甘え上手な彼女4 冬編
第50話
「ん、誰だろう? もしもし?」
『おう、泉か?』
「あぁ、赤西君。どうしたしの?」
『ちょっとな、土井達になんかあったみたいなんだ、俺たちはちょっと土井達の行った場所に行ってみる』
「あぁ、わかったよ……ところで高志は居た?」
『いや、こっちは居なかった、そっちはどうだ?』
「どうって言われても……ここに居るとは思えないって言うか……」
『ならお前らもこっちに来てくれ、場所はメインで送っておくから』
「う、うん分かったよ」
そう言うと赤西からの通話は切れた。
泉は首を傾げながら、スマホを操作し赤西から位置情報が送信されて来るのを待った。
「赤西君なんだって?」
「なんか、土井達と合流するから僕たちも来いって……なんか土井達が大変みたいだけど……」
「大変? 何かあったの?」
「わからない……とにかく僕たちも行ってみよう」
そう言って泉がその場を離れようとした瞬間、会社の前に一台の高級そうな黒塗りの車が停車した。
「ん? なんかいかにも高そうな車が来たね……」
「もしかして、この会社の社長さんとかかな?」
そんな事を泉と由美華が話していると、会社からスーツ姿の男性が出てきて、その黒塗りの車に乗った。
「うーん……あの人が社長かな? あの人と高志に何か繋がりでもあるのかな?」
「無いと思うけどなぁ……それよりも早く土井君達のところ行こうよ」
「あ、うん」
泉達は赤西から送られてきた、位置情報を元に土井達のところに向かった。
*
「くっ……」
「ふむ……若いのに粘りますね」
「うるせぇ……さっさと高志を出せ」
「先程から申していますように、そのような方はこの家には……」
殴り合いを続ける伊吹と優一。
端から見れば、膝をついて息を荒げている優一が苦戦しているように見えるが、伊吹もあまり余裕は無かった。
隙をつかれ、腹と足に優一の一撃を食らい、優一以外の二人の存在を忘れていた。
「……お連れ様はどちらに?」
「さぁな………」
そう言って優一はニヤリと笑った。
その表情を見た伊吹は、目を見開いて優一を睨む。
「なるほど……ただ単に怒りをぶつけてきていた訳では無かったようですね……」
「褒めてくれたのなら……ありがとよっ!!」
優一はまたしても伊吹に拳を振るい始める。 そんな優一の攻撃を伊吹は両腕でガードしつつ後ろに下がって距離を取る。
「私も爪が甘かったようです……」
「今更あいつらを探しに行っても遅いぞ……もう俺はアンタを逃がすつもりは無い」
「……えぇ、私もここを離れる気はありません!!」
「がはっ!!」
伊吹は一瞬で優一との間を詰め、優一の脇腹に重たい一撃をたたき込んだ。
優一は思わず膝をつき、呼吸を整える。
「ごほっ! ごほっ! はぁ……はぁ……」
「言い忘れていましたが、この家のメイド、並びに執事は皆、護身術を身につけて下ります。しかも執事の中には元軍人、警官などもいますので、彼らが捕らえられるのは時間の問題ですね」
「……はは、どうだろうな……あいつらは馬鹿だが、逃げ足は早いんだよ……」
「……そうであったとしても、時間の問題ですね……それでは私はそろそろ……貴方を片付けるといたしましょう」
「やってみろ……くそじじい……」
*
「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」」
「繁村! お前のせいだぞ! あんなデカい声で喋るから!!」
「うるせぇ!! いいから今は走れぇぇぇ!!」
繁村と土井は、後ろから追いかけて来るメイドさんと執事の軍団から逃げ回っていた。
囲まれていたところからなんとか脱出した繁村と土井。
しかし、時間が経つに連れてメイドさんと執事の数はどんどん増えて行く。
「こんな状況でどうやって高志を探すんだよ!!」
「知るか!!」
『おう、泉か?』
「あぁ、赤西君。どうしたしの?」
『ちょっとな、土井達になんかあったみたいなんだ、俺たちはちょっと土井達の行った場所に行ってみる』
「あぁ、わかったよ……ところで高志は居た?」
『いや、こっちは居なかった、そっちはどうだ?』
「どうって言われても……ここに居るとは思えないって言うか……」
『ならお前らもこっちに来てくれ、場所はメインで送っておくから』
「う、うん分かったよ」
そう言うと赤西からの通話は切れた。
泉は首を傾げながら、スマホを操作し赤西から位置情報が送信されて来るのを待った。
「赤西君なんだって?」
「なんか、土井達と合流するから僕たちも来いって……なんか土井達が大変みたいだけど……」
「大変? 何かあったの?」
「わからない……とにかく僕たちも行ってみよう」
そう言って泉がその場を離れようとした瞬間、会社の前に一台の高級そうな黒塗りの車が停車した。
「ん? なんかいかにも高そうな車が来たね……」
「もしかして、この会社の社長さんとかかな?」
そんな事を泉と由美華が話していると、会社からスーツ姿の男性が出てきて、その黒塗りの車に乗った。
「うーん……あの人が社長かな? あの人と高志に何か繋がりでもあるのかな?」
「無いと思うけどなぁ……それよりも早く土井君達のところ行こうよ」
「あ、うん」
泉達は赤西から送られてきた、位置情報を元に土井達のところに向かった。
*
「くっ……」
「ふむ……若いのに粘りますね」
「うるせぇ……さっさと高志を出せ」
「先程から申していますように、そのような方はこの家には……」
殴り合いを続ける伊吹と優一。
端から見れば、膝をついて息を荒げている優一が苦戦しているように見えるが、伊吹もあまり余裕は無かった。
隙をつかれ、腹と足に優一の一撃を食らい、優一以外の二人の存在を忘れていた。
「……お連れ様はどちらに?」
「さぁな………」
そう言って優一はニヤリと笑った。
その表情を見た伊吹は、目を見開いて優一を睨む。
「なるほど……ただ単に怒りをぶつけてきていた訳では無かったようですね……」
「褒めてくれたのなら……ありがとよっ!!」
優一はまたしても伊吹に拳を振るい始める。 そんな優一の攻撃を伊吹は両腕でガードしつつ後ろに下がって距離を取る。
「私も爪が甘かったようです……」
「今更あいつらを探しに行っても遅いぞ……もう俺はアンタを逃がすつもりは無い」
「……えぇ、私もここを離れる気はありません!!」
「がはっ!!」
伊吹は一瞬で優一との間を詰め、優一の脇腹に重たい一撃をたたき込んだ。
優一は思わず膝をつき、呼吸を整える。
「ごほっ! ごほっ! はぁ……はぁ……」
「言い忘れていましたが、この家のメイド、並びに執事は皆、護身術を身につけて下ります。しかも執事の中には元軍人、警官などもいますので、彼らが捕らえられるのは時間の問題ですね」
「……はは、どうだろうな……あいつらは馬鹿だが、逃げ足は早いんだよ……」
「……そうであったとしても、時間の問題ですね……それでは私はそろそろ……貴方を片付けるといたしましょう」
「やってみろ……くそじじい……」
*
「「ぎゃぁぁぁぁぁ!!」」
「繁村! お前のせいだぞ! あんなデカい声で喋るから!!」
「うるせぇ!! いいから今は走れぇぇぇ!!」
繁村と土井は、後ろから追いかけて来るメイドさんと執事の軍団から逃げ回っていた。
囲まれていたところからなんとか脱出した繁村と土井。
しかし、時間が経つに連れてメイドさんと執事の数はどんどん増えて行く。
「こんな状況でどうやって高志を探すんだよ!!」
「知るか!!」
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