甘え上手な彼女4 冬編
第66話
*
クリスマス会が終わり、生徒が全員帰ったのを確認した後、大石は学校の扉に鍵を掛けた。
「はぁ……」
大石はため息を吐きながら、車を止めてある駐車場に向かった。
「あ、幸輔さん来たんですね」
「えぇ、鍵を掛けてきたので……もう呼び方を変えてるんですか……」
「はい! あ、幸輔さんも二人っきりの時は名前で呼んでくださいね!」
「いや……私はまだ心の準備が……」
「呼んでくださいね!」
「いや、ですから……」
「ねっ!」
「うっ……はい……」
愛奈に圧倒され、大石は思わず頷く。
そんな大石を見た愛奈は満足そうに笑い、大石の車の助手席に乗る。
「さぁ! 早くクリスマスデートの続きをしましょう!!」
「本当に私の家に来るんですか……」
「む、なんですか? その嫌そうな顔は?」
「だって……絶対に襲いますよね?」
「もう、何を言ってるんですか~、私だって大人の女性ですよ? そんな自分からだなんてはしたない」
「自分からキスを迫っていた人が言わないでください……」
大石は愛奈にそう言いながら、運転席に座る。
すると愛奈は素早い動きで、大石の手を握った。
「……運転しにくいんですが?」
「幸輔さん、運転の時はほとんど片手で運転してるじゃないですか? たばこを吸いながら運転してたこともあったし」
「それとこれとは状況が違います……」
大石はため息を吐き、車のエンジンをかけて車を動かし始める。
「大体……確かに付き合うとは言いましたが、物事には順序と言うものがですね……」
「キスしたら次にやることは決まってるじゃ無いですか?」
「……貴方のその考えは間違ってると思います……」
大石は愛奈にそう言い、胸ポケットのたばこに手を掛ける……しかし……。
「あれ? 吸わないんですか?」
「はい……あぁ……なんか今から禁煙しようかなって」
「え? なんでですか?」
「はぁ……貴方も結構鈍感だと思いますけど?」
「え?」
大石はたばこに手を掛けていた手を愛奈の手に戻す。
「あ、そう言えば幸輔さん」
「なんですか?」
「まだクリスマスプレゼントを渡してませんでしたね、後でベッドの上で渡しますね」
「なんでベッドなんですか? シチュエーションが怖いんですけど……」
「怖くなんてありませんよ! 安心してください、きっと気に入ります!」
「何がですか……」
大石は愛奈に静かにツッコミながら、自分の家まで車を走らせる。
*
高志は家に帰宅していた。
最低最悪のクリスマスだと、高志自身はそう思っていた。
いくら紗弥に連絡を取っても相手にされず、自分が完璧に振られてしまったと高志はそう思っていた。
「にゃ……」
「ん? あぁ……ちょっと一人にさせてくれ……」
「んにゃぁ~」
高志が自室のベッドの上で背中を丸めていると、チャコが高志の背中に自分の体を擦りつけてきた。
恐らく慰めようとしているのだろうと思い、高志はチャコの頭を撫でる。
「ありがとよ慰めてくれて……でも……これは俺の自業自得なんだ」
「ふにゃ~……」
高志はチャコをベッドから下ろし、スマホを操作し始める。
優一や土井、繁村などからメッセージが来ていた。
内容はどれも紗弥と仲直りしろと言う内容だった。
繁村のメッセージでは瑞稀の事が書いてあった。
すべてがバレてしまい、瑞稀にも悪い事をしてしまったと高志は罪悪感を感じていた。
「はぁ……俺……何してたんだろ……」
肩を落とし、帰ってきて何度目かも分からないため息を吐く。
(でも……助けてくれた優一達の為にも……騙してしまった紗弥の為にも……俺はもう一度紗弥と話しをしなくてはいけない。今度はちゃんと……俺の本音をぶつける)
クリスマス会が終わり、生徒が全員帰ったのを確認した後、大石は学校の扉に鍵を掛けた。
「はぁ……」
大石はため息を吐きながら、車を止めてある駐車場に向かった。
「あ、幸輔さん来たんですね」
「えぇ、鍵を掛けてきたので……もう呼び方を変えてるんですか……」
「はい! あ、幸輔さんも二人っきりの時は名前で呼んでくださいね!」
「いや……私はまだ心の準備が……」
「呼んでくださいね!」
「いや、ですから……」
「ねっ!」
「うっ……はい……」
愛奈に圧倒され、大石は思わず頷く。
そんな大石を見た愛奈は満足そうに笑い、大石の車の助手席に乗る。
「さぁ! 早くクリスマスデートの続きをしましょう!!」
「本当に私の家に来るんですか……」
「む、なんですか? その嫌そうな顔は?」
「だって……絶対に襲いますよね?」
「もう、何を言ってるんですか~、私だって大人の女性ですよ? そんな自分からだなんてはしたない」
「自分からキスを迫っていた人が言わないでください……」
大石は愛奈にそう言いながら、運転席に座る。
すると愛奈は素早い動きで、大石の手を握った。
「……運転しにくいんですが?」
「幸輔さん、運転の時はほとんど片手で運転してるじゃないですか? たばこを吸いながら運転してたこともあったし」
「それとこれとは状況が違います……」
大石はため息を吐き、車のエンジンをかけて車を動かし始める。
「大体……確かに付き合うとは言いましたが、物事には順序と言うものがですね……」
「キスしたら次にやることは決まってるじゃ無いですか?」
「……貴方のその考えは間違ってると思います……」
大石は愛奈にそう言い、胸ポケットのたばこに手を掛ける……しかし……。
「あれ? 吸わないんですか?」
「はい……あぁ……なんか今から禁煙しようかなって」
「え? なんでですか?」
「はぁ……貴方も結構鈍感だと思いますけど?」
「え?」
大石はたばこに手を掛けていた手を愛奈の手に戻す。
「あ、そう言えば幸輔さん」
「なんですか?」
「まだクリスマスプレゼントを渡してませんでしたね、後でベッドの上で渡しますね」
「なんでベッドなんですか? シチュエーションが怖いんですけど……」
「怖くなんてありませんよ! 安心してください、きっと気に入ります!」
「何がですか……」
大石は愛奈に静かにツッコミながら、自分の家まで車を走らせる。
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高志は家に帰宅していた。
最低最悪のクリスマスだと、高志自身はそう思っていた。
いくら紗弥に連絡を取っても相手にされず、自分が完璧に振られてしまったと高志はそう思っていた。
「にゃ……」
「ん? あぁ……ちょっと一人にさせてくれ……」
「んにゃぁ~」
高志が自室のベッドの上で背中を丸めていると、チャコが高志の背中に自分の体を擦りつけてきた。
恐らく慰めようとしているのだろうと思い、高志はチャコの頭を撫でる。
「ありがとよ慰めてくれて……でも……これは俺の自業自得なんだ」
「ふにゃ~……」
高志はチャコをベッドから下ろし、スマホを操作し始める。
優一や土井、繁村などからメッセージが来ていた。
内容はどれも紗弥と仲直りしろと言う内容だった。
繁村のメッセージでは瑞稀の事が書いてあった。
すべてがバレてしまい、瑞稀にも悪い事をしてしまったと高志は罪悪感を感じていた。
「はぁ……俺……何してたんだろ……」
肩を落とし、帰ってきて何度目かも分からないため息を吐く。
(でも……助けてくれた優一達の為にも……騙してしまった紗弥の為にも……俺はもう一度紗弥と話しをしなくてはいけない。今度はちゃんと……俺の本音をぶつける)
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