていて欲しいと、妹の言葉を聞きながら思っていた。
決勝は昼休憩を挟み、十三時半から始まった。
「ただいまより個人戦の決勝戦を始めます。戦道選手と、甲坂選手は会場中央へお集まりください」
十三時半になるとアナウンスにより、決勝戦の開始が告げられた。俺達二人、面をつけてから会場中央に向かった。その場所には、午前の試合にはなかった白いテープが貼ってあり、決勝の準備が終わっていた。
俺は、右側に、甲坂は左側に向かい合わせには白いテープの外側に立ち、
「お願いします!!」(戦道と甲坂)
お互いに一礼をしながら大きな声で挨拶をし、中央の開始線へ三歩で向かい帯刀していた竹刀を抜き、蹲踞の姿勢で開始の合図を待っていたそのときに、
「去年は惜しくも負けたが今年は勝つからな、覚悟しろよ」
甲坂は俺にだけ聞こえる声で呟いてきた。去年の試合も開始十五秒程で終わった。普通に考えれば甲坂のぼろ負けである。まあ、勝つと言うのなら何か作でもあるのだろうから少し様子をみてみるかと考えていると、
主審と副審二人の準備が整い、主審による『開始』の合図が入った。
立ち上がると、お互い最初はにらみ合った状態が五秒ほどつづいた。その後、最初に動きを見せたのは甲坂の方だった。勢いよく俺の面にめがけて竹刀を振り下ろしてきた。俺は、その攻撃を真正面から受けて立ち鍔迫り合いになったが、すぐさま俺は引き面を打ち後ろに下がり相手の間合いギリギリ外で構え直した。
その時、周りからは、
「戦道頑張れ。俺はおまえの三連覇を見に来たんだぞ」
「甲坂勝てよ」
「三連覇を絶対阻止しろ」
「戦道先輩頑張ってください」
「お兄ちゃん頑張れ~~」
などいろいろな歓声が飛び交っていた。
甲坂は、俺が構え直す瞬間を狙いもう一度攻めてきた。先ほど同じく面に向かって竹刀を振り下ろしてきたが、今度はそれを完全に見切り、数センチ右に動くことで完全に交わしたのである。では、なぜ先ほどは竹刀で受けたのかというと、去年よりも彼のスピードと技の切れが上がっていてその上方修正の為に一度受け手つばぜり合いに持ち込んだのである。
俺が、彼の動きを見切ってからは、打ってくる技は、全て当たらずかわしていた。
そして、試合開始三十秒が経過するこには、俺は攻めに転じ始めていた。最初の三十秒は、あいつの開始前に言ってた言葉が気になったのも有り、去年よりどれだけ成長したかを見るためにあえて攻撃をせずにかわしていた。でもその必要がなくなった俺は、彼がこちらの小手めがけて攻撃してきたが、俺はその攻撃を右へかわし、彼の小手を取り一本勝ちを決めた。
その後、団体戦も終わり閉会式が始まった。俺は、表彰を受けながら今年も本気を出せなかったと思っていた。結局決勝戦も最初の攻撃以外は全て簡単に見切ることができてしまった。最初の三十秒はそれでも様子を見ていたがその少しの時間で彼の今の実力も分かってしまいその後はすぐに決着がついてしまった。俺が本気を出せる相手はもういないのかなと、思っていた。
閉会式も、つつがなく終わった。俺が着替え終わり、出口を出たところで、
「お兄ちゃん、おめでとう。これで三連覇。やっぱり私のお兄ちゃんは最強だね」
妹は、俺に飛びつき耳もとでささやいてきた。その後、俺たち二人は、一緒に家へ帰り始めた。
空は、すでに暗くなっていた。帰り道の途中にある交差点の赤信号で止まっていたとき、俺はふと空を見上げた。すると、一つの流れ星が流れるのを見た。それを見て俺はつい、
「俺と互角もしくは、俺よりも強いやつのいる世界にいけたらな」
などと、誰にも聞こえない声で呟いていた。俺は、空を見ることに意識がいっていて、近づいてきていた居眠り運転のトラックに気づけなかった。
「お兄ちゃん、危ない逃げて-!」
妹はトラックに引かれかけていた俺に向かって叫んだ。だがそれは少し遅かった。トラックはすでに俺の目の前に迫っていて、逃げることが出来ずに引かれてしまったのだ。
「お兄ちゃん、お兄ちゃん。死なないでよ。お兄ちゃん~」
意識が薄れていくなかで妹の叫び声だけ聞こえてきた。そして声が終わると同時に俺の意識は途切れた。
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