聖獣物語 〜いざ頂点へ〜
5話 鶴崎の正体
鶴崎は何者なんだ?今までただ天才で無表情のよくわからないやつ、としか見てこなかったが、この世界を作ったのもあいつなのかもしれない…。
だとしたらなんで僕らをここに連れてきたんだろうか。そう考えている間も、鶴崎と斉藤の言い合いは続いていた。
「残念。もう少し穏便に話を聞いてもらいたかったのだが…。強制はしたくなかったのだが、仕方がない。皆すまない。逃亡防止のために動かないようにさせてもらう」
そういうと鶴崎はおもむろに手を伸ばした。そして…
「拘束之風!」
…なんだ今の厨二病心をくすぐるのは。他のやつらも驚いた顔で鶴崎を見つめている。意外だな、あいつもそういうのに興味あったのか…。と思った瞬間だった。
「…っ!なんだこれ!」
そう、なぜか体が全く動かなくなり、唯一動く顔を下に向けてみると、体中につむじ風が巻き付いていた。…今のはマジだったのか!
「レイ!大丈夫か!」
「大丈夫な訳ないだろ!くそ…動かない」
体は中枢神経を失ったかのようにまるで言うことを聞かない。顔だけ出して土に埋められているような、そんな感覚が僕を襲う。
「おい!鶴崎てめえ!俺らに何した!」
斉藤は鶴崎にさらに噛み付いているし、他のクラスメイトも落ち着きがなくなって完全に荒れている。
「はあ…。すまないな。君たちには少し話を聞いてもらいたいのだ。もし、黙って聞けないというのならば…」
「だったら何だよ?ああ?」
「…さあな?」
その瞬間、僕の背中にすっと悪寒が走った。そして徐々に感じる恐怖の感情。鶴崎に対する畏怖の念。皆言葉を発することもできず、ただただ目の前の強者に怯えることしかできない。
…これが殺気というやつか。
「…っ!…わかった。黙るから…それ以上はやめてくれ…。」
近くにいた斉藤はもう死にそうな顔をしている。…あの殺気を至近距離はきついだろうな…。
「…わかったならいい」
ふっ、と周囲の空気が元に戻る。
「…はぁ…はぁ…」
「…レイ?お前…もしかして漏らしたりはしてない「な訳ないだろ!」…良かった」
はあ…何言ってんだか。
…今ので確信した。少なくとも鶴崎が、信じたくはないがこの世界の人間であることに間違いはないだろう…。
「…よし。では改めて話を聞いてもらう前に…解除してあげよう」
体を包むつむじ風は消え、やっと体が言うことを聞くようになった。あの嫌な感覚は忘れられないだろうな…。
「では…改めて始めるとしよう。」
体の感覚が戻った余韻に浸る間もなく、そこからありえない内容のまたまたありえないほどの長い長い話を聞かされたのだった…。
一つだけまとめると、鶴崎はこの異世界である「アルケオン」の人間であり、名を「リンゼ」というらしい。
聖獣世界「アルケオン」
それがこの世界の名前だ。
僕はとんでもない世界に来てしまったようだ…。
だとしたらなんで僕らをここに連れてきたんだろうか。そう考えている間も、鶴崎と斉藤の言い合いは続いていた。
「残念。もう少し穏便に話を聞いてもらいたかったのだが…。強制はしたくなかったのだが、仕方がない。皆すまない。逃亡防止のために動かないようにさせてもらう」
そういうと鶴崎はおもむろに手を伸ばした。そして…
「拘束之風!」
…なんだ今の厨二病心をくすぐるのは。他のやつらも驚いた顔で鶴崎を見つめている。意外だな、あいつもそういうのに興味あったのか…。と思った瞬間だった。
「…っ!なんだこれ!」
そう、なぜか体が全く動かなくなり、唯一動く顔を下に向けてみると、体中につむじ風が巻き付いていた。…今のはマジだったのか!
「レイ!大丈夫か!」
「大丈夫な訳ないだろ!くそ…動かない」
体は中枢神経を失ったかのようにまるで言うことを聞かない。顔だけ出して土に埋められているような、そんな感覚が僕を襲う。
「おい!鶴崎てめえ!俺らに何した!」
斉藤は鶴崎にさらに噛み付いているし、他のクラスメイトも落ち着きがなくなって完全に荒れている。
「はあ…。すまないな。君たちには少し話を聞いてもらいたいのだ。もし、黙って聞けないというのならば…」
「だったら何だよ?ああ?」
「…さあな?」
その瞬間、僕の背中にすっと悪寒が走った。そして徐々に感じる恐怖の感情。鶴崎に対する畏怖の念。皆言葉を発することもできず、ただただ目の前の強者に怯えることしかできない。
…これが殺気というやつか。
「…っ!…わかった。黙るから…それ以上はやめてくれ…。」
近くにいた斉藤はもう死にそうな顔をしている。…あの殺気を至近距離はきついだろうな…。
「…わかったならいい」
ふっ、と周囲の空気が元に戻る。
「…はぁ…はぁ…」
「…レイ?お前…もしかして漏らしたりはしてない「な訳ないだろ!」…良かった」
はあ…何言ってんだか。
…今ので確信した。少なくとも鶴崎が、信じたくはないがこの世界の人間であることに間違いはないだろう…。
「…よし。では改めて話を聞いてもらう前に…解除してあげよう」
体を包むつむじ風は消え、やっと体が言うことを聞くようになった。あの嫌な感覚は忘れられないだろうな…。
「では…改めて始めるとしよう。」
体の感覚が戻った余韻に浸る間もなく、そこからありえない内容のまたまたありえないほどの長い長い話を聞かされたのだった…。
一つだけまとめると、鶴崎はこの異世界である「アルケオン」の人間であり、名を「リンゼ」というらしい。
聖獣世界「アルケオン」
それがこの世界の名前だ。
僕はとんでもない世界に来てしまったようだ…。
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