聖獣物語 〜いざ頂点へ〜
7話 「願い」を受け取って
僕は呆然とした頭で、ステータスを再度見直した。
星崎 玲 Lv1
性別 男
麒麟族 麒麟
[光之神]
HP 100/100
MP 10/10
筋力 G- 30
技術 G- 40
敏捷 G- 30
防御 G- 20
精神 G- 40
固有スキル
【光剣】
スキル
【変幻自在】
…やはり変わっていない事実に顔をしかめながら、あの夢の内容を思い起こしていた。…あの夢が本物だったとするならば、本当に僕は麒麟になってしまったのだろう。そして、ふとあることを思い出した。
「もし玄武族にでも知られたら確実に殺されるからな」
それが事実ならなんとかしなきゃバッドエンドしか見えないな…。だからと言ってステータスを変えられるわけでもないし、駆が言ってた道具とやらがあるならば、見せないというわけにもいかないだろう。
はあ…。あの麒麟、いや元麒麟め!どうする気だよ僕を…。
「…レイ!」
「っ!ごめん。もしかしてさっきから呼んでたか?」
「はあ…。お前ステータス見てからずっとぼーっとしてたんだぞ?ほんとにその妄想癖直せよな」
「だから何もやましいことは考えてないからな!」
「それはいいとして、ステータスなんか変だったのか?じゃなきゃそんな考え込まないだろ」
…忘れていた。駆は無駄に勘がいいんだった…。
「そ、そうなんだ。なんかステータスがすごい低くてさ…。全部G-だぞ?」
「…は?そりゃ皆同じじゃないのか?俺も全部G-だよ?」
「…良かった〜。なんか無駄に心配してたみたいだ」
「そんなこと考えてたのかよ…。まあ何もなくて良かったけどな」
「…ありがとな」
ふぅ…。嘘つくのは辛いが仕方ない。いずれ駆には話したいが今は言う必要も無いだろう。
とりあえずリンゼがなにか言う前に、僕はさっきから気になっていたスキルを見ていた。
【変幻自在】
一体これは何のスキルなんだろうか。名前からして何かを変えるスキルのような気がするが…。どうにかして内容を知ろうとステータスプレートを触っていると、ポン、という軽い音がして急に画面が変化した。
【変幻自在】
発動型スキル。
自分の容姿や大きさを自由に変えることができる。尚、自分の形からかけ離れるほどMPを多く消費する。MPが不足すると自動で解除される。(ステータスの改変も自由に行える。元のステータスは変化しない)
なるほど、こうすれば見れるのか、と感心する暇もなく、僕の目は最後の括弧書きに吸い込まれていた。そうか、だからあのときスキルを役立ててくれと言われたのか。驚きを顔に出さないようにしながら、僕はスキルの使い方を考えていた。
とりあえず心の中で念じてみる。
(変幻自在)
すると突然、体の中からもやもやとした力が湧き出てくるのを感じた。意識を持っていかれそうな衝動に耐えながら、ステータスになんとか意識を動かす。今まで感じたことのない息苦しさと倦怠感に、吐き気を抑えながら意識を集中していくと、またもやポン、と軽い音がしてステータスが歪み始めた。
今までにない精神力で(実際は40しかないが)僕は必死にステータスをいじり、終わると同時に目の前が真っ暗になるのを感じた。…今日は何回倒れるんだろうな。
「…レイ!大丈夫か!」
「…ん…ああ駆か…」
「ああじゃねえよ!お前ほんと今日どうかしてるぞ?!一人で考えてたかと思ったら急に倒れて!心配かけんなよ!」
「…ごめん」
「全く…。みんな先行ったから俺らも行くぞ」
「ああ。…後で必ず言うから」
「なんか言ったか?」
「…いいや。さ、もう大丈夫だから行こうぜ」
今はまだ言えない。だがいつかは言わなくてはならないだろう。こんなにも自分を心配してくれる親友がいるというのに。
少しの罪悪感に苦しめられながら、僕は立ち上がる。少し先にクラスの皆がいるのを見て歩き出そうとしたその時。僕はふと倒れた原因に思い当たった。
(もしかして…MP?)
MP枯渇、というのはよく聞く話だ。と言っても小説の中だけだが。あの倦怠感は枯渇によるものだったのかもしれない。まあとりあえずステータスを見れば分かるだろう。じゃあ早速…
「ステータ」
「お〜い、レイ?もう、行くぞ?妄想の彼女とそろそろ別れたら?」
…やばい。駆が怒っている。流石に堪忍袋の緒が切れたらしい。
「…ごめん、気をつける。…てか妄想の彼女なんかいないし!」
冷ややかな目で見られた僕は、照れ隠しのようにクラスの皆の所に急いだ。
星崎 玲 Lv1
性別 男
麒麟族 麒麟
[光之神]
HP 100/100
MP 10/10
筋力 G- 30
技術 G- 40
敏捷 G- 30
防御 G- 20
精神 G- 40
固有スキル
【光剣】
スキル
【変幻自在】
…やはり変わっていない事実に顔をしかめながら、あの夢の内容を思い起こしていた。…あの夢が本物だったとするならば、本当に僕は麒麟になってしまったのだろう。そして、ふとあることを思い出した。
「もし玄武族にでも知られたら確実に殺されるからな」
それが事実ならなんとかしなきゃバッドエンドしか見えないな…。だからと言ってステータスを変えられるわけでもないし、駆が言ってた道具とやらがあるならば、見せないというわけにもいかないだろう。
はあ…。あの麒麟、いや元麒麟め!どうする気だよ僕を…。
「…レイ!」
「っ!ごめん。もしかしてさっきから呼んでたか?」
「はあ…。お前ステータス見てからずっとぼーっとしてたんだぞ?ほんとにその妄想癖直せよな」
「だから何もやましいことは考えてないからな!」
「それはいいとして、ステータスなんか変だったのか?じゃなきゃそんな考え込まないだろ」
…忘れていた。駆は無駄に勘がいいんだった…。
「そ、そうなんだ。なんかステータスがすごい低くてさ…。全部G-だぞ?」
「…は?そりゃ皆同じじゃないのか?俺も全部G-だよ?」
「…良かった〜。なんか無駄に心配してたみたいだ」
「そんなこと考えてたのかよ…。まあ何もなくて良かったけどな」
「…ありがとな」
ふぅ…。嘘つくのは辛いが仕方ない。いずれ駆には話したいが今は言う必要も無いだろう。
とりあえずリンゼがなにか言う前に、僕はさっきから気になっていたスキルを見ていた。
【変幻自在】
一体これは何のスキルなんだろうか。名前からして何かを変えるスキルのような気がするが…。どうにかして内容を知ろうとステータスプレートを触っていると、ポン、という軽い音がして急に画面が変化した。
【変幻自在】
発動型スキル。
自分の容姿や大きさを自由に変えることができる。尚、自分の形からかけ離れるほどMPを多く消費する。MPが不足すると自動で解除される。(ステータスの改変も自由に行える。元のステータスは変化しない)
なるほど、こうすれば見れるのか、と感心する暇もなく、僕の目は最後の括弧書きに吸い込まれていた。そうか、だからあのときスキルを役立ててくれと言われたのか。驚きを顔に出さないようにしながら、僕はスキルの使い方を考えていた。
とりあえず心の中で念じてみる。
(変幻自在)
すると突然、体の中からもやもやとした力が湧き出てくるのを感じた。意識を持っていかれそうな衝動に耐えながら、ステータスになんとか意識を動かす。今まで感じたことのない息苦しさと倦怠感に、吐き気を抑えながら意識を集中していくと、またもやポン、と軽い音がしてステータスが歪み始めた。
今までにない精神力で(実際は40しかないが)僕は必死にステータスをいじり、終わると同時に目の前が真っ暗になるのを感じた。…今日は何回倒れるんだろうな。
「…レイ!大丈夫か!」
「…ん…ああ駆か…」
「ああじゃねえよ!お前ほんと今日どうかしてるぞ?!一人で考えてたかと思ったら急に倒れて!心配かけんなよ!」
「…ごめん」
「全く…。みんな先行ったから俺らも行くぞ」
「ああ。…後で必ず言うから」
「なんか言ったか?」
「…いいや。さ、もう大丈夫だから行こうぜ」
今はまだ言えない。だがいつかは言わなくてはならないだろう。こんなにも自分を心配してくれる親友がいるというのに。
少しの罪悪感に苦しめられながら、僕は立ち上がる。少し先にクラスの皆がいるのを見て歩き出そうとしたその時。僕はふと倒れた原因に思い当たった。
(もしかして…MP?)
MP枯渇、というのはよく聞く話だ。と言っても小説の中だけだが。あの倦怠感は枯渇によるものだったのかもしれない。まあとりあえずステータスを見れば分かるだろう。じゃあ早速…
「ステータ」
「お〜い、レイ?もう、行くぞ?妄想の彼女とそろそろ別れたら?」
…やばい。駆が怒っている。流石に堪忍袋の緒が切れたらしい。
「…ごめん、気をつける。…てか妄想の彼女なんかいないし!」
冷ややかな目で見られた僕は、照れ隠しのようにクラスの皆の所に急いだ。
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